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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

12/09-12-10 角打ち酒屋へ② 地域のコミュニティスーパー


しばらくの間、このお店は酒屋さんだと思っていた。
この酒屋さんは、ホームページを作り、イベントの宣伝もしている。地元のイベントに出店する際は、FacebookやX(旧Twitter)に投稿もしていた。
この酒屋さんがやっているイベントは、店主の男性による日本酒勉強会やワイン試飲会、俳句だったか短歌だったか文芸の会など。店主さんか店主の奥さん、どちらかの係累のお兄さんがビール担当として入ったようだ。お兄さんが入る前は地ビールなどをよく置いている店だったと思う。このお兄さんが入ってから、クラフトビールの品揃えが増え、試飲会も始めるようになったと思われる。
どうやら地域のコミュニティを形成しているお店なのだ。


日本酒の試飲会は歴史があるようで、酒屋さんエリアの一番奥の領域に置かれたテーブルで行われているようだ。(日本酒の週末とワインの週末とビールの週末は別になっている。だが、ビールの試飲会以外の日も土日は生のビールを1種つないでいるので、ふらっと出かける。すると日本酒試飲会などに出くわすこともある。)
このテーブルは使われていないときは、生ビールや店で買った缶・ボトルを飲むと座らせてもらえる(ビール試飲会参加者は使えないらしい)。また、常連さんは声をかけて気軽に使わせてもらっているようでもある。
常連さんというのは、ビールの試飲会常連さんではない。日本酒やワインのお客さんでビールも飲む人や、もともとこのスーパーを利用している人のことだ。


そう、実はここは酒屋ではなく、地域スーパーだったのだ。
何度も来ているうちに分かってきた。


あまり人のいない時間帯にビールの試飲会に行ったとき、中高年女性が入ってきた。
ビール担当のお兄さんに「今日、試飲やってるの?」と声をかける。お兄さんは「はい、やってます~」と答える。「今日はどんなのがあるのかしら。その前にちょっと肉屋さん見てくるね」と店の奥に進んで行く。
お肉屋さん? お店を通り抜けて裏口から出ると他のお店があるのかな? などと思いながらわたしは見ていた。
その女性はすぐに戻ってきて、「注文してきた」とお兄さんに声をかけ、試飲ビールを眺めていた。その日、その女性客さんが試飲をしていったかどうか忘れてしまったが、通り抜けると奥に何か違う店があるらしいと思った。


ある時、酒屋さん奥のテーブルで仲間内で楽しく飲んでいるらしいグループから男性がひとり出てきて、ビール担当お兄さんに話しかけていた。手には大きなサイズのプラスチックカップを持ち、週末1種の生ビールを飲んでいるようだった。
もう片方の手にプラスチック容器を持っていて、その中に貝ひも天のようなものが入っていた。「これ、うまいよ」と言う。スタッフのお兄さんが「そうですよね」と答える。男性客さんは、他の試飲会のお客さんに「おいしいですよ」と勧め、「これが**円で食べられるんだから安いよなぁ」とつぶやいていた。
どこで買ったんだろう?


ある日、勇気を出して奥に歩いて行ってみると、お肉のショーケースがあり、その奥には魚のショーケースがあった。
そうか、ここは地域のスーパーだったのか!


古い商店街には複数のお店が入っている、小さな地元スーパーがあったりする。そういうお店だったのか!
そういうスーパーらしく、床はコンクリート打ちっぱなしっぽい感じ。入口付近の酒屋しか見てなかったから、分からなかったのだ。奥に長い地元スーパーだったようだ。
酒屋夫婦が経営しているのか、酒屋面積は広い。それぞれの店がいろいろな箱やら商品やらを置いていて、全体に雑然とした感がある。それも味なのだろう。
酒屋夫婦による試飲会などのイベントは、地元の人たちのコミュニティを形作り、ここに立ち寄るとお店の人や常連さんと挨拶をしたり、ちょっと会話を交わしたり、交流ができるんだなぁ。


昔からの日本酒やワインや文芸の会の会員さんたちは、お互い同士も知り合いらしい。そういった会は、ただ飲むのではなく、集まった人たちが勉強したり話し合ったりしているらしい(参加してないので定かではないがたぶんそう)。
その勉強テーブルから、肉屋さんも魚屋さんも見えるので、試飲から発展してそこで揚げ物や刺身を買って食べながら飲んだりすることもあるようだ。


この日は奥を探検してみようと思っていたので、わたしもお肉屋さんを眺めた。そして魚屋さんも見てみた。200円くらいで貝ひも天を売っていた。確かにおいしそう。飲みながら食べることにした。
肉屋さんでは夫の好きなメンチととんかつをお願いして、揚げたてを夕飯で食べることにした。が、買った時点で揚げたてでも、家に持ち帰る間にだいぶ冷めてしまうだろう。
余った貝ひも天は、ふたをして持ち帰ることにした。


地域活性化にはこういう場所が大切なのだろうと思った。
また、ここに来れば誰かと話せるというのは、孤独が当たり前の現代では有難いことだと思った。まだわたしはそこまで溶け込んでいないけど――


さて。揚げ物もできたし、飲み終えて帰るか!
ごちそうさまでした。


To be continued…

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