Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

カウンター業務(ハローワークとJTB)

はっきり言わせてもらう。
わたしの住む地域の管轄ハローワークの窓口の人は、当たりはずれがある。


それほどたくさんの人に出会ったわけではない。たった4人。
でもそのうち2人は、悪い言葉で言えば「使えない」と思った。
確率は半分である。


そういえば20年近く前、長く勤めたサービス業を辞めて、失業給付を受けているとき、ある職業訓練を受けたいと思って訪れたときもイライラした人がいた。
失業給付を受けるには、定期的に仕事検索に行き、そのうち何回かはただ検索するだけでなく、ちゃんと窓口で相談しなければならない。その当時はそういう決まりだった。


そういうのはよくないとはいえ、それまでの仕事に疲れていたわたしは、できるだけ長く失業給付で暮らすつもりだった。
だから窓口を訪れても、相手の言うことを素直に聞き、「はいはい」と生返事をして、早く終わらせることだけを願っていた。
こちらから何かを頼むことはなかったのだ。


最後の最後、「この職業訓練に申し込みたい」とわたし側に頼みたいことがあったときは、イライラした。
このときの感想は「使えない」ではなかったけれど、無駄が多くて、その上その人がわたしに説得していた内容は間違っていた(間違っていたことは後で知った)。


かなりの確率で、ハローワーク(わたしの管轄の)窓口は、はずれを引く。
無能な人だけを選んで雇っているのか? と心の中で毒づきたくなった。
というか、毒づいた。今回は。


管轄のハローワークは都心に3カ所ある。これは「ハローワーク」。大きい。
サテライト的に「ワークサポート」というのが、ちょっと都心から離れたところに2ヶ所ある。


ついでに言うと、都心の3ヶ所は、2ヶ所は隣接しているくらいに近く、1ヶ所も駅は同じ。
意味ある??? と心の中で皮肉を言った。


1つ前の記事でわたしが行ったのは、中でもたぶん一番人が来るところだと思う。
窓口もずらりと並んでいて、朝一番には開いている窓口も少なかったが、求職者が増える時間帯になると軒並み開設。
ということは、このずらりと並ぶ20か30ありそうな窓口のほとんどに人がいるということで、20~30人が雇用されていることになる。窓口担当だけで、だ。


ワークサポートは小さかったので、窓口も3つか4つくらいしかなかった。
でも常時2~3人は働いていることになる。窓口担当だけで、だ。


わたしは思った。雇ってもらいたい!!!と。
ずっと前にここにも書いたが、フリーで働く職場の契約社員的ポストに就くことを希望し始めた頃で、もうダメならなんでもいい――でも今さら企業で生き馬の目を抜く世界を生き抜くのは無理だ。できれば公的機関みたいなところがいいなぁ。


そうしたら目の前にある。
「この程度で窓口がやれるなら、わたしだって勤まるな」という思いから、「契約社員的ポストにあぶれたら、ここで働きたいもんだ」になった。


「この程度で」というのは、2つの意味がある。
・そのくらいの検索もできなくていいんだ、なら自分のスキルでも充分だな。
・自分の仕事に関連することなのに、そんなことも知らなくていいんだ、なら怠け者の自分でも安心だな。






求職登録をしたときの女性は、普通だった。つまり「使えた」ということだ。
そのときは普通の人に見えたが、後からわたしのその人に対する評価はかなり上がった。
窓口に行くたびに「あの最初の人が一番だった」という思いを強くしていったからだ。


まだ自分も、とりあえず登録に来ただけ。
窓口の人と一緒に試行錯誤。


とにかくわたしとしては、
・これまでの経験を活かして、福祉で支援で教えられたらいいのだが。
・そういう仕事をする場合、NPOなどより公的機関を狙いたいのだが。
この2点。
・これまでの仕事と離れても、公的機関がいいのだが。
付け加えるならこの1点。


