話は尽きず、予定していた喫茶店に移動して、続きを話す。

まさに「喫茶店」という印象のお店なのだ。どっしりした木のテーブルや椅子、カウンター。カウンターの中には木の棚があり、コーヒーカップがずらりと並んでいる。好きなカップで飲ませてくれる。

コーヒー1杯ずつで長話をさせてもらった。それなのに、帰る頃にはサービスのゼリーを出してくれる。コーヒーゼリーかフルーツゼリーを選ばせてくれるのだ。
大毬さんが言う。「すいさん、このゼリー、ゼラチンを使ってるようですね。寒天じゃないですね」そうですか。そうですね。わたしも言われると分かる。

大毬さんは、利用している人たちのために自分にできることをしたいと考えていて、だから辞めるつもりはないのだと思う。しかし板挟みのつらい気持ちもあるのだろうと思う。そういうやりきれなさを抱えているので、カウンセリングを受けることで気持ちを落ち着けようとしていた。
しかし、コロナ禍でたくさんの悩める人たちがいる昨今、メンタルクリニックやカウンセリングルームはいっぱいいっぱいで、新規を受け付けていないところが増えている。「受けられるといいですね」という話をしていたところに、申し込んでいたカウンセリングセンターから「一度、初回面接に来てください」という連絡が来た。まだどうなるか分からないということだったが、一歩進んでよかったですね。受けられるといいですね。
そんな話をしていて、わたしも少し前から考えていた「カウンセリング」という選択をもう少し真剣に考えてみようかと思った。

2時間近くいさせてもらったので、そろそろ出ましょうか。

どちらのお店も、ごちそうさまでした。
ゆっくりしたいい時間だった。