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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

命の洗濯、あるいは逃避

HAWAII5-0」で、3人の会計士が事件に巻き込まれる話があった。
 
中年の男たちが、ハワイに現実から離れて大騒ぎ大はしゃぎの旅行にやってくる。妻も子供も置いてきた。ナンパしまくるぞー!!女子大生は金さえあればついてくる!
 
飲みすぎて、昨夜の記憶もなく、(ドラッグもやったらしい)、わけのわからない状態で目覚めてみると、若い女の子の死体がバスタブにあった。
あわてた3人、怖い奥さんからの「何してるの」電話もかかってきたりして、余計に焦る。こんなあわてた状態で電話に出たくないけど、出なければ後でもっと責められるに違いない、と出てみたり。
警察に言ったら容疑者にされる、と遺体を埋めているところを(ハワイだから大自然の中に)警官に発見される。
 
彼女が殺されたのはもちろんこの中年会計士3人に関係したことではなく、3人は部屋を利用されただけ。(若い女の子たちにホテルのカードキーをばらまいて「部屋に来ない?」と誘っていたからね。)
 
ハワイに来ている学生たちは裕福で、パーティ三昧。(これ、メキシコも同じように使われているのが、ドラマにはよく出てくるな。)
プールサイドでビキニでカクテル飲んで、ブリーフ水着の男の子たちとはしゃいでる。
だからおじさんなんて、小金を持ってたってお呼びでない。けど彼らは必死だった。失敗しても失敗しても果敢にナンパしまくる。
 
だってハワイには現実を忘れて命の洗濯をしに来てる! 命の洗濯とは、今回の場合、若いおねーちゃんといちゃいちゃすること!
 
捜査の間中、記憶がなくて尋問におびえる3人がところどころ出てくる。(「HAWAII 5-0」の捜査は横暴で法律無視なところが売りなんで。)
そして刑事たちが捜査する間中、「ああ、彼らね。目立つわよ、あんな年寄りがあれだけ若い子をナンパしまくってたら」「ああ、カードキーを必死でばらまいてたわ、誰も相手にしてなかったけど」などの証言が浮かび上がる。
 
結末は、遺産相続争いによるもので、3人の中年会計士はまったく関係なかった。
(彼女は私生児で、死を前にして後悔した父親が彼女と会おうとし、嫡出の息子が彼女に遺産を渡すまいと殺した。――まあ、この気持ちも分かるわな。話が違う!って父親に言いたいよね。)
 
ナンパしにハワイ旅行に来た3人は、刑には問われなかったけれど、前科つきで帰ることに。
空港まで送ってきたルー(黒人のおじさん)に、「どうせ帰ったらとっちめられるんだろうから」と結婚指輪を返してもらい、「もう二度と来るな」と帰らされる。
それまでも、つかまったときも「普通はそういうときナンパしない」とか、呆れた顔で見られたりとか、いろいろしてた。オマヌケ3人組なのである。
 
 
 
 
 
でもさ。
 
気持ちは分かる気がする。
「毎日毎日金の計算だ。パーッと遊んで現実を忘れてリフレッシュしたいだろ?」「それがナンパ? 普通はしない」
 
いや、あんたね、気持ちは分かるよ。
そういうときに、健康的な「よし!ハワイでパーッとサーフィンだ!」「ビーチで日向ぼっこだ!」ってことばかり思うとは限らない。
 
ビーチで美しい海を眺めながらぼーっとするのはよくて、ビキニのおねーちゃんを眺めてぼーっとするのはダメっていうのは――それはないね。何を慰めとするかは人それぞれだから。
 
個人的には、成功率の低いナンパをしてるあたりが人のいい人たちだと思う。
お金で女性を買っていくらでもはべらせて、っていう旅行をしてるわけじゃない。買春ツアーっていうやつ?
――まあ、それをやったらアメリカではかなりの犯罪になってしまうけど。
 
 
 
 
 
でもさ、とにかくさ。
 
わかるよ。
命の洗濯したいよね。




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