ホッシーさんに運転してもらい、みんなでビールを飲みに行くビアドライブもこれがラスト。
いつもホッシーさんの行きたいところを必ずひとつは入れる。
最初の頃はみんなで行程を相談することもあった。どの道を通るのがいいかなどを話すこともあった。しかし、今ではホッシーさんがだいたい決めてくれる。どこを通るか、時間配分をどうするか、その近くで面白そうで行きたいと思うところはあるか、だとしたら集合時間は何時にしたらよいか。ホッシーさんは道の情報などを考慮して計画するのが楽しいのだと思う。ホッシーさんが計画したほうが、ホッシーさんの行きたいところを入れやすいという利点もある。

日にちは2月25〜26日と決まった。

このドライブ企画は、行き先選びが難航した。
ビアドライブなので、ビールをメインに考える。今回は泊まりがけで行くことにしたので、1ヶ所ではもったいない。どこに行こう？
おいしく、そして楽しかったとはいえ、静岡は2度行っている。ホッシーさんが行きたかった深海魚博物館に行けなかったのは残念だが、そのリベンジ兼ねて再訪するのは来年以降でいいと思っていた。ラストビアドライブは行ったことのないところに行こう。
小淵沢のUCHU BREWINGから松本に足を伸ばし、松本ブルワリーに行って帰ってくる、というドライブはどうですか、と小淵沢にUCHUのタップルームができたときから話していた。あの計画にしよう。

全員に小淵沢→松本のことを話し、「そうだ、UCHUのタップルームは予約しないと！ わざわざ行って入らなかったら困る」と思い出し、まずはInstagramを見てみた。
そうしたら、1月2月休業のお知らせが載っていた！！ えー、なんてこと！
タカさんが「3月の土日は難しい」と言っている以上、1週ずらして3月4日〜5日のどちらかというわけにはいかない。

長野市のブルワリーかビアバーと、松本市のブルワリーかビアバーを巡るのはどうだろう？
松本には『松本ブルワリー』のほかに『BACCAブルワリー』というのがあるらしい。長野市にもブルワリーがあるもよう。
この案は、タカさんによって疑義が提出された。「長野市と松本は結構離れてます」そうなんだ……

群馬を通って松本へ。群馬のブルワリーって、何かあるかな？
嬬恋ブルワリーとか……遠いかなぁ。
タカさんが言うには、なかなか難しいだろうとのこと。

松本に行って、松本のタップルームに2軒寄り、松本を観光して帰って来る日帰りツアー？ 松本城見たい！ 見たことない。

うーん。
12月の時は、東京都下のビアドライブを検討していたんだよな。昭島の『イサナブルーイング』ができたとき、SNSで「行ってきた」報告をたくさん見ていて、一度行ってみたいと思ってた。他部署の大海さんが「週末にここ行って来た」と勧めてくれた『福生のビール小屋』とのはしご。

松本で2ヶ所。東京都下で2ヶ所。それぞれ2つ同士は近いのだ。
日帰りで行けるかな？ 
集合→東京都下→松本→集合地に戻る
集合→松本→東京都下→集合地に戻る
「日帰りは難しい」という意見がホッシーさんから出た。確かに、お店の開く時間が早くて昼からなので、難しい。

一泊にして、行きましょう。

集合。いつもならわたしは車中で飲むビールを持参するが、今回はジェントルマンのタカさんが「今度のドライブで飲むビールがあれば、持って行きますよ」と事前に持ち帰ってくれていたので、荷物は軽い。
『UCHU』が2種類もあるんだよね！ それに、JRの売店で発見して買っておいた『伊勢角屋麦酒』の〈0 mile post〉。そして、朝おつまみを買いに入ったコンビニで、わたしはさらにビールを買ってしまっていた。『SUNTORY』の〈柑橘香るペールエール〉、黄緑から空色へのグラデーションの綺麗な缶。

まず、サントリーからですよね！ 〈柑橘香るペールエール〉から飲み始めよー！
ケイさんが上手にプラスチックカップに2本を3等分して注いでくれて、かんぱーい！

空は明るく、空色。白い雲がぽこぽこと浮かんでいる。うろこ雲？

次は、楽しみにしていた〈0 mile post〉を開けよう。飲もうとして顔を近づけると、とてもいい香り。飲んべえ3人は「香りがいい」と喜ぶ。そして、おいしい。予想外においしかった。
「予想外」の理由を、ケイさんは説明していた。「この値段で販売するためにいろいろ営業努力があるはずだから、この質の高さは驚きだということです」というようなこと。
なるほどね。

ゆっくり飲む。酔い過ぎると、車の振動でアルコールの影響が出やすくなる、と前回学んでいた。
だから前日のタカさん送別会も控えめに飲んだのだ。（泥酔はしなかった、という意味。）

『UCHU BREWING』に移ろう！
まずは〈SIRIUS〉を。青く輝く美しい缶だった。

この頃、車は停滞していた。なかなか進まない。「渋滞してますね」とホッシーさん。
下を走る道路が遠くに見えてきた。あ、ホントだ――あまり動いていない様子が小さく見える。トイレを利用できるサービスエリアまでは、まだだいぶかかるかもしれない。
「＊＊のサービスエリアに寄れるかなぁ。無理かもしれないなぁ」とホッシーさん。
「そうなんですか」
「渋滞の時は、渋滞を抜けた直後のサービスエリアとかは混むんですよ。入れないこともあるからなぁ」

それはちょっと困る。
次のビールを飲んでいいかどうか迷うところ。でも飲んじゃえ！ ホッシーさんも「その次のサービスエリアには入れると思うんですよね」と言っている。
「どのくらいかかるんですかねぇ？」
「ナビだと1時間くらいと出てますね」
1時間くらいならがまんできそう。飲んじゃえ！

〈LIMIT BREAK〉は、後にして正解。さらにおいしいと感じた。
「度数がやっぱり高い……」とケイさんが言う。

なんというサービスエリアか忘れてしまったが、無事に入ることができ、ひと休み。

濃厚なチーズケーキを売っているお店があり、買ってみた。生のようで、泊りがけの旅行で行きに買うおみやげには向かない。その場で食べようと思った。ホッシーさんが興味を示していたからだ。
濃厚なケーキ2種を分け合った。

「買ったからみんなで食べましょう」とテーブルを探すと、タカさんがサービスの抹茶を人数分持ってきてくれた。さすが、気遣いの人。

このサービスエリアに入る少し前から、空の雲は重たくなり始め、灰色になってきた。しかし雨が降ることはなく、やがてまた青空に戻っていった。

長野県松本市に向かう道すがらでは、富士山かな？と思う山や、八ヶ岳？と思う山、違うかもと思ったりしながら車は進んでいった。
山に囲まれた土地なんだということが、車を走らせて（もらって）いるとよく分かった。特に、2日目はそう感じた。前にも高い山並み、背後を振り返れば高い山々、右側にも左側にも山並みが見える。

日本て、山が多いんだな。

サービスエリアを出てからは、一路、諏訪大社へ。
車中では、諏訪湖の花火大会のすごさについて、話に花が咲いていた。付近は大渋滞で、諏訪湖に近づくのも大変だとか。
ケイさんは以前行ったことがあると言っていて、よく車を停めて近くまで行けたものだとタカさんに感心されていた。

そうか、みんな車で花火大会に行くんだよね。

諏訪大社が近くなってきて、運転手以外の2人は諏訪大社付近のランチ場所の検索にふける。なんだか、うなぎのお店がいくつかあるらしい。諏訪湖ってうなぎいるの？

To be continued…