最後の点については、補足が必要。
たとえば「就職を支援する」としても、ハローワークのような紹介機関、職業訓練学校、就職後の支援をするジョブコーチやトラブル相談窓口、いろいろある。ハローワークでも、窓口係もいれば、求人申請を受け付ける係もいれば、失業給付の係もいる。職業訓練学校でも、技能を教える講師もいれば、就職についてアドバイスする就職指導係もいる。
「できれば職業訓練学校の講師がいいが、決まらなければ就職指導係でもいいし、それもダメならハローワークでもジョブコーチでも、関連するものであれば仕事内容がかけ離れてもいい。
そういう意味だ。


関連するものであればというのは、まったくゼロよりは採用される可能性が高いのでは、と思ったからだ。


実はわたしはまだ探すつもりはなく(だって狙っている会社があるわけだから)、ただとにかく登録をと思って行ったのだ。登録していないと、いざ出たときに紹介状がもらえないからだ。(まあ、時間はかかるがその場で登録、出してもらえるとは思うけど。)
しかし窓口に行ったので、自分の希望も説明することになるし、相手も「どのくらいあるものか検索してみましょう」ということになる。


この内容で一緒に探してもらったが、結構難しかった。
業種や職種と公的機関であることをかけあわせるのが厄介だったのだ。
業種だけでは、やたらとたくさん出てきてしまい、探すのが厄介。
公的機関であることにこだわるのは、そもそも探しにくく、わけのわからない職種まで出てきてしまうし、本当にここだけ見ていればいいのかも不明。
業種か職種で検索し、その中で公的サービスという絞り込みができるといいのだが。


そのときの窓口女性もちょっと苦闘して、でもうまく出してくれた。
「ここで**(公的なことを示す何か でも忘れた)を選択すると出てきますね。これは窓口でしかできませんので、もしまた必要があれば窓口にお越しください」


おー! そうなのか!
窓口でしかできないのは不便だなー。


でもまた窓口に来ればいいんだ、と思ったので、「待ってください、やり方を教えてください。どこで何を選ぶんですか?」とは聞かなかった。






しかし次に当たった窓口女性は、まったくできなかった。
求職登録は3ヶ月で切れてしまって、番号が使えなくなるというので、再び出かけていったのだった。


この頃には、さすがにわたしもいよいよ日が来て検索してみたら、「使い方が分からないー!」と出遅れてはいけないので、自宅などで検索してみていた。
ほんの何回かだけど、それだけでハローワークインターネットで求人を探すのは、ものすごく面倒だということが判明していた。


で、もう、第一希望としては狙っている職場があるわけだし、「詳細条件」の中にある「事業所名」というところに社名を入れるという方法をとった。
これが一番簡単だった。事業所名を入力するということは、相当な絞り込みになるわけだから、年齢だの新着から探すのかどうかだの、給料額も手当の有無も休日も、何もかも選択しなくていい。
まっさらのままで、とにかく「詳細条件」→「事業所名」と進んで入力する。検索。
ただそれだけ。


狙っている職場で不採用になったら、その後は他の職を探すのだからと、せっかく来たので窓口の女性と検索。
しかしその女性には公的サービスをしぼりこむことがなかなかできなかった。


さらに、わたしが狙っている職場についても、一応調べてもらうと――「0件」
「今は募集されていないようですね」


いえ、されてます。
わたしが狙っている仕事ではないけれど、別の業務が載っているのをインターネットでは見ている。


窓口女性その2は、端末のモニターをこちらに向けてくれる。


・・・・・・


「ここではなく、事業所名が*******なんです」と申し訳なさそうに。


しかし狙う職場は名称が長いので、「え? こちらですか? こちらに?」と入力し直しているが時間がかかる。タイプミスをすると「カチャッ」BackSpace。「カチャカチャ」BackSpace。


そして検索して、「該当やっぱりありませんね」


「こちらの職種(だったかな?違うかも)を消していただけば、きっと――」と控えめに。


だって間違って違うボックスに入った「*******」が消えてないのだ。
ヒットするわけない。もともと融通のきかないシステムだっていうのに。


この窓口女性その2は、実に熱心に飯田橋のある職を勧めてくれた。
なぜそこまで推すのかと思うほど、「どうですか? 応募してみませんか?」と熱心だった。


それを断ったりしたので、「狙っている会社もあるので、そちらにしたいと思っていますが、もし見つからなかったらこういう職もいいと考えているんです」と、ジョブコーチの広告を見せてみたりした。ワークサポートにあったので、ちょうどもらっていたところだった。


