JTBと楽天トラベル(わたしなりの結論)
IがJTBを使っていたので、わたしも自然に「旅行するならJTB」となった。
わたしは旅行なんてほとんどしたことがなかったから、自分で決めて行くとなったらベテランのIに倣ったのだ。
でも楽天トラベルやじゃらんnetを使っている人は、どうやら多いようだ。
あまり考えたことがなかったが、夫が「楽天トラベルって、運営は楽天がしているの?」としつこく言っていたので、調べてみた。
・・・・・・運営についてじゃなく、オンラインサイトで旅行を予約するってどういうものなのかな、ということについて。夫の質問はきっかけではあったが、目的ではなかった。
旅行に行こうとしたら、わたしなどはパンフレットの中でも安い宿がいいし、安かろう悪かろうでは嫌だと思って安いお宿候補の口コミを調べたり、手間暇がかかる。
そういうふうにネットで検索していると、やはり「楽天」の単語はよく見るので、オンラインサイト最大手も、代表格も「楽天トラベル」のように感じる。
そして旅行会社は、わたしはJTBしか使ったことがないので、代表は「JTB」である。
そこで、旅行代理店とオンライン予約サイトの比較ということではなく、JTBと楽天トラベルの比較をする。というのも、自分が使うとしたら、この2つのうちどちらかだろうと思うからだ。
これは備忘録であって、あくまでも「自分が使う場合、どちらが合っているか」の結論であり、覚書である。
多分に――というより100%、個人的好みの問題で、一般的な結論を出そうなんてことは考えていない。
まず、オンライン予約サイト、つまり楽天トラベルとは。
オンライン予約サイトは、Web上で自分で宿なりセットプランなりを比較し、丹念に検討してオンライン上で契約する。
メリットは、安さ。
JTBだってWebから予約した場合は安い。
店舗を構えて、人を配置して、さまざまな手配も社員を介するカウンターでの予約は、コストがかかる。
当然そういったコストがないオンライン予約は安い。と推測。
激安バスツアーなどは扱いがあるけれど、フリープランで自由に旅をしたいと思うと、激安ツアーなどはちょっと――となる。
楽天トラベルなら自分で好きなように選べた上に、JTBでフリープランを申し込むより安い、ということが大きなメリットなのかと思う。
また、楽天トラベルでの取り扱い価格は、やはり業界最安値も多いようである。
デメリットは、自己責任。
なんでも自分で決めなければならない。
どちらが安いかもそうだけれど、どちらがいいか、それぞれの良し悪しは? すべて自分で比較検討し、決定しなければならない。
これがひとつめの「自己責任」だとする。
そうはいっても、JTBだってわたしは事前に相当調べる。
Iはわたしよりも収入がかなり多い上に、その収入が多い(わたしは少ない)状態で長年働いてきているから、格差がある。Iだったら「相談しちゃったほうが早いよ」と言うし、わたしは事前にどこが安くてどういうデメリットがあるか調べる。つまりIはもっとJTBのメリットを享受している。わたしの利用の仕方が「安い」寄りだということで、経済力があればこの時点でJTBのほうが便利度がさらに高いだろう。
とにかく、そんな事前にチェック入れまくりのわたしでも、もうひとつの「自己責任」に関してはJTBと楽天トラベルではかなり差が出る。
2つめの「自己責任」は、注意事項や何かあったときの対処だ。
一般的なやり方の違いについては、普通に検索して説明を見た。
ここからは質問箱などに寄せられている幾多の意見を見て、自分なりに考えをまとめた。
まず注意事項について。
●楽天トラベルでオンライン予約し、その日のうちにキャンセルしたが、100%全額払うことになった。(質問箱)
→注意が書いてあるところをクリックして、よく読んでみると、いったん予約したら何日前であろうと100%のキャンセル料がかかるという宿だった。
※たとえばJTBのカウンターで間近に旅行予約した場合、「お日にちが迫っておりますので、これから先キャンセルされますと、払い戻しができません」というような注意を言われたりする。こういうことはWebでは自己責任になるので、さまざまなチェック事項についても自己責任になるんだな、と分かった。
●そういえば先日、母とIと行くつもりである温泉の老舗旅館をJTBカウンターでいったん抑えたが、「注意事項として、エレベーターがありませんとのことです」と説明された。老齢の母も一緒だったので、抑えた部屋が何階にあるのか聞いてみると、旅館に確認してくれた。4階で、大浴場は地下1階だと分かった。残り1部屋だったのでとりあえず抑えてくれたが、その上り下りは母には不評と判断して別の宿にした。
※こういうことも、楽天トラベルで申し込む場合は、自力で調べなければならないのだろうと思った。行ってみて判明した場合は、自己責任と諦めるしかないってことなんだな。JTBは「一定以上のレベルの宿泊を約束する」と一般パンフレットでははじめのページで宣言しているから、こういう情報管理もしていて、向こうから言ってくれる。母が一緒でなかったら、Iはその宿に行きたそうだったから決定したと思う。でも知らずに行ったらちょっと驚いたかも。
●行ってみたらボロボロの宿だった。(質問箱)
→どうしたってこれは仕方がない。ネットの情報には限界があるし。
※楽天トラベルは予約を仲介というか紹介というか、しているだけだから、看板に偽りありだったとしても関知しない。客と宿との問題である。(というのが基本姿勢らしい。)
これもまた、JTBの場合は「JTBがお約束します」と謳っているので、相当悪質であればもう載らなくなったり、対処されるのだろう。
次にトラブル対処について。
●宿泊を予約したはずの宿が、行ってみたら満室だと言われた。
