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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

11/25 ビールを飲みながら話し合う


散歩の後は、ビール工房へ。
『荻窪ビール工房』だ。1階は広々していていい。店を入って右側は、壁に向かってカウンターが1列。左側はテーブルが4つくらいだったかな。
2階もある。以前"いつメン"グループで来たときは2階に案内された。階段が急だったので、足腰にガタが来ている今日のわたしと大毬さんは1階が有難い。よかった。


わたしたちが入った時、他にお客さんはいなかった。
どこに座ってもいいと言ってくれたので、テーブル席を選んで座った。注文方法が分からないといけないので、顔見知りでないお客さんには「初めてのご来店ですか」と聞いてくれる。「わたしは前に来たことがあります」(大毬(おおまり)さんは初めて)と言うと、「ありがとうございます」と言ってスタッフのお姉さんは注文カウンターの内側に戻っていった。
注文カウンターの背後には醸造スペースがあり、銀色の大きなタンクが見えていて良い。この場で造っているビールを飲みに来たな、と気分が上がる。


注文は、カウンターに行って行(おこな)うキャッシュオンデリバリー方式。
フードもそこで注文するが、多くのキャッシュオンデリバリーのお店同様、フードは運んで来てくれる。
大毬さんは小さいサイズにし、わたしは大きいサイズにした。
――ひとり飲みなら小さいサイズでいくつか飲み、「これは!」というビールは大きなサイズで飲む派。「これは!」は、「これは大きなサイズで飲みたい!」と予測で飲むことが多いが、品数の少ないお店では「小さいサイズで全部飲んだ後に、特に好きだったものを大きなサイズで」という飲み方。
今日は大毬さんと一緒なので、話を中断して注文に立たなくて済むよう、大きなサイズにした。大毬さんとは、「仕事上の積もる話をお互いにしたい」というときに会う。じっくり話すし、それをじっくり聞くので、話が佳境に入っているときは新たな注文を控えたりする。そんなわけで、パイントで!!


カンパーイ!!
これをするのは、わたしがInstagramをしているから。乾杯している写真を撮る。変な角度で写真を撮りたがるのを何度か見ると、だいたいの人が察して協力してくれる。


乾杯撮影も終わり、再び話を再開。
ここでは、大毬さんの仕事にまつわる話の中でも、大毬さん自身の心持(こころも)ちについて聞いた。


わたしも大毬さんも、若くない。仕事は普通にこなすだけで肉体的に疲れるのだ。そこに物理的、あるいは精神的なストレスがあると、疲労からの回復が非常に遅くなるのである。
どうやってストレスを逃がすか、非常に重要になってくる。


ランチ時には、大毬さんが日頃のうっぷんを吐き出すことで発散した。
ここでは、ストレスとその発散についての報告。


まず事実。どういう状況であるためどういう疲れがあるか。どういうストレスがあるか(会社のやり方、上層部の考え方、取引先の方針、サービス提供者としての板挟みの気持ちなど)。


そして、それらにどう取り組んでいるか。
以前から大毬さんは、LINEでのやり取りや会ったときの会話で言っていた。「こうして時々話を聞いてもらうのがストレス発散になる」ということ。「休みの日はなるべく考えないようにしている」ということ。
カウンセリングにも通った。旅行に行ってリセットもしていた。「スリー・グッド・シングスを今日もやって寝ます」と言っていた日もあった。


(余談:スリー・グッド・シングスとは、アメリカの心理学者が提唱したストレス解消や精神の安定に役立つ手法。一日の終わりに、その日あった良いことを3つ書く、というもの。こちらはポジティブ心理学だが、認知行動療法にも昔から「よかったこと日記」のような手法があり、その日の良いこと3つを書くノートはうつ病を患った人などに勧められることがある。)


ここでの話の中で一番心に残ったのは、「集中できる作業をしていると良い効果がある」という話。


「そうそう、佐柳さん、私、クリスマスリースを作ったんですよ」
大毬さんがそう言って、携帯で写真を見せてくれる。豪華なリースだった。
「うわぁ~、すごいですね。豪華なリース!」
「ちょっとね、頑張りました。こういうのはいいなと思いました。結構難しいんですよ。一生懸命作ってたら仕事のことを考えずに過ごせました」
「分かります。集中できる作業って重要なんですよね」
「そうなんですよ。難しいリースだったんでね、何も考えずにただ手を動かすってわけにはいかないんです。それをやってたらね、仕事のことを考えずにすみました。休みの日も仕事のことをつい考えちゃうんですよ。それが考えなかったんです」