実は前から気になっていたのだが、例年わたしの仕事がびっしりある時期に3週間くらい研修を受けなければならないので、断念していたもの。
国家資格などもあるが、それは無理。条件があって、わたしは当てはまらない。


窓口女性その2は「あ、いいですね。よくお考えになっていらっしゃるんですね」とお愛想を振りまいてくれる。
「でもいつも仕事と重なって、3週間の研修に通えなくて諦めていたんです。仕事を辞めることになったら、時間ができるので」と言ってみる。


「あ、これ、1日の研修ですよね。ここに3月5日と書いてあります。この日1日だけの研修ですね」


――いいえ、違います。3月5日は説明会。
研修は5月の連休明けから3週間。



それでわたしは思ったわけだ。

自分が働いている職場にパンフレットが置いてあったりすると、どんなものだろう?と見る。
そういうものがあるのか、と思う。
わたしの講座を受講した人が「***というのも千葉や神奈川にはあるんですよね」と言ったら、「そのようですね」と言える。
そこまでしか分からなくても、そこまでは言える。
「わたしは直接知らないので、詳しいことは分かりませんが、これこれこのようですね」とパンフレットに書かれていることは言える。「ロビーにもパンフレットがありますから、ご興味があればお持ちになっては?」と言える。


壁に貼ってある掲示なども、時折見る。じっくりは見ないかもしれないけど。


そういった自分の仕事に関連することを知る努力を、まったくしなくてもいいわけだ。
わたしはこれまで、今の職場についてわたしは何も知らないからと思ってきた。フリーってことは外部の人間てことなので、仕方ないとはいえ、それはやってくる人には分からない。
長かったサービス業時代、「アルバイトだからというのはお客さまには分かりません。カウンターの内側にいればプロだと思われます」と言われた。そりゃそうだ。クリーニング店だったので、生地の知識とかクリーニング方法の知識とか、破損の事例とか、いろいろ教えられた。

でもここでは必要ないのだ。なんていい仕事!


それに自分のところのシステムも使いこなせなくて、でもそれでいいのだ。なんていい仕事!


サービス業であればレジが使えないと同じことだ。
もたもたと「お待ちください??」と悪戦苦闘していたら、忙しいお客さんたちはイライラする。怒り出す。
わたしはレジ打ちに精通していた。早かったし、トラブルがあったときの対処も知り尽くしていたし、どうにもならないときは手書きにするという対応もできた。


でも精通する必要はないのだ。
一般人のふらっとやってきたわたし以下でもいいのだ。


なんていい仕事!






そしてXデーがやってきて、わたしは無駄に午前中の4時間をハローワークで過ごしたのだが、窓口を2回利用した。


最初の窓口男性はまだよかった。
こちらが「事業所名で検索してほしい」と伝えると、事業所名で検索してくれた。


前回の窓口女性その2のときの経験をふまえ、「*******」は長すぎるので「***」を指定。これでも大丈夫、ほかの会社は出ない。ハローワークインターネットサービスで検索したら出なかった。


「***」で、フルタイムもパートも含めて検索すると、九州の支社が募集しているものが数件。


それからわたしは端末に戻り、何時間も自力で最新情報を検索し続けたあげく、いったん帰ることにした。
帰る前には、やっぱりもう一度窓口で事業所名検索したい。
見逃しているかもしれないし。






次の窓口男性は――4人出会った中で、わたしとの相性が最も悪かった。


最初はよかったのだ。わたしも就職のことだから低姿勢になるし、面接のリハーサルくらいに思っている。それに柔らかい態度をとっているほうが、いろいろなことがスムーズにいくものだ。


「求人が出ているかどうか、事業所名で検索していただきたいと思って窓口に来ました。あちらの端末では事業所名で検索ができないので」
「向こうのはね、できないんですよ。じゃ、求職番号持ってますね? 出してください」


この時点で、最初の「え」があった。
今までの人たちは、必要がなければ聞かなかったのだ。応募するわけでもないし、要らないのだが、とにかくまずは求職番号を教えろという。


求職番号の書かれた紙を見せると、「はい、そうです」と受け取り、番号を入力。
立ち上がって後ろに行き、何かをとってきてまた座る。
「****さん、間違いないですね?」「**歳。若いね」


――そういうことか。
求職番号を入力したのは、わたしの情報を印刷するためだった。
応募しないんだから要らないよ!!!


