4月10日 金
電車からふと向かいの窓の外を見ると、やはり少しばかり不気味だった。

いつもホームから落ちるかというほどぎゅうぎゅうに人が急行を待っていた向かいのホーム。
夜の上りホームよりも少ないほどに減っていた。

電車が走り始めると、駅付近の道には、朝のこの時間なのに人通りはほとんどなく、休日の日の出の時間かというくらいだった。

商店街は朝から開くような店も閉まっていて、それも厳重な戸締りだった。昔なら店主病気療養により長く休業しますよ的な戸締り。会社経営の店舗では廃業前しか見ないような戸締り。

春の明るい日差しの下、花々が枝に咲いていて、桜は緑になりかけている。
そんなうららかな世界なのに、通りに人影はなく、店は軒並み完全に閉まり、車も走らない。
人がいないみたいで、昔好きで読んでた黄金時代のSF小説みたい。

乗り換え駅では、売店が開いていて、買う人も１人いた。
ふと見ると、飲み物のショーケースにはビールやチューハイやサワーの缶が並んでる。
今、14時には閉まるんだもの、置いとく意味ないのにね。帰りに特急列車の中や駅内の休憩コーナーで一杯飲むためのお酒販売。朝から売れるわけがない。今は夜でもなかなか売れないだろうけど。

でもこれは、ピークが過ぎますように、早く世界が落ち着きますように、長くかかって世界は崩壊するんだよと悲観的にならないように、薬の研究や医療体制の整備も必要物資の増産も進んでいるはず・人類は努力してるはず、だから世界は再び動き始めるはず、と希望を持てるように置いてあるんだよね。…ちょっと（笑）

ところで自分の職場もシフト勤務に。
お給料がどうなるかが問題だけど、そこさえクリアされればシフト勤務ありがたい。世の中がかなり動いてないので、医療や必要品の製造とかと違って業務は減ってる。

みんなそうだと思うけど、収入や今後が不安。