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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

ラストスパート⑤ カスクエールのあるお店

高円寺ビア巡りの翌朝、だるさと共に目覚めた。そのまま、寝具にくるまってゴロゴロ、ウトウト、また目覚めるけどそのままゴロゴロ、ウトウト。
要するにお酒が抜けきっていない。まだ内臓が疲れきりながら作業中なのだ。


年を取って二日酔いにならなくなった。頭が痛いとか、吐き気がするといったことがない。ただ、だるくて、ぼんやりして、内臓がスッキリしなくて、起き上がる気力がなくなる。内臓に「ムカムカする」の一歩手前の感覚があって、それが続いている間は活力が湧かない。
30代までは二日酔いになると辛かった。二日酔いにならないというのは、そこまで飲めていないということだと思っている。二日酔いになる手前でつぶれてしまっているのだ、きっと。


寝ながらぼんやり考える。「昨日、『ビアエンジン』行ったのかな?」
『高円寺麦酒工房』までは記憶が残っていた。飲み放題が終わる頃には自分がとても酔っていて、タカさんとケイさんが何か相談している様子を見ている記憶もある。しかしビアエンジンでの記憶がない。帰り道の記憶もない。
携帯を見れば、「帰れましたか?」みたいなLINEがあったり、何か分かるかもしれないが、心の準備ができていないのでまだ見ないでおこう。
携帯と財布と家の鍵があることだけ確認して、また眠ることにする。
月曜に出勤したら、タカさんかケイさんに「ビアエンジン、行きました?」って聞いてみよう。


月曜になって、通勤電車の中でGoogleフォトを開いたら、写真があった。あれ?


『ビアエンジン』の外観写真。タップリスト、飲んでいるビール、料理の写真。お店の人とタカさんとはしゃいで写っている写真――これは携帯を渡してケイさんに撮ってもらったんだな、きっと。
どうやら意識はあったらしい。ひとり酔いつぶれて寝ていたわけではないようだ。しかし、楽しかった思い出は、わたしの頭の中にはなく、写真だけに残っている。



1週間のビア巡りか2週間後のビア旅ドライブのときだったと思うが、わたしは聞いてみた。
「カスクエールの良さって、わたしはまだよく分からないです」
「私もよく分からない」とケイさん。
「そうですか。味が濃くておいしいと思います」とタカさん。


へぇ~! タカさん、さすが!!


『ビアエンジン』は、カスクエールを必ず用意していることが特徴的なビアパブだ。代々木『ウォータリングホール』での伊勢角屋麦酒タップテイクオーバーの際、ビール界の大御所的雰囲気を醸し出していた方に教えてもらったお店。酔って楽しく絡ませてもらったが、そんなわたしを眉をひそめたりせず笑顔で受け止めてくれた。さすが大物(たぶんきっと)。
BBFFシキさんと高円寺に来たときも立ち寄った。そのときも最後に寄ったので、お店に入る時点でかなり酔っており、お店を出るときはふらふらだった。『ビアエンジン』に来るときは毎回こうなるな。


カスクエールは、Wikipediaの説明を見ると「ろ過、熱処理を行わない」ビールとのこと。カスクエールの特徴として、ビールの風味が良くなることが挙げられるそうだ。
つまりタカさんの「味が濃い」という感想はうなずけることであり、「おいしい」と感じる感性は豊かだということだ。この人は本当に、“いつメン飲んべえ”の長男だ、家長と同じ路線を行くことができる。家長のシキさんもカスクエールが好きだった。しかしタカさんは、1年前には「カスクエールのおいしさはまだ分からない」と言っていたように思う。成長していく路線が家長と似ている。


あまり覚えてないけど、楽しく飲めてよかった。タカさんとこんなふうに楽しく過ごせるのも、あと少し。


残念だったのは、高円寺駅で『伊勢角屋麦酒』の〈0 mile post / ゼロマイルポスト〉を買えなかったこと。
高円寺ビア巡りの待ち合わせは高円寺駅にしたのだが、予定より早く着いてしまい、売店を見るとするビールチェックをして発見。「見たことない伊勢角のビールがある!!」
しかし、これから高円寺を歩き回るから、帰りに買おうと思い、集合したタカさんとケイさんにも見せて「わたしが酔って忘れていたら帰りに教えてください」と頼んでおいたのだ。
タカさんが後から言っていた。「電車に乗ってから気が付いたんですよね」――そうだったのか。
折を見て、また高円寺駅に行ってみようかな……


お疲れさまでした! 楽しかった!!
また来週。来週の土曜は池袋ビア巡りだー!


End…

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