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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

人生の展開:仕事帰りの数杯

仕事帰りに一杯――
恒例の缶ビールをベンチが並んでるところで飲む『一杯』(もちろん一杯ではないが)


2年前はここでは職場の「おじいちゃま」と呼んでいた人と飲んでいた。
おじいちゃまはかつて偉かった人で、定年後の雇用で働いていた。
その人が電車を待つ間、15分飲みをよくしていた。
電車を降りた後バスで自宅付近まで帰るので、電車は5本あってもバスの時刻を考えるとちょうどいいのは最初と最後の2本、といった事態が発生するのだ。
そのときに休憩コーナーでワンカップを飲む。わたしは缶ビールを飲む。さすがにワンカップはね。


その人が定年後の雇用期間も終えていなくなって、あまりしなくなった。
たまに懐かしい思いでコーヒーを飲んだりしてみたけど。
でもその人がいなくなって、そして社内での立場が斜陽になって、飲む機会が激減したわたしはひとり飲みを覚えることになった。
ひとり飲みは覚えてよかった。人と飲むのも楽しいけど、店でひとりで飲むのはそれはそれで楽しい。


9月10月はよく、ある職場の人と休憩コーナーで飲んだ。
おじいちゃまを失って1年半が経ったってことかな。
その間すっかり遠ざかっていた休憩コーナーは、別の人と使うようにいつのまにかなった。


おじいちゃまは毎日ではなかったのだ。
「**分の電車に遅れたから、次は3本後の**分」という状況で、「飲んでいこうかなという気分(割とよくある)」「一人で飲んでもいいけど、声をかけてみるかと思った」。
たぶん、それにプラス、「別に急いでない」があったと思う。買ったものが微妙に飲み切れないとき、「その次の**分でもいいよ」と延ばしてくれることもあったから。
まあ、15分、長くても20分くらいのもの。気楽な飲みだった。


今の人は、毎週決まった曜日にこの休憩コーナーで予定があることが分かった。
自分が好きでプレイするゲームか何かの都合で、その曜日の決まった時間帯にここで15分ほどゲームをしているのだ。
急な仕事が入らなければ開始時間の20分前か15分前くらいに着くので、缶ビールを1~2本買って飲んでいる。時間が来るとゲームをして、終わったら帰る。


それで、何回か一緒にプレイ前の時間を缶ビールで過ごした。
おじいちゃまを失って1年半も経ったので、もうこの休憩コーナーを人と使うことはないと思った。一人で懐かしみながら飲むのもちょっと寂しかったので(立場が劇的に斜陽だったしね)、もう使うことはないかなとも思った。


だけど、また全然違う状況の人と、全然違う感じで、でも場所と流れは前と同じで飲んでる。
人生って不思議に展開することあるんだな。



今の相手は、おじいちゃまのように「このバスに乗らなきゃ」という時間の制約がない。
おじいちゃまは奥さんが友達と旅行のときは、店に行こうと誘ってくれて、「鬼の居ぬ間に洗濯」をするのが好きだった。でもいつもは奥さんを気遣って、あまり遅くなって心配させないようにしてた。若かりし頃、酒豪で奥さんにずいぶん寛大にしてもらったから。


だけど今の相手には別の制約がある。
ちょうどそのゲームをプレイする曜日は、仕事上のつきあいのある人たちと毎週オンライン飲み会が開催されている。
わたしがこっそり思うに、相手の方たちは年をとっているので、いずれ職場を去らなければならない時が来たとき飲み会もない寂しい人生になる。そのときのための準備活動の意味があるんじゃないかな。毎週恒例の飲み会があれば、ずいぶんはりのある人生になるよね。
そのオンライン飲み会は、遠くまで帰る人や、異動してしまって別の土地で偉くなった人もいるので、開始時間が遅め。8時半くらいからのんびりやるらしい。


これがおじいちゃまのときと同じように、ある意味わたしには気楽。
相手の飲み会の開始時間と家への通勤時間を考えると、だいたいこのくらいに解散だな、と予測がつく。


2人っていうのは時間が読めない。
大勢で飲み会しているとしたら、「二次会も行くから遅くなる」とか「2時間の飲み会で、そのまま帰ってくるから8時半くらいになる」とか「女子会だからたぶん10時半には帰ってくる」とか、なんとなく見当がつく。
2人というのは、自分の都合+相手の都合というかなりフレキシブルなものになる。
話が盛り上がったら、「軽く飲んでく?」となるかもしれない。
盛り上がったけど、「軽く他で飲んでく?」と言ったら「今日は用があるから」ってこともあるかもしれない。


いや、これ、どうでもいいんだよ、たしかにね。
でもわたしは女性なので、「今日ちょっと遅くなるよ」「何時くらいになるの?」が当たり前にあるのだ。
だって、自分がごはんを作るのだとしたら、ごはんをどうするかって問題があるし、相手が作ってくれるとしたら、「今日ごはんいるの?いらないの?」があるからだ。



寒くなってきたので、休憩コーナーでプレイを終えると、ちょっと時間があるなら他の店に行くという選択が増えた。
わたしはともかく、相手が寒がりなのだ。
おじいちゃまは極寒の真冬でもふきっさらしの休憩コーナーで飲めたけどね。


でもそれもこの曜日の飲みは気楽でいい。
相手は帰ってからのオンライン飲み会が控えているから、ほんとに「ちょい飲み」で終わる。
ちょっと駅の外に出て、入ったことのないお店で一杯だけ飲む。


こんなふうにちょっと何かをつまむこともある。
一杯+つまみ。


牛たん、2人でこれだけしか食べなかったからね。



これ、お店に置いてあるの珍しいな、っていうビールがあったら頼んだり。
そんな軽い飲みをして帰るのって、いいな。


でも相手のオンライン飲み会の設定時間がちょっと遅くて、だいたいいつもわたしは家でのごはんは要らないってことになる。さすがに夫を8時過ぎまでは待たせられない。夕飯時間がだいたいいつも7時で、わたしはフレキシブルでも対応可能けど、夫はおやつ食べて待つってことがないから、待つのがホントに「待つ」になっちゃうんで。
相手に自分は先に帰ると伝えるか(そうしたら相手はゆっくりオンライン飲み会用のつまみを買って帰り、お風呂でも入ってすぐ寝られるようにしてから参加すればいいんだし)。
または、夫にこの曜日はこういうのがあるからいつも微妙な時間になるよって話すかかな。


おじいちゃまは再雇用期間が終わって去っていった。
たまに出てきてくれて飲んだりしたけど、コロナが騒がれ始めてから奥さんのためにじっと家にいるようになった。
そうしているうちに年を重ねて、奥さんも「年なんだから飲み歩くなんて」と最近は言うようで、これから一緒に飲むことはないのじゃないかなと思う。


今の相手もあと2ヶ月3ヶ月したら異動の話が出たりして、4月にはいない可能性が濃厚かも。
年度の後半て忙しくなるし、異動ということになったら忙しくなる上、いろんなつきあいもあったりして、きっとこんなのなくなる。


短い夢だったけど、おじいちゃまと楽しんだこの休憩コーナーをもう一度楽しむ時間を持てた。
人生ってちょっと不思議だと思った。


――こんなことで人生を考えるなんて、それこそ不思議かな(笑)

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