友人と酒を酌み交わす。そして吐き出す。②
前の店の最後の頃には、わたしは吐き出したいことを少しずつ話し始めていた。『YEBISU BAR』に移動して、ビールを注文したら加速した。
受け止めてくれる友人がいるって、なんて素晴らしいんだろう。
たとえ夫にだって、全部は言わないこともある。逆に、友達には言えないようなこと、見せられないような自分も夫には見せることになる。
友達にしても、こういうことは話せるけど、こういう話題は難しいということもある。
多かれ少なかれ、そういうものだよね。りーりちゃんには日々の愚痴やら、自分の状況やら、つまらないことも話してしまう。大毬(おおまり)さんとはお互いの仕事上のことを話したり、相談したりする。すごくしっくりくる。大海(おおみ)さんとは悪口みたいに聞こえることも平気で話せる――それを悪くも重くも受け取らず、軽く楽しく話せるからだ。
タカさんは批判せずに聞いてくれる素晴らしい人。大毬さんもそうだ。でも、それぞれに話す内容や、これを話したいと思うことは違ったりする。
親しい人たちって、そういうものだと思う。誰にでも同じように話すわけじゃないし、親しいからといって100のことを100話すわけじゃない。
と、わたしは思う。
吐き出したいことをそれなりに吐き出せて、よかった。「スッキリした」というというのじゃないけど、「納得した」という感じ。話せて自分なりに納得した。
『YEBISU BAR』は閉店時間が22時と早めだったので、話せるうちに話してしまわなければと思ったけど、話しきれなかった。(早く始めればいいのに、牛たん屋ですぐに始めないから。)
相変わらずつきあいのいいタカさんは、『HUB』に連れて行ってくれた。タカさんとの最後の店って、よくHUBになるな。
そして帰るときの記憶の断片は、タカさんの腕に寄りかかって駅のエスカレーターを上るところ。
いつもすみません。ありがとう。
おやすみなさい。