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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

2022年度の終わりに④ わたしのクラフトビール歴の1ステップ

【白いビール・小麦のビール】
Stage3の夏以降、何度か&何店か行ったグラスワインの楽しめるお店『vivo daily stand』。その中でも一番多く行った店舗では、クラフトビールも4種類置いてあった。
キリンタップマルシェではあるのだが、他の店舗では1種類しかないところもあった。
その店のメニューは、ビール名なのか冠名なのかスタイル名なのか分からない時がある。たぶん、わたしが暗いところで字が読みにくいとか、小さい字が読みにくいとか、そういった年齢層になっているためかもしれない。たとえば「ダークエール」と書いてあって注文しようとしたら、「はい、アフターダークですね」と言われて、「あ、何度も飲んだあれか」と気づいたりした。
「ジャパニーズホワイト」と書いてあるので何だろう?と思ったら、〈デイドリーム〉だった。〈シルクエール〉は「ウィートエール」と書かれていた。おかげで、わたしは開眼したのだった。


BBFFシキさんは遠い地に行ってしまった。時々短い通話で話せるようになって、「こっちでも手に入るビールでは、〈シルクエール〉がやっぱりおいしいね」と言っていた。わたしはやはり、『キリン スプリングバレー』〈シルクエール〉はそれほど好きとは言えない。あんなに気の合うビア友だったが、これに関しては好みが違うのか、とちょっと寂しい気がしていた。
しかしvivo daily standのタップマルシェメニューのおかげで、なるほどと腑に落ちた。「〈シルクエール〉はウィートエールだったのか!」ーーそれならそれほど好きでないはずだ。わたしはウィートエールが苦手だからだ。
そして、ホワイトエールならそれほど苦手感はないのだ。むしろ、好き。タップマルシェでも〈デイドリーム〉はおいしく飲めた。『Far Yeast Brewing』〈東京ホワイト〉も、『常陸野ネストビール』〈ホワイトエール〉もおいしいと思う。スーパーやコンビニのビール売り場でも売っていたりするので、日常的によく買う。
ホワイトエールは好きなのだ。ウィートエールやヴァイツェンが得意でないだけなのだ。わたしは全部一緒にしていた。


そして、このStage3の間に気づいたことがある。UNTAPPDに投稿するとき、そのビールについて他の人たちが選択したフレーバーが候補として出てくる。もし自分は違うフレーバーを感じるのなら、全体の一覧を開いて入れることもできる。わたしは、他の人が選択しているフレーバーを見ると「なるほど」と思うことが多いので、重宝している。まだできたてで誰も登録していないビールを自分がクリエイトすると、フレーバーの候補が出てこないので、ちょっと困る。
そういうフレーバーを見ていて、わたしがStage2の間言っていた「小麦のビールが苦手」は、正確には「banana」というフレーバーのことだと悟った。言われてみれば確かにバナナっぽい香りが鼻に抜けるのだ。実は「小麦のビール」と言ってはいるが、「wheat」というフレーバーが入っていてもそれほど嫌じゃない。「banana」なのだ。


スタイルでは、ウィートエールと言われるとそれほど苦手さを感じないことが多く、ヴァイツェンと言われるとかなり苦手。アメリカのホワイトエールはウィートエールと言うことが多いようで、ヴァイツェンはドイツのホワイトエールということらしい。ベルギービールはベルジャンホワイトがある。ホワイトエールというのは、その昔の濃い色のビールが多かった頃、大麦より小麦をたくさん使うビールは色が淡かったために区別された分類名で、ホワイトエールの中にウィートエールやヴァイツェンがあるというイメージらしい。
しかし、わたしにとっては「ホワイトエールなら飲める。ヴァイツェンはあまり好みじゃない」になっている。


まとめると、わたしは総じてヴァイツェンスタイルのビールは得意ではないが、ウィートエールはそれほど苦手さを感じずに飲めるものもある。日本でホワイトエールと書かれて売っているビールは好みのものも多い。
とにかく「banana」感は苦手。