2つだけ語って終わりにしよう。


大毬さんの仕事もそうだが、多くの仕事は会社、取引先の会社、社会あるいは個々人と関わると思う。たとえば、友人が一時期していた物流ラインで商品詰めをする仕事でも、友人を雇っている会社があって、その会社にその仕事を依頼・発注している会社があって、友人が詰めた商品を受け取る消費者が存在する。
「取引先企業との契約で新たにトマトも請け負うことになった。優良取引先なので格安で引き受けるから、作業が増える分この行程を省いて詰めるということになった。商品詰めをしていると、行程を省いたり安い緩衝材を使ったりすることでトマトが傷むのを目にする。トマトだけでなく、そこでの割引分を補うため、他の商品にも影響が出ている。優良取引先を失ったら会社が存続しないことも分かるし、傷んだ商品を手にする消費者に申し訳ないとも思う。その板挟みになって辛いが、優良取引先の配送者や窓口となる担当者に文句を言っても始まらない。
大毬さんのストレスはそういうものだ。休みの日に家でゆっくりしていたとしても、ショッピングや食事に出かけたとしても、ふとその不条理について思い出してしまい、うっぷんを心の中で吐いてしまい、結局何の解決にもならなくてやりきれない思いを抱える。
そういうのはどうしようもない。


ストレス解消法として、わたしもいいと思っているのは、休日にリセットすること。
効果的なリセット方法は、「考えずに済む時間を作ること」であり、「他のことに熱中すること」であると思っている。そういう人は多いと思う。わたしにとっては、これが一番。
どういうことが適しているかは、人によると思うが、わたしは「まったく違う世界に身を置くこと」か「まったく違う何かに集中すること」。その時は考えずにいられる。
旅行は効果があった。ずーっと昔に安いパックで沖縄と北海道に行ったときは、日常をすっかり忘れることができた。帰ってきたときにはストレスがすっかりなくなっていた。(また翌日から少しずつたまっていくので、できるなら年に一度くらいはそういう旅行でリセットしたいと思ったものだ。)これは場所によると思った。沖縄や北海道など別世界に行くのは効果があったが、温泉旅行や街並みを楽しむ観光地ではそこまでの効果は得られなかった。外国なら最高なのかも。
人によっては、この非日常をイマーシブ型のエンターテイメント施設や、異世界マンガ・小説、映画などで味わうのだろう。熱愛中の恋人がいたら、恋人と過ごす時間は仕事のストレスを忘れられる時間かも。いかに非日常であるかが重要なのだと思う。
大毬さんのリースと似ているのが、低山歩き・編み物・ひとりカラオケなど。どれも作業をしなければならない。難しい作業ではないが、他のことを考える暇はあまりない。編み物を取り上げると、ある程度の模様があると他のことを考える余裕がない。難しくて中断しがちな難易度でなく、かといって他の事に意識が移るほど簡単すぎないもの。低山歩きは、足元や季節によっては蜘蛛の巣など、ある程度意識を集中しなくてはならない。登るだけで精一杯という時もあるし、少し急な下りは下りるだけで精一杯、余計なことを考える余裕はない。プラス、非日常の世界(見晴らし、木々の中や山道、いつもは聞かない音、空気)。高い山に登れる人は、異世界効果があるのだろうと思う。カラオケはひとりだとぼんやりする暇がないし、歌うという作業に集中する。


大毬さんのクリスマスリースの話を聞いて、すごく「そうそう!!」「分かる!!」と思ったのが、ビール工房での会話で一番印象に残っている部分だ。


長くなったけど、ようやく2つ語り終わったから、幕を閉じよう。
「そうそう!!」「分かる!!」で、UNTAPPD投稿もする暇がなく、どのビールを飲んだか記憶も記録もない。


ごちそうさまでした。


To be continued…

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