→近くの他の宿を紹介すると言われ、グレードダウンの部屋に泊まることになった。
こういったことについて楽天トラベルには責任がない。(という立場。)
カスタマー自身で宿と話してくれ、という姿勢を崩さない。
そのことで返金を要求するとしても、返金がなされるとしてもなされないとしても、すべてはカスタマーと宿との問題。
※JTBで申し込んだものであれば、そういうことがあったら、その時点で相談窓口に連絡するだろう。そのとき営業時間外で連絡がつかなかったとしても、JTBも介入して対応してくれそう。任せられるので楽そうだ。トラブル対応が自己責任というのは、ちょっと面倒。
●宿泊を予約したはずの宿が、行ってみたらシステムトラブルでとれていないと言われた。
●宿泊を予約したはずの宿が、行ってみたらシステムの不具合でダブルブッキングになっていたと言われた。
→対策については、自力で他の宿を探して大変だった人、グレードダウンの他の部屋を用意された人、他のホテルに紹介された人などさまざま。
※結論としては上記同様。楽天トラベルはあくまで仲介するだけ。客と宿の問題。
まとめると、楽天トラベルはほとんど何も責任を持ってくれない。
使う側が自己責任ですべておこなう。
トラブル時にまったく対応してくれないのは不安。
しかしこういったことは、膨大な取り扱い案件のうちのほんの一部なのだと思われる。
何事もなく旅行が終われば、「安く行ってこられてよかったわ」と満足できるだろう。
たいていの場合、楽天トラベルを使って満足して帰ってきて、たまたま不運だった場合は大惨事(アメリカドラマ風にいうならディザスター)になるってことだ。
大惨事にぶちあたる可能性は、たぶん高くない。「それを言ったら、列車事故だってなんだってあり得るのよ。当たらなければハッピーな旅行をして、ハッピーに帰って来られるんだから。9割はハッピーに終わると思うわ。そんな1割だか0.5割だかを心配したって」――楽観的に考えればそういうことで、レアなケースを心配して悲観的になってはチャンスを逃すとも言える。
補足というか、おまけというか。
●質問箱の中に、夜遅くチェックインするように予約していて、悪天候の中やっと夜中に宿に着いたという人がいた。もともとのチェックイン予定が23時と遅かったが、さらに遅れてしまったのだ。その途中、3度くらい宿に連絡を入れていたが、どれもつながらなかったと書かれていた。宿に着いてみると、暗くて灯りもない。チャイムを鳴らしても応答がない。結局朝まで軒先で過ごし、仕事に行ってからまた寄ってみたが、やはり誰も出てこなかったし、営業しているふうではなかった。
どうやら休業していたようだ。突然の急病でというようにも受け取れたし、過去のページから予約したからとか書いてあったようにも思う。とにかくまたしても「楽天トラベルは責任をおわない。宿と話し合ってくれ」で、交渉の末、宿からは返金があったとのこと。「今度は個人客としていらしてください、お詫びにおもてなしします」というような丁寧な文言もついていたという。
興味深い点は、結論としてこの人が「自分の仕事には楽天トラベルは欠かせない。こういうことがあったが、やはりまたヘビーに使う」と言っていること。
やはり自由に予定を組める上に、安いというのは、メリットが大きいのだと思った。
●もうひとつ質問箱に、「**に旅行に行きたいと思っているが、もう少し待てばもっと安いプランが出るのではないかという気がする。仮押さえ的に予約して、直前になって安いプランが出たらキャンセルするというのは、ありか?」というのがあった。
「宿やホテルにとってはありがたくない話だろうが、しかしありだと思う」という答えが多かった。中には「私はいつもいくつもの宿やプランを仮押さえしておいて、直前になって同じプランがもっと安く出たら、押さえたものを全部キャンセルという使い方をしている」という人、「気にしなくていいと思いますよ。それがシステムってものなんですから」という人がいた。
もしかして――こういうことが増えたから、「当日にキャンセルしたのに100%全額のキャンセル料だった」「1週間くらいしてからキャンセルしたら、100%とられた。後からよく見たら何ヶ月前であっても全額ということが書いてあった」というのが増えたのかな。対抗策として。
●この質問箱では、オンライン予約と旅行代理店を比べているわけではないのだが、ベストアンサーの人の説明が分かりやすくて納得だった。いつまでページがあるものか分からないが載せておく。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4390872.html
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最後に覚書として、総まとめ。
楽天トラベルのメリット
・安い
楽天トラベルのデメリット
・すべて自己責任
わたしはすべてを自己責任で取りまとめる自信はない。
だからJTBをやはり選ぶ。
また、JTB取扱いの旅行は、行った先でも居心地がよい。
お部屋保証や、さまざまな「お約束」があるので、ハプニングがなく安心できる。
ブランド力もあり、アンケート集計も熱心に行っているためもあるのか、宿側も快く扱ってくれる。もちろんどこから申し込んでも「おもてなしの心」は同じかもしれないけれど、やっぱり若干違う場合もあると思う。
しかしわたしは経済的に豊かとはいえない。
JTBを利用しながら、できるだけ安いプランを探すだろう。
居心地良さと価格のバランスをJTB内でとっていくのが、わたしにとってのベストなスタイルだと思った。
――JTBにとっては、「安いハンバーガーだけ食べて、利益率の高いドリンクを頼まない最低ランクの客」だろうけど。