異国の犬と人とビールの物語

2021/03/02 16:10

ビールアプリを使うようになって、いろんなビールを飲むのが格段に楽しくなった。

職場付近にはポケモンＧＯをする人が多いけど、それって人によって楽しみ方が違う場合もある（らしいな、と思う）。
ある人は「自分は子供の頃の昆虫採集のような気持ちだ」と言う。いろんなのが捕獲できると、ひとつ昆虫をつかまえたような気分になるのだと説明する。別な人は友達とのやりとりが楽しそうだなと思う。おつきあいでやっている人もいる（友達としてなんかいろいろ送れるらしいから、リアルでつきあいがあり親しくなる手段として）。

わたしのビールアプリの楽しみ方は、「新しいバッジが出た！！」が７割以上。
最近は新しいバッジが出たが６割。ステージが進んで新しいのが出にくくなった＆ほかの楽しさが増えた。
「ほかの楽しさ」とは、ビア友との会話。一緒に飲んだとき「登録した？」「あ、まだ」、「何点つけた？」「自分より高い点数つけてるね」みたいな会話ができる。一緒に飲んでないとき、「昨日も飲んでたね」「これ、飲んだんだ」と会話のネタになる。
これらで９割以上を占める。
最初は記録として始めたけれど、数が増えていくと「このビール、前も飲んだっけ？」とか「そのとき何点くらいつけてたんだっけ？」を検索するのがTwitter並みに困難で、記録活用はしなくなってきた。（これは改善の余地ありだと思う。このアプリ）

もともと英語でできてるアプリで、どうやらアメリカで作られているもよう。
だから日本で使っている人の数は少なく、明らかに外国で使われている。
お友達申請が日本以外から来る。
わたしなど目にも止まらない存在だと思って、申請が来たらとりあえずＯＫすることにしよう、と考えていたら、思ったよりお友達が増えた。たいしたコミュニケーションはとらない。人の投稿を自分の投稿の前後に見かけたら、「いいね！」を押すだけ。ちなみにこのアプリでの「いいね」は「乾杯！」だ（Toastボタン）

ほとんどのお友達は、よく分からないままになっていたりする。
一番最初に申請してくれた人は、ニュージーランドの人、家飲みが多い、いろんな缶を飲んでる、毎日のように投稿してる、いっぺんに投稿する数が多い、という特徴が分かってるけど。
３番目か４番目に申請してくれた女性は、印象が強くて覚えてる。
「え、そんな国から申請してくれたんだ！」と思った。イスラエル。

彼女はわたしには当時理解できなかった黒ビール好きで、それも印象深かった。
（今ではわたしも黒ビールの魅力にハマり始めてる）

彼女のビール写真には犬が写り込んでることが多かった。
ブルドッグか、パグか、ぶちゃかわなわんちゃん。

あるとき気づいた「最近、彼女の投稿を見なくなったなぁ」。
どうしているんだろう、何かあったのかな。
それからどのくらい経ったかな。２ヶ月、３ヶ月、もっと？？
「あ！＊＊さんだ！」――彼女の投稿が復活した。

それから見かける彼女の投稿では、わんちゃんが見えなくなり、何かあったのかなと思っていた。
しばらくして、写っていたわんちゃんにそっくりのぬいぐるみが登場するようになった。
その後、違うぬいぐるみ、人形、小さい置物などが写り込んでいるようになった。それは全部、あのわんちゃんと同じ色合い（ベージュで耳とかは茶色）、似たようなぶちゃ顔。
何があったのかな。
普通に想像すると、いなくなってしまったのかな、だよね。

で、最近！

あ！新たなわんこかな！？

わー、今度は黒いわんちゃんなんだ！

かわいい！
子犬だからか、なんでもくんくんするんだろうな。
なめてみたりするんだろうな。

二世というか、次男（次女？）というか。

わー！！

ところでわたしは、色でしか区別がつかない人。

車とかもそう。
ワゴン車とセダンは分かるけど、普通の４ドア型の区別はつかない。
「あ、赤い車だ、＊＊さんのと同じだね」「違う車種だよ」みたいな感じ。
ホンダの小さい車とマツダの小さい車で同じ色だと「あ、同じ車だね」「違うよ」とか。

だから「今度は黒いわんこになったんだね」と思ってた。
ビア友にその話をするまでは。
この子がかわいくて！と画面を見せたら、「おんなじ犬種に見える」と。
え、うそ！だって前の子は茶色で、この子は黒だよ！と心の中で思って、「あー、いつものあれか」と自分で気づいた。色だけで判断してた。
「耳は大きいけど、この犬もブルドッグに見えるけどね」
あー、そうかな。

夫にも同じ話をして（わんこがいて可愛い話と、投稿がなくなってどうしたんだろうという話と、ぬいぐるみになった話は随時していた）、画像を見せたら「どっちも似てるように見える」と。

そうか。