春の気配
もうすぐわたしも新しい仕事を本格的に探して、4月からはなんとしてもフルタイムで働かなければならない。(一応、今本格的に探していないのは、今の職場の契約社員的ポストを第一希望に公募されるのを待っているから、という言い訳がある。)
今は、暇は軽い登山に充てている。昨シーズンからはまった趣味。(八ヶ岳とか日本アルプスとか、全国的に知られているようなすごい山に登る気も体力もない。低山と呼ばれるいいとこ1000mくらいまでの山ばかりで、今のところ一番高くて900m弱。200m以下なんていう山もある。本当に「軽い」登山。念のため。)
意外と近いところに低山地帯があるので、交通費くらいしかかからない。とはいえ、来月など収入は5万くらいの予定。だから今月の分から穴埋めに取り分けておかなければならない。
そういう身には往復1000円くらいとはいえ、1回に1000円、コンビニのおにぎりなどだけでも、痛い。
ちょうど低山のハイシーズン春に、仕事の閑散期が来るので、昨シーズンも平日に休みを取って行ったりした。
今年は行き放題――とはいえ、山歩きはけっこう激しくて、連日は無理。最低でも中2~3日は欲しいところ。
平日に行くと、人も少なくて、贅沢な時間を過ごした気になる。
昨日も(地元では)メジャーな場所に行ってみたけれど、そこまでの道はちょっとマイナーだったせいもあって、出会った人はリタイヤ世代と思われる男性2人だけ。
メジャーな場所でも人がいなくて、そこでおにぎりを食べたりして、静かで贅沢な時間を過ごした。
下って次なるメジャーな場所に行く途中、登ってくるリタイヤ世代の男女6人のパーティとすれ違う。
でも次なるメジャーな場所でも誰もいなくて、静かに展望を眺めた。
自分が今楽しんでいるのって、リタイヤ後の人と同じ楽しみなんだなぁ、と実感。
週末に(地元で)人気の山に行くと、まだ現役世代のおじさま、同じくらいの世代の男女、若い男性、若い女性、ファミリーなどに出会う。
その中にリタイヤ世代の男女も混じってはいる。リタイヤ世代は、男性は半々で単独山行か2~3人(男のみ)ないし大勢(男女)のパーティ、女性は5割女性同士のパーティで4割男女のパーティ、残り1割単独。――に見える。
リタイヤ世代は、自由自在ってことだ。週末も楽しむ。平日も楽しむ。
静かに歩きたければ、1人で平日に行くのがいいのだろうな。と平日によく出会う単独男性を見て思う。
わたしが楽しんでいるのも、それ。
でもわたしのは一時的なものだから、もうすぐ終わってしまう。
――思えば、昨シーズンも平日に休んだりしていたけれど、それだって普通に働くようになれば無理だ。ダブルワークで、たまたま微妙な調整ができる方式だったから、運よくできたのだ。
もうこれも終わりか――
これから60歳まで、平日をこんなふうに山歩きに使えることはないだろう。
週1しか行けないで、雨が降ったり用事があったりしたら行けないで、本当に「たまの楽しみ」になるんだな。やめちゃうかもしれないな。
夫のほうは、わたしのこういうネガティブなグチグチした時期が嫌いなので、わたしがそういう繰り言を言ってもスルー。
若い頃はそこから発展して、ちょっと言い争ったり、お互い不機嫌になったりしたが、年月を経て、夫はスルーという技を身に着けた。わたしも、スルーされても気の済むまで言う、という手法を採用するようになった。
夫は自由度の高い仕事スタイルなので、まーったく気にしていない。
わたしの繰り言が厄介だなと思うだけ。
綺麗に撮れた写真でもなんでもないのだけれど、菜の花が咲いていた。
もういつのまにか春が来ていた。
昨日はあったかい日だったからなぁ。
最後にお気に入りのカフェに寄った。
この山に来たときはできるだけ寄るようにしている、お気に入りのカフェ。
スパイシーなチャイがとってもおいしい。
先日、銀座の人気カレー店でチャイを飲んだら、スパイスがほとんどきいてなくてガッカリだった。
やっぱりここのチャイが最高だ、と思った。
そうしたら、なんか味が変わっていた。
気に入っていたパンピザの味も変わっていたので、料理担当者が変わったのかもしれない。
すごく残念。
同じ店でもずっと同じ味とは限らないんだな。