まるでアメリカドラマの取調官(調書ファイルを持ってて、見ながら質問する)のように、
紙を見て、「****さん」とわたしを見る。
紙を見て、「**歳」とわたしを見る。


この相談ですることはというと、「事業所名で検索してください」だけなのに。
ヒットしてから印刷しても遅くはない。(実際、最後にようやく求人を探し出したときの人はそうしてた。)


「若いね」と言われたわたしは、どう答えたらいいかとちょっと考える。


たぶん確実に、目の前の窓口男性その2よりは若い。しかし就職活動をする上ではまったくもって若くない。(30越えたらも過ぎ、35過ぎると激減するも過ぎ、40越えたらホントにないよも過ぎ、言いたくないが次の5年も過ぎている。)
「私なんてもう若くないですよ」と自分より若い人に言われるとムッとするから、「もう若くないですよ」はNGワード。そういうネット記事を読んだばかりだった。
だけど、この人は職紹介のプロだよ? 就職に関してはプロだよ?
世間話とはやっぱり違うよね。就職を探すには若くない。「いえ、就職活動にはもう若くないです」


「・・・・・・そんなことないでしょ」


まあ、そりゃ、就職といっても今の時代、さまざまです。必ずしも正社員として新入社員のように探しているわけではないです。60歳で定年後、新たな職を探す人よりは若いです。
でも、就職のための相談窓口に来て「若いですね」と言われる年齢では、決してないと思います。
いいとこ、ものすごく大らかに定年後の再就職組まで合わせた中で、「まだ大丈夫ですよ」程度だろう。それももう5年もすれば「さすがにちょっと・・・・・・」確実な「まだ大丈夫」だ。「まだ大丈夫」も終わりかけている。


そのことを言いたかったが、言わなかった。長くなるし。どうでもいいことだし。
この窓口男性その2は、自分も定年後の再就職組とかで、「俺なんか大変だったよ、お前くらいの年齢だったらとそのとき思ったよ」と感じたのかもしれない。
でもそんな自分主体の基準で受け止められても――普通一般に46歳といったら、就職するにあたって「若い」年齢ではない。


そして事業所名で検索。
事業所名だけで検索してくれれば済むことなのに、「地域はやっぱり東京辺りでしょ」
「いえ、地域は東京ではないんですけど、とにかく全国でいいので、事業所名で検索していただきたくて。そうすればすぐに出ますので」


ない。探しているものがないのではなく、またしても「該当0件」。
九州のはまだあるはずなのに。
――ということは、検索が間違っている。


「全国で検索していただいたのでしょうか、それとも東京とか?」
「全国ですよ」


わたしは手元で携帯を出し、検索。
「インターネットサービスから『***』という語で検索すると、少なくとも九州の募集は出るはずなんです」と見せる。


「あなた、九州に行きたいんですか!?」
――違うよ、あんたの検索が間違ってるって意味だよ。


「九州で働きたいわけではないのですが、全国で『***』で検索していただきたいのです」
「『***』でしょう。該当なしですよ。それが事業所名ですか」
「『*******』ですが、『***』で出てきます」(だって正式名は文字数にしたら20文字近い長さなのだ。)
「え! 『****』もつくんですか?」とわたしの番号札の裏側にメモしようとする。


なぜメモ? 入力してしまえばいいのに。
いや、入力もメモも必要ないのに。


窓口男性その2は、ここでようやく、わたしのほうに画面を向けてくれる。
「ここに、『***』でしょ?」



・・・・・・・・・・・・


「あ、あの『職種・会社』欄ではなく、『事業所名』の欄です」
『職種・会社』だったか忘れたが、事業所名の上にあるボックスに『***』と入力されている。


なぜみんな窓口の人は、会社名をここに入れたがるのか?
分かりにくい名前がついているせいなのではないか?
それにしても「事業所名」というのがハローワークにおける「会社名」なのだということは、ちょっと検索しただけのわたしでも分かった。あなたたちはハローワークで働きながら、それも知らないのか?


