お通夜とお葬式
人の世は移り変わる。
若い頃は、頭では分かっていても、こんなふうに実感することはあまりなかったように思う。
若い頃に面倒だと思っていた田舎の人づきあいは、こうして時を経てみると、ずいぶん様変わりしていた。
連面と続く親、子、孫、そのまた孫と大量の親戚がいて、いろいろとめんどくさい……はず。しかし、そんなにたくさんの人はいなかった。若い世代はだんだんと子供の数も少なくなっていた。また、わたしたちと同じ世代でも、家庭を持たずにほとんど帰省もしない者もいた。「若い世代」というのはいなかった。子供の数も少なかった。田舎の「一族」も、先細りしているのだと分かった。
それほど多くの席が用意されていなくても、それでも半分ほどしか埋まらない。
そういうものなんだな。
自分の実家の親類は父方も母方も、もう集まることもない。夫の実家も、いつのまにかそうなっていたんだな。
誰もが孤独に死んでいく時代になったのかな。
必要以上に孤独を抱えすぎているわたしは、少しほっとしてみたり。
2023年度はそんな幕開け。