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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

2023/10/28 モーニング


非正規雇用のわたしには関係ない行事だが、首都圏で全拠点(数少ないが)から正規雇用者たちが(何人かずつ派遣され)集まる日がある。


今は開催地に異動して出世街道を歩んでいるウェンさん、遠隔地からタカさんもやってくる。ウェンさんと少し前に約束した「クラフトビール、飲みに行きましょう」をタカさんと共に決行しよう。ケイさんも誘わなきゃね。


そこへ、ゴッチンさんから連絡が入った。
わたしの心の中のニックネーム「気難しい若者」のゴッチンさん、たいていはわたしに連絡などして来ない。すごく酔ったときで、かつひとりで飲んでいるときくらいだ。もう「若者」という年齢を過ぎたけど、自分からしたらずいぶん若いので「気難しい”若者”」のままにしている。
酔った勢いの短く数の多いメッセージを要約すると、「出張で東日本に来ている。都合がつけば会って話を聞いてもらいたい。ちょっと仕事で行き詰っている」ということらしい。


ゴッチンさんとは仲が良かった時代、ゴッチンさんがわたしと距離を置きたがって(でもそれをはっきり言わないで行動だけ「嫌い」全開だから)、わたしが悶々として大変だった時代、ゴッチンさんが遠隔地に異動し離れたし音沙汰もない時代、わたしもゴッチンさんのことを「そういう人だから」と気にしないようになった時代、と関係性が変遷してきた。
時々、酔ってLINEが来ると、ちょっと嬉しい。自分も「酔って過剰にフレンドリーになってLINEしてしまう」というクセがあるので、他の人が同じことをしていると安心する。わたしだけじゃない!と。


せっかく誘ってくれたけど、同じ仕事で集まったウェンさんとタカさんにケイさんを加えて、飲み歩きに行く予定が入ってしまっている。ランチから夜までという長丁場の予定だ。
残念。
「予定が入ってしまっていて、モーニングの時間しか空いてないです」と伝える。
それでもいいと言われ、よほどストレスがたまっているのかな、と想像する。


本当に1時間足らずのモーニング。
わたしはランチ予定の方々に「少し遅れる可能性があるので、時間になったら始めていてください」と事前に連絡しておいた。遅くなったとしても30分は超えないようにしよう。でも、正規雇用者同士でないと分からない話題もあるだろうから、わたしが遅れるならそれはそれで有意義な時間になるだろう。


ゴッチンさんは泊っているホテル近くのコメダ珈琲店を指定してきた。ランチのお店に行くまでの途中でちょっと寄り道すればよい駅近くなので、スムーズにモーニングからランチに移行できるだろう。
その辺りで、前夜は学生時代からの友達と飲み明かす予定だと聞いていた。


コメダ珈琲店が入っているビルを見つけて、階段を上って行くと、行列だった。人気だなぁ、コメダ珈琲店。
少しウロウロして、一番後ろに並ぼうとしたら、既に来ていたゴッチンさんに声をかけられた。到着、早いですね! なんとなくこの人はわたしには気を遣わないだろう、待たされても仕方ないと思っていたわたしは、少し驚く。


短い時間だったが、ゴッチンさんは仕事上のぐちを少し話した。
自分自身へのやりきれなさ、それは一緒に仕事をしているもうひとりの正規雇用社員のほうがうまく業務をこなせているという思いから。
非正規雇用の人たちは皆さん自分(ゴッチンさん)を評価していないし、否定的。そもそも何十年も辞めずに非正規雇用者として働いている人たちなので、みんな我が強い。他の会社を知らず時が止まったままなので、トップ層や正規雇用者は自分たちに便宜を図る人だと思っているような勢い。本当に会社が嫌になっていて、働く気力がない状態が続いている。しかし、転職には慎重な気持ちでいる。自分(ゴッチンさん)のことだから、他に移っても何か嫌なことはあるかもしれないし、そのときはもう他に移ることはできないだろう。
もう本当に嫌になっていて……と眉根を寄せるゴッチンさん。嫌な気分のとき、この表情、よくしていたと思い出す。本当に嫌なんだな、と思う。


ただ聞いただけ。
ま、それでよかったのだと思う。
今はそういう状態の時で、アドバイスをされたいとも思っていないだろうし、「こうしたら気持ちが落ち着くよ」みたいな提案は受け付けられない時期に見えるし、できることは賛成も反対もせず聞くだけ。


自分の心を持て余しているような時に、わたしのことを思い出し、わたしに話したいと思ってくれて、ありがとう。


話を聞きながら、コーヒーを飲み、あんこのトーストを食べた。ゴッチンさんは「僕、正規雇用者なので」とわたしの分も支払ってくれた。ありがたくいただくことにしよう。ごちそうさま。


いい方向に向かっていくといいね……


To be continued…

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