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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

2023/10/28 ランチ


クラフトビールを飲む企画、ランチはお店の開店時間に合わせて予約しており、その時間にお店前に集まる予定だった。
ゴッチンさんと会ったので、遅れてしまった。駅からタクシーに乗ろう。遅れが少し減るかもしれない。電車も特別料金がかかる特急電車の利用を考えたが、発車時刻が合うか? 乗り方が分からず迷って時間をロスしないか? 切符をスムーズに買えるか? など懸念点が多かったので通常の急行にしておいた。歩いたら間に合わないけど、タクシーなら遅れは5分程度で済むかも? と急いでタクシー乗り場を探し、ちょうどその場にいたタクシーに乗り込んだ。


お店の前に着いたのは、10:58頃。料金を精算してタクシーを降りたとき、ちょうど店の扉が開いて、待ち合わせていた3人が店へと歩き出したところだった。
ジャストだ、間に合った!!


ウェンさん!! タカさん!! めったに会えない人たち!
タカさんは今は西日本、ケイさんは今も東日本、ウェンさんは東日本だが遠隔拠点にいる。
今日は楽しく飲もう!!


ウェンさん、どうですか? このお店!!
ちょっと遠いけど、地域密着感もあるし、いいですよね!


どんな街にも性格や特徴がある。
幕張は、海辺であり、人の住む街。「人の住む街」の意味は、幕張の場合、高層マンションや洗練されたマンションも多い街であり、そうなってから長い割にまだ開発の余地もある広々とした街という意味。
『幕張ブルワリー』の辺りを歩いてみると、空が広く見えた。空き地もまだ多い。そこにはこれからいろいろな商業施設やマンションが建つそうだ。


郊外の感じが強く漂っていて開放感がある。
同時に、都心に出やすい位置でもある。かつて、わたしが銀座に近いオフィスで働いていたとき、上司は幕張から通っていた。幕張に住むマダムを「マクハリーヌ」と言うらしいという話が話題に上っていた。(白金に住むミセスを「シロガネーゼ」と言っていた文化がまだ残っていた頃だ。)


まずビールを注文して乾杯――なのだが、ウェンさんが仲間内だけでタカさんやケイさんと会うのは久しぶり。(もちろん、非正社員のわたしなど仲間内であろうがなかろうが、大勢であろうがふたりであろうが、ウェンさんと会うのは皆無だった今日までの日々だ。)
1杯目のビールを選ぶまでにも会話が弾んで時間がかかる。
ウェンさん「こんなお店があったんですねぇ」
ケイさん「自分たちも2回目でしかないですけどね」
タカさん「仕事が忙しくて、なかなか飲みに行くなんてないんじゃないですか」
ウェンさん「そうなんですよねぇ。夜も遅くなっちゃってるんですよ」
ケイさん「ふたりも会うのは久しぶり?」
ウェンさん「そうなんですよ。今回の**イベントがあったからタカさんに来てもらって、久しぶりでしたね。いや、イベントでのタカさんはすごかったですよ」
タカさん「そんなことないです」


で、ビールを選ぶにも会話が弾んで時間がかかる。ケイさんもタカさんも説明したり教えたりすることが好きだからだ。この職場は指導したり、教示したり、説明したり話し合ったりして丁寧に導いたり、ということが好きな人が多い。
ウェンさん「何を飲めばいいですかねぇ」
タカさん「これなんか、飲みやすいんじゃないかと思いますね。**(スタイル)だから」
ケイさん「うんうん、そうですね。いいんじゃないかな」
ウェンさん「皆さん詳しいな~(笑)」
タカさん「たとえば、この**は黒いビールで重めなスタイル。そういうのは最後に飲んだほうがいい」
ウェンさん「へぇ、そうですか」
ケイさん「**は……で、……だったりするから、……」


とにかく1杯目を決めて、乾杯しましょう!!
積もる話は飲みながらできる!


かんぱーい!


