障害のある方への就職のためのさまざまなことを提供する場所で働いている。
わたしの仕事は就職支援ではなく、スキルを身に付けるための支援だけれど、それは表裏一体なので利用者にスキル習得と就職と両方の観点を併せて質問されたり、助言したりすることがある。
お互いの領分を侵犯しないようにできるだけ気をつけたり、避けたりするけれど、まぁできる範囲で。
ちなみに、障害のある人の就職もさまざまだ。
特別支援学校を出たけれど就職が決まらなくて来る人。つまり新卒と同じ条件で就職活動をすることになる人たち。
障害を持ちながらの仕事遂行でいろいろ困りごとやつらさを抱えてうまくいかなくなり、転職を希望する人たち。
ひどくやりづらさを感じ、それをうまく伝えたり、職場と折り合いをつけたりすることができず、診断を受けたら障害があることが判明した人とか。
何を言いたいかというと、新卒のような就職より、圧倒的に転職が多いということ。
でも、自分が転職活動を本気でするまでは、何か言いたいと思っても「よく知らないし」と思っていた。
転職活動をして、この年でなんとか職場を探そうとしたら、どうしようもない職歴でもうまく伝えなければならない。「どうしようもない」のではなく、いいところを見つけて強調するべきだ(もったいないから)とだんだん悟った。
今は、結構、利用者に(言わないけど自分の体験があるから)ある程度の自信を持って助言できる。
障害を負った場合、(または障害が分かった場合)、それを受容するのにも時間がかかる。
そして、自分なりにそれを肯定していけるよう捉え直す。それをリフレーミングと言う。リ(し直す)、フレーミング(枠組み)
それは、別に障害受容に限らず、人生のいろいろな場面で使えることで、障害受容のための技法ではない。一般的な技法を障害受容にも使えるということ。
で、それは転職活動にも使える。それをわたしは自分の転職活動で実感した。
いかにして自分の思いを、ネガティブな側面からではなくポジティブな側面からの言葉で伝えるか。
いかにして自分のキャリアの強みとなる部分を強調するか。
いかにして自分が自信を持てずにいる事柄の良い面を見つけて、それを強調し、自信を持てない視点からの思いに前向きな付け足しをするか。
今は転職活動は落ち着いているけれど、今取り組んでいることが失敗に終わったら、今度こそ最後の転職をするつもり。
最後のというのは現役人生最後のということで、現役が終わったらやっぱり70歳までは働きたい&収入安定のために働かなければならない。
現役後の働き方はもっと緩やかにならざるを得ないだろうと考えているので、転職での意思表示のあり方も違ってくるかもしれないと思っている。今よりゆるやかに伝えるだろうな。
と考えている自分。
最近、「自分だったらどう伝えるかな?」と思う記事を読んだ。
たとえで書こうと思ったけれど、ここまで書くのにかなり時間がかかっているので直接書いちゃおう。わたしのは、見ている人の非常に少ないブログだし。
タッチタイピングとかな入力
(ブラインドタッチは障害者施設ではあまり使えない表現。盲目(ブラインド)の人への配慮でタッチタイピングというのが平成時代の主流だった。今は逆にそういうことを気にしない当事者も少なくないので、たぶん視覚障害者の方の方が職員のわたしたちより「え、気になりませんけど?」という気持ちかもしれない。)
リフレーミングで弱みを強みに変える→「私はかな入力です。今どき?とよく前職では言われましたが、日本語入力は早くて驚かれていました。(or 打つキーが少ないので速さには自信があります。前職でも私より早く日本語入力ができる人はいませんでした。)」
コツは、同じ物事を別の観点から見るということで、嘘や作り事を考えないこと。
どんな物事も、一面しか見る方向がないことは(ほとんど)ないので、いい面を強調する。
最後を肯定形で終える→「タッチタイピングは覚えようとしたことがありませんが、新しいことへの挑戦は大好きなので、お話を伺っているうちにトライしてみたいとわくわくしてきました」(ちょっと大げさだけど)
否定形で終わる例:タッチタイピングはできません。
上の否定形をちょっとだけ肯定形に変える例:タッチタイピングはしたことがありませんが、時間をいただければこれから覚えていきたいです。
肯定形の別の例:タッチタイピングは今はできませんが、お話を伺って、練習して習得したいと思い始めています。
ものによっては変えられないことも多いので、そのときは諦めるけど。