――いや、失礼があった。みんなではなかった。4人のうち2人が入れただけだから、「みんな」ではない。


しかしこちらで「事業所名に」とハッキリ指定しているのに、なぜ違うところに入力する?
人の話を聞いてないんだろうな。それでよく相談の会話が成立するな。


これでいいなら、わたしホントにここだったら働けるな。能力が足りないとは言われないだろう。


下側のボックスにもう一度『***』と入れ直し、(しかし『**○』と間違えてBackSpace、また『**○』と間違えてBackSpace、またまた『**○』にしてしまいBackSpace、4度目にしてようやく『***』と入れ)、検索。
九州のしか出てこなかった。


もう帰ろう。頭も目も腕も心も疲れているのに、窓口でも無駄な時間を使ってしまった・・・・・・


「分かりました。まだ出ていないということですね。ありがとうございました」


「事業所さんがね、出したと言ってもね、実際は出してないということがあるんですよ」
「はい。朝一番に行った窓口の方も、出しても入力されるまで反映されないとおっしゃってましたし」
「事業所さんが出したと言って来る方がいらっしゃいますけどね、まだ出していなかったとか、そういうことがよくあるんですよ」
――別にわたし、非難してるわけじゃないんですけど。

「誰が言いました? 出したって誰か言ったんですか?」
「いえ、あの――たぶんこの頃に出すだろうと、ちらっと聞いただけなので。まだ出ていなかったんですね」
「事業所さんは出したつもりでも、抜けがあるとこちらから問い合わせたりね、FAXがどうのこうので、そういうことがよくあるんですよ。出すって言ったんですか? 事業所さんに電話して問い合わせるとかもできますけどね、それがね、本当に出ているかどうか。誰が言ったんですか? うちの窓口の人間ですか?」
「事業所で事務をしている方から、もしかしたらと聞いただけなので」
「なんていう人ですか?」


いや、それは――


「それは――申し上げられないんです」


その後も「事業所が出したからといって、本当に出したかどうか分からない」を言われた。わたしが「入力しないと載らないと聞いた」というのを言ったために、「うちのせいじゃない!そもそも出してないんだ、きっと!」と反論したかったのかもしれない。
別に出してるのにハローワークのせいで見つからないなんて、言ってない。
出してないのかもしれないし、さっき出したばかりでまだ入力されていないのかもしれない。とにかくそれを確認するために事業所名で検索してもらいたかっただけなんですよ。


話をそらしたかったので、「最後に質問が」と聞いて、終わりにしようとした。
どちらにしても誰かに聞いておきたかった。

20年近く前に就職活動をしたとき、ハローワーク経由の仕事は、ハローワークの窓口の人が一度電話をかけてくれた。
窓口でその求人に関する紹介状を受け取る。そのときに窓口の人が先方に、「応募を受け付けた」ということを知らせていた。意味としては、虚偽の募集でないことや、募集が終了していたりしないか、確認をしているのかなと捉えていた。


「実際にその求人に応募しようと思ったときの手順なんですが、求人番号と求職番号を持参して、こちらで紹介状を出していただくということですよね。そのときに先方にお電話をしていただくのでしょうか。紹介状だけ出していただいて、こちらでお電話するのでしょうか?」


わたしの言い方も悪かったのかもしれない。


「よく勘違いされてる方、いらっしゃるんですけどね、こちらでは紹介状を出すまでなんですよ。面接とか、そういうのは全部ご自分でやっていただくんです。よく勘違いされてる方いらっしゃるんですけどね」


面接とかというのは、まさか面接に行くことではないと思うから、面接の日取りを決めたり、そういったことだと思うが。


わたしもそれは分かってる。
ハローワークが全部してくれるなんて思ってない。


ただ――聞いてみただけだ。


相手はもうキレかかっているし、どうしてこんなことになってしまったのか分からないが、何度も何度も「こちらでは紹介状を出すまで」「それ以降は全部自分でやらなければならない」を繰り返された。キレかけの口調で。