【苦味が好き】
これまで、自分は苦味が分からないのか?と思ったり、なぜこれが苦いとみんな言うのだろう?どこが苦いのだろう?と思ったりすることが何度かあった。
そもそも「IPAは苦い」というのが分からない。「爽やかで香りがよい」のがわたしにとってのIPAで苦味はよくわからない。


エピソード、その1。IBREW秋葉原にて。まだわたしのクラフトビール好きはStage1だった。
カウンターの中のお兄さんとお客さんが話していた。「BREWDOG』〈JACK HAMMER〉について。スタッフのお兄さん「このビール、すごい苦いですよ」「そうなんだ」
えー、そうなんだ。どうしよう。飲んでみようかな? 何杯か飲んだ後に、〈JACK HAMMER〉を注文した。「そんなに苦くないじゃん」というのがわたしの感想。
しかし、Stage2のときにそのビールをオンラインショップで発見したら、商品説明に「IBU200」と書いてあった。200?!と驚いた。(わたしはIBUの最高値は100だと勝手に思っていたからだ。)
IBUは国際苦味単位(International Bitterness Units)の略で、80くらいのビールの説明は「ガツンとくる苦味」「恐ろしいほどの苦味がありながら、スルスル飲めてしまう」など書かれている。日本のビールはIBUが書かれていないこともまだ多いけれど、書いてあるタップルームを見ていると50を超えることはあまりない。13とか、そのくらいの数値が書いてあることも多い。


オンラインショップ『Antenna America』で『Heretic』〈Evil Cousin〉(IBU 100)を飲んだときも、「苦い」という感想よりも「爽やかな香り」「おいしい」という感想が先に立ち、結局あまり苦いとは感じなかった。


『Distant Shores Brewing』〈キヲツケテ〉(IBU 100)を飲んだときも、「苦い」より「おいしい」「好き」だった。
そして、それをStage2の終わりに偶然DSBで初めて出会ったUNTAPPD上のFriendの女性に勧めたら、「にがっ!」と言って一口しか飲めず、ご主人が自分のビールと交換してあげていた。ごめんなさい、と思った。「苦さとか全然感じなくて、すごくおいしいんですよ」と勧めてしまったのだ。だってわたしは、あの〈キヲツケテ〉を苦いと思ったことないんだもん。


わたしが自分の味覚の問題なのだと気づいたのは、タカさん邸で開催された”いつメン”飲み会でのことだった。
当時出始めていた『アサヒ』〈BEERY〉という微アルコールビールをホッシーさんに買って行った。IPAスタイルのBEERYが発売されているのを見て、「IPAをホッシーさんにも味わってもらいたい」と思った。わたしの大好きなおいしいおいしいIPA、ホッシーさんにも1%未満のアルコール度数なら香りやおいしさを味わってもらえるのじゃないかな。
ホッシーさんの感想は、思ったほどではなかったが、驚いたのは次の機会があったとき。
アンバーエールスタイルのBEERYが出たため、比べてもらいたいと持参したら、ホッシーさんはこれまでのどのBEERYよりもアンバーエールがいいと言ったのだった。アンバーエールがそれほど得意でないわたしは、びっくり。え、なぜ!?
ホッシーさんの答えは「苦くない」。ケイさんは「アンバーってことはモルトだからね」というようなことを言っていた。確かに、わたしはアンバーエールの甘さみたいなものがたぶん若干苦手なのだ。
ホッシーさんがIPAなどは「苦い」と感じていたこと、「おいしい」より「苦い」が強いのだということ、アルコールが苦手というより苦いものが苦手で苦味が少なければ少しは飲めるのだということを発見した。そして、自分が苦さの分からない人間なのかもしれない、と気づいた。
わたしにはIPAの苦さはよく分からない。単においしいとしか思わない。苦味があるのはうっすらわかるが、IPAを飲んでいると香りや爽やかさが先に立ち、苦さは目立たない。


