夜の景色
美しかった。
でも酔ってた。
酔いすぎて、この写真を撮ったことさえ覚えてない。
翌日、ん?この写真はいつ撮った??と思った。
それにどこのビルか覚えてない。
また行かねばならない――どこだ、ここ?
今度は意識を保って堪能するぞ!
この日も、楽しい気分と幸せな気持ちだったことだけは、覚えてるんだけどね。
ちょっと散歩してみたら、かなり幻想的に橋が浮かび上がってた暗い河原。
この日はちゃんと撮った記憶もある。
そんなに酔ってなかった。というか、全然酔ってなかった。ちょっとしか飲まなかったもん。
幸せな気分と、楽しかったことを覚えてる。
夕闇が訪れてきて、幸せに酔って飲んでたのをちゃんと覚えてる。
それなりに泥酔だったけど、それなりに記憶も残ってる。
ああ、楽しかったな。
「お酒は百害あって一利なしなんですよ」と丸顔つちのこさんが言ってた。
でも体にはそうでも、心には『利』がある。わたしの場合。
楽しくて、幸せな、それぞれの夜の景色。