なくなってしまったもの
壊れてしまった関係は、もうもとには戻らない。
壊れてしまっているから。
壊れかけなら戻れるかもしれないけれど、壊れてしまっていたら過去には戻れない。
たとえつながりが切れていなくても、関係は変わってしまっていることもある。
自分と相手の間にあった『関係』と呼ばれるものから、なくなってしまったものがある。
こなごなになってしまったこの残骸の中に立ち尽くして、途方に暮れている。
けれど、もしつながりが完全になくなっていないなら、新たにひとつひとつ、積み重ねていけばいい。
できるところまで。
どうにもできないと分かるまで。
どうにかできるとしても自分の力では足りない、と思うまで。