そういう発見をした後に、たぶん『STONE』のビールだったと思うのだが、飲んでいて「苦みを感じるな。この苦みがいいんだよな」と心の中でつぶやいていることに気づき、悟った。
わたしは苦みが好き。または、苦みをセンシティブに感じない(言い方を変えれば、苦みに対して鈍感)。
だから他の人が苦いと思うビールが、苦く感じられないのだ。残念ながら、わたしの味覚はあまり鋭くないようだ。
苦みに疎いのも本当だし、苦みが好きなのも本当なのだろう。そういうわけで、わたしは苦いビールが好きなのだ。その苦さが素晴らしく引き立つビール、または苦みが突出しているのにその他のフレーバーとのバランスがよくて気にならない、そういうビールが好き。


クラフトビールを飲んでみようと思い立ち、最初に好きになったスタイルはIPAだ。IPAが苦いというのなら、苦みが好きなわたしがIPAにまずハマるのは当然のことだったのだ。



【知識が身につかない】
タカさんやケイさんの話を聞いていると、どこかで聞いた知識を覚えていることに驚く。そういうときわたしは言う。「すごいですね、わたしは知識を覚えられないです」
どういうセリフだったか例を挙げるのが難しい。そもそもそういうことが覚えられないのだから、例を挙げようにも記憶にないのだ。とにかく、たとえば「**が多いからこういう甘さになるんでしょうね」とか、「**を2倍にすると、**だから、**は**ってことですね」みたいな話は、「よく知ってますね」「すごいですね」と感心してしまう。そういうときケイさんは言う。「COEDOのブルワーさんが来ていた企画で、そういう説明がありましたよ」とか、「ビールを造りに行ったとき、そういう話を聞きましたよね」
――そうだっけ?


そういう自分について、わたしはこう思っている。「おいしければいいんだよ! わたしはそういう飲み方なんだ、きっと」


夫にそのことを話した。「わたしは知識が頭に入らないんだよね。ビールの話をしていても、ケイさんやタカさんは前に聞いたことを覚えていて、こうでしたよねと言ったりするんだけど、わたしはそうだっけ?って思う」 夫は言った。「フックがないからじゃない?」
――フックってどういうこと?
「ひっかかるものがあると入ってきた知識が頭に残るけど、頭に入ってきたことがひっかからないで抜けて行っちゃうんだよ」
「ひっかかるところっていう意味でフックって言ってるの?」
「そう。たとえば興味があるとか、何かしらあると、頭に残る」
興味はあるけど、どれがおいしいとか、このスタイルが好きだとか、そういうことのほうに力点があり、ホップが多いとこういう味になるとか、こういう工程を経るとこうなるみたいなほうにはそれほど関心がない。確かに、そういう傾向はある。


ちょっと納得した。タカさんやケイさんはいかにもそういうことにフックがありそうだもの。日頃話していることを考えても、ビールだけに限らず、「なるほどこうだからこうなるのか」とか「これこれはこうだ」とか自然に思考するようだ。
いずれにせよ、わたしは「自分が好きかどうか」が最優先事項なんだな。



【クラフトビール好きに年は関係ない】
松本ビアドライブに行ったとき、『BACCAブルーイング』で見た常連さんたちは、意外に年齢層が高めに見えた。『イサナブルーイング』に寄ったとき、常連さんらしい人たちは、意外に親しみを感じる世代に見えた。
日本の最近のクラフトビールの世界は、若い人たちが夢や希望を持って自分の造りたいビールを作っている印象がある。こんな年を取った人が好きだと言って飲んでいていいのかな、とちょっと引け目を感じたりしていた。


松本に行って、ふと思った。考えてみたらクラフトビールは高いのだもの、実はミドル世代やそのさらに上の世代の方がお客としては定着するのかも。
堂々と飲めばいいのかな。
当たり前のことなのだが、わたしはすぐに自分に対してネガティブになってしまうので、こういう発見は大事にしたい。「好きなことを楽しんでいい」という当たり前のことを、自分にとって当たり前にするために。

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