疲れ果てて家に帰り、夕方前に隣駅のワークサポートに行った。
またしても窓口で事業所名検索してもらうため。


夕方前というのは、同じポストを狙っているこの日出勤のパート的スタッフさんよりは、確実に先んじるため。
この時点で出ていなかったら仕方ない。少し待って、また40分ごとくらいに窓口に行き、5時の時点で出ていなかったら帰ろう。
そのあとも都心のハローワークは空いていたりするが、職場のほうが閉まってしまうだろうから、翌朝でも同じことだ。


窓口に近づいていくと、なんとなく見覚えが。声もなんとなく聞き覚えが。
一番最初に求職登録しに来たときの女性、この人じゃないかなぁ?


幸先いいぞ!


行きたい会社があるので、事業所名で今日の分の求人を検索してもらいたい、と伝える。
検索してくれる。


ほーらね! 検索する時点では要らないんだよ、わたしの情報。


検索したら、あった!
ホッとした。また待つのかと覚悟していたから。


「この求人に応募したい」と言うと、番号を聞かれ、わたしの情報を印刷。


求人票を印刷してくれて、わたしに内容を確認させ、今から事業所に電話するが聞かれたら名前や年齢などの情報を答えていいか確認、先方に電話。


ほーらね! ハローワークが電話してくれること、あるじゃん!(必ずなのか、たまたまなのかは知らないけど)


「今応募を受け付けたが、いいか」という確認。
先方は何か質問しているようで、それに対して、印刷したわたしの情報を見ながら答えていた。なるほど、このために使うのか。


「今日か明日、面接日などについて、先方からお電話があるそうです」と言われた。


やっぱりこの人は手際がいいわ。
電話もしっかりポイントは押さえつつ、物柔らかな話し方で、有難かった。
「応募の電話から面接は始まっています」とかよく書かれてるけど、最初の電話ってハローワークの人だったよなと思っていたので。
あのキレかけていた窓口男性その2さんだったら、「え、聞いてませんけど?」「どういうことですか?」という食い違いがありそう。






わたしは一連の就職活動騒動で、普段しない体験をちょっとした。(そんなすごい就職活動じゃないから、ちょっとね。)


それを話していたら、夫が「そう考えると、JTBはすごいな」と言う。


わたしは安い旅行しか選べないのだが、でも旅行会社は必ずJTBである。
IがいつもJTBを使っていて、それを見ていて「自分も行くときはJTB」とすりこまれたからだ。


わたしが使う支店では、毎回違うお姉さんに当たってきたが、どの人も同じようにきちんと手配してくれた。

複雑な手配のあれこれをテキパキと進めていくし、知識もしっかりしている。手順もよい。
笑顔だし、態度も良いし、こちらが分からないことを言ってもキレない。あちらも分からないことを言わない。
せっかく勧めてくれたお得なポイントカードの使い方を断っても、態度にはまったく変化がなかった。
素人のこちらがトロトロするような場面では、上手に誘導してくれる。迷い続けている人は、せかさず腰を据えてかかっている(となりの席でその光景を見たことがある)。


中でもこの人は効率のよい手配の手際だった、と思う人が1人いる。
あの人は素晴らしいネイルをしていたな、と思う若い人もいる。
ちょっとおっとりしているように見えた人もいる。
でも全員が80点以上をキープしているので、あとはもうちょっとした個人差でしかない。


わたしは、Iや母と行く旅行も含めて、JTBカウンターを利用したのは10本の指で余る程度。
Iは数えきれないほど使っているので、さすがに「1人ミスの多かった人がいた」と語っていたこともあったが。


利益優先の民間企業と比べてはいけない。JTBのようであれとは言わない。給料だって違うのかもしれないし。
まあ、とにかく、ピンからキリまでというなら、ピンとキリを見た気分である。






※本日の記事は長かったため、明日はお休みします。




×

非ログインユーザーとして返信する