Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

またしてもお別れが……そしてまたお別れが


2月になった。
あと2ヶ月で次年度が始まる。


次年度は次の経営企画がスタートする年。そのために今年度は準備に追われた。いろいろ変わることになってる。非正社員のわたしの預かり知らぬこともきっとたくさんあって、「え」と思うことも多いんだろうな。


今はさせてもらっている業務も、次年度になって人の体制が変わればなくなるかもしれない。
サービスを提供しているひとりひとりにつく担当も、外されるかも。たぶん、今既に担当している方についてはそのままだろう。次に新たなサービス提供があるときは、正社員だけでやることになるかも。


そうだとすると、次の担当分けが最後のチャンスになる。これまで、自信がなくてできずにいた分野の担当にチャレンジしてみようかな。
信頼できるその分野の第一人者ウエさんに教えを乞いながら、やってみようかな。
今の直属上司は人を使うのがうまい。不満ゼロではなくとも、部下は従うものだから、使うのがうまい人はすごいと思う。好きにやらせるところと判断するところもはっきりしている。「この件は面倒そうだから私がやるよ。あとは好きに選んでいいよ」と言うので、わたしにとってのチャレンジケースを選んだ。


ウエさんに会った時、言ってみた。
「この次は、**さんと**さんを担当しようと思います。チャレンジケースになってしまうかもしれないですけど、ウエさんがいてくださるから心強いし」
「実は」ウエさんは困ったような表情で言った。「ウエは退職させていただくことになっておりまして」


えっ?! ええっ?!



わたしはウエさんを尊敬している。
きっかけは2年ほど前の女性直属上司の時代の一連の出来事に由来するのだが、それから1年以上経て「ああ、そういうことだったのか」としみじみした。ウエさんが教えてくれたことは、わたしの目を開いてくれた。
ウエさんの存在がわたしにとって完璧に有難いとか、最高に素晴らしいという単純なものではない。人と人として、いいも悪いもすべて包含しているように思う。そこが特別なのだ。


ありがとうございます。
お世話になったこと、同じ時に同じ場所にいてくれたこと、大事なことを教えてくれたこと。


いなくなってしまうなんて!



少し傷心の帰りがけ。
タカさんがいなくなるという衝撃がまだ残っているところに、ウエさんの離職。


いつものハッピーアワーに立ち寄ってしまった。


今日は、この店一番の接客スタッフのお姉さんはいないらしい。
少し年上のお姉さんがいる。カウンターのお客さんと話していて、なかなか注文を聞きに来てくれない。知り合いなのか、ここで知り合ったのか、親しそうだし、どこかで会う話をしているし、個人的に付き合うほどの距離感なのだろうと思った。
確かに、お店に入ったらすぐには注文しない場合も多い。メニューを見て何を注文しようか考えたりもする。でも、わたしは決まっているのだ。ハッピーアワーに来ているのだし。あと20分くらいで終わるハッピーアワーに。


早く注文を取ってー!と思う。
しかし来てくれないし、目線を合わせるのも難しい。ホールスタッフの待機場所近くのカウンター席の人とずっと話している。こんなとき、あのいつものお姉さんだったら、一度は来てくれるのに。
待てなくなり、手を挙げて(声もあげて)呼ぶ。「お願いします」
はーい、とやって来た女性スタッフさんに「生ビールお願いします」と伝える。


女性スタッフさんは、カウンター席の知り合いらしきお客さんと話しながら、ゆっくりグラスを出す。顔をカウンター席の人に向けて話を続けながら、おもむろにグラスをタップハンドルのところに当てる。カウンター席の人と笑い合いながら、ハンドルを傾ける。笑い合いながらビールを注ぎ終え、顔をカウンター席の人に向けたりしながらグラスを拭き、最後に一言二言話して話のキリのよいところでビールを持って来てくれた。ありがとう。いただきます。


時間が押しているので、急ぎ気味に飲む。
飲み終わって次を注文。今日は3杯飲んで帰ろうと思っている。


ちょうど女性スタッフさんの対面の席に座っているけれど、間に通路もはさんでいるっためか目線を捉えることができず、また手を挙げて呼ぶ。
話を続けながらカウンターから出てきて、グラスを下げてくれる。話を続けながらグラスを置き、新しいグラスを出す。笑い合いながら新しいグラスを持ち、うなずきながらタップハンドルの下にゆっくりとグラスをセットし、ハンドルを傾ける。顔をカウンターの席の人に向けて何か話して――がふっ!! がふっ!!
樽が切れたーーー!!!


女性スタッフさんは慌てて、急いで男性スタッフを呼び、樽をつないでもらい、「早く早く」と言っている。


ああ。
いつものお姉さんなら。
いつものお姉さんは、お客さんとも仲が良く、顔見知りの人もたくさんいる。でも手早い。全体に目が行って、かゆいところに手が届くサービスをしてくれる。


なんだかちょっと残念な気分になって、今日は食べ物は食べずに帰ろうと思う。


ようやくビールが届いたけど、あと5分弱で飲めるかなぁ。3杯飲みたいんだけどなぁ。
一気飲みはしたくないし。


ひと息に飲むことはしないけど、ゆっくりは飲めない。100杯を目指しているので、計算では今日は3杯飲むのがちょうどいい。
頑張って飲んでいると、いつものお姉さんがやって来た。出勤という感じではなく、カウンター席の人と話し始める。知り合い同士なのかな? お店の外でも付き合うような親しいお客さんなのかもしれない。女性スタッフさんも一緒に、3人で話している。
聴こえてくる話し声を聞くともなく聞いていると、どうやらいつものお姉さんが辞めてしまうらしいと分かってきた。


いなくなっちゃうんだ……


帰るときにいつものお姉さんに近寄って訊いてみた。すると「そうなんですよー、新宿で彼氏と住むことになって。今、向こうで仕事探してるんです」という答え。
そうかー。残念だけど、でもそれは幸せな出発でもあるから、よかったですね。
「2月はまだいますよ」と笑顔で言ってくれた。「出勤日が決まってないんですけどね」


みんないなくなる。
――そんなことはないんだけど、そんな気分。


ここではハッピーアワーでずいぶん生ビールを飲んだ。UNTAPPDに「同じビールを100杯飲んだら」バッジがあるらしいと分かってからは、それを目標に飲み続けてきたという面もある。
もともとこのお店はリーズナブルでおいしいタパスが魅力で通っていたのだけれど、Heartlandで100杯を目指そうという気持ちもあった。
あと5杯前後で終わるし、そこからはペースダウンしようかな。


いつものお姉さんがいる間にあと1、2回来て100杯を達成しよう。
ごちそうさまでした。


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