料理も注文し(この注文のほうが説明がないので早かった)、つまみながらビールを飲む。
会話は若干の行ったり来たりを繰り返す。ウェンさんとタカさんが参加したイベントでの話が出て、そこから他の社員の話にもなり、仕事関係の話がメインストリームなのだが、グラスが空になるとビールの話になる。次のビールにはどれがいいか、クラフトビールをあまり飲んだことがないウェンさんにタカさんとケイさんが指南する。
ウェンさんはお酒に強い人で、なんでもいける。日本酒好きな幹部たちが多かった時代、ウェンさんは素晴らしい部下だった。飲めるし、おいしさが分かって感動するし、でも幹部たちを凌駕する知識はないので教えがいがある。洋酒好きの幹部にとっても素晴らしい部下だった。理由は同じ。日本酒の世界も洋酒の世界も幅も広く奥も深いから、のみこみが早く教えがいがあり、酔いつぶれることもないがほどよく酔う部下は最高だったろう。ウェンさん自身は焼酎が一番好きだと聞いたことがある。焼酎好きの後輩ゴッチンさんとも大量のお酒を飲んでいた。
しかし、ウェンさんにとってビールは飲み続けるものではなかった。世代もある。「とりあえずビール」という言葉があった時代を飲み倒した人だ。ウェンさんは転職してきた人で、前職は営業職としてお酒を飲む機会が大変多かったそうだ。そこで培った酒飲みスキルが、転職先の今の職場の幹部たちにも非常に好まれたというわけ。
ビールというのはうんちくを語るものでもなく、味わうものでもなく、ごくごく飲んで最初の勢いをつけるものだった。わたしより若いけど、それでもクラフトビールなどない時代に生まれたのだ。いいとこ「地ビール」。
ウェンさんにとって初めてのクラフトビール、先を行くタカさんとケイさんにしてみれば、1杯注文するにも1口飲むにも、料理を食べるのでさえ、伝えなければならないことが多すぎる。だって理論好きで、教え好きな人たちなのだもの。


それでも会話は、近況やイベントの話など仕事関係主体で進み、それが終わった頃にタカさんとケイさんはビール講義をしていた。なんといってもビールを造りに行ったこと(木内酒造の手造りビール体験工房)、ホッシーさんが運転してくれてビアドライブに行ったこと、ブルワーを囲むイベントに行ったときのこと。
こういうとき思う。わたしが語るとしたら、自分の話や飲んだビールのことが多くなる。タカさんやケイさんは理解してもらうための説明が多くなる。


たとえば「IPA」という単語を見て、ウェンさんが「これを飲んでみようかな。IPA?」と言ったとする。
その言葉がトリガーとなってわたしの話が止まらなくなったら、こんな感じ。「IPAにするんですか、いいですね~。香りがよくてわたしは大好きです。最初に感動したIPAは**で買って飲んだ**というビールで、最初こう思ったんですけど、飲んでいるうちにだんだんこんなふうに味わいが変わっていって、クラフトビールってこういうふうに飲むんだと発見した気持ちになりました。爽やかな香りがするって思ったんですけど、それについてシキさんが「爽やか? ホップかな?」と言って初めて「そうか、自分はホップが多いビールを飲んだときに爽やかといつも言ってるんだ」と気づいたんです」
タカさんだったら、こんな感じ。「IPAですか。IPAはこれこれこういうビールで、こういう特徴があるため香りがこうなり、味わいがこうなるんです。ビール造りに行って、自分で造ってみて分かったんですが、これこれこういう行程があり、こういう原材料をこう使うとこうなるようです。やっぱり造るとなるとなかなか難しかったですね。ブルワーさんが来るイベントで実際にクラフトビールを造っている方に聞いてみると、こういうことが影響したりするそうです。次に造る機会があったら、これこれにしてみたいと思ったりしましたね」
ケイさんだったら、こんな感じ。「IPAですか。IPAはこれこれこういうビールと言われていますね。これこれの性質があるものを言いますが、IPAにも書かれ方がいろいろあって、ヘイジーとかダブルとかトリプルといった言葉がついていたりします。IPAであることに変わりはないけれど、これこれこういうことで分類されているんですね。そして――」……「酵母っていうのは下面発酵と上面発酵があって」……「ベルギーのビールなんかだと、ランビックっていって野生の酵母で造るものがあります。空気中にある酵母や微生物も――」


タカさんとケイさんは説明するということでは似ているが、説明の仕方はちょっと違う。
タカさんは自分の体験や考えを基盤に知識を自分なりに再構成して、タカさんの視点で語ることが多い。
ケイさんは知識を連想形式で提示する形で語ることが多い。ケイさんの連想は、自分の話の中で生まれる場合もあり、聞き手のセリフに触発される場合もある。エンドレスに語れる。


わたしとタカさん・ケイさんの違いは、性格によるものなのだろうか、性別によるものなのだろうか。


仕事の話とクラフトビールの話がまざりあい、面白い会話だった。
タカさんとケイさんがすっかりクラフトビールにはまっていることを感じた。ウェンさんを前にして、語りたいことが溢れてくるようだったから。特にタカさんは、飲み始めた時期が少し早いわたしには言わないような口調だった。(礼儀正しい人だから。)面白いなぁと思って聞いて2時間が過ぎた。


さあ、では移動しますか。銀座へLet’s Go!


To be continued…


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