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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

ラストスパート② カレーとビール


高円寺駅の改札外のJR系コンビニNewDaysで発見。伊勢角屋麦酒の〈0 mile post / ゼロマイルポスト〉



遠い土地に行ってしまうと、東京付近のクラフトビールを飲む機会はほぼなくなるだろう。最後にビア巡りをしましょうよ。


どこに行くか?
こうしてタカさんが、わたしに早めに異動の話を告げてくれたのは、わたしが「来年度は、これまでに行ったお店を巡ってみたいと思っている。タカさんと一緒に行こうと計画している。まず、今までにどんなところに行ったか、過去の写真などを見てリストにしないと」と言ったから。計画を立て、リスト作成の作業をしようとしているようだから、自分はできなくなったということを言っておかなければならないと気遣ってくれたから。
4月から3月の1年間をかけた計画なら、これまでに巡った店に行くことも、行ったことのない店に行くことも、両方できる。ひとりで行った店、タカさん以外の人と行った店もあるから、わたしにとっては「これまでに行ったことのある店」でも、タカさんにとっては初めての店もある。
でも、その計画はもうできない。
引っ越し準備も考えたら、3月になったら週末は出歩けないと言う。しかし、タカさんは自分から「ここに行こう!」と言うことはあまりないが、誘った時のフットワークは割と軽い。2月中ならいいという。


2月の最初の週末は、既に金曜の夜にタカさん邸の節分飲み会が予定されていた。翌日は無理だろう。
最後の週末に、ホッシーさんが運転してくれるビアドライブの予定を立てることになった。
ということは、使えるのは間の2回となる。


「タカさんは、これまでに行った店の中の気に入っているお店に最後に行くのがいいですか? それとも行ったことのないお店に行ってみるのがいいですか?」
「そうですね。一度行ったところより、行ったことのないところがいいと思いますね」


そうか。じゃ、どうしようかな。どこに行こうかな。
――「じゃ、どこに行きたいですか?」と聞けばいいのにと思うかもしれない。タカさんとのつきあいは、この1年で急速に深まった。分かってきたのは、意外に落ち着いた行動を取る人だということだ。やりたいことがあればもちろんするだろう。けど、冒険や新しい経験を好んで求めることはあまりないようだ。
以前、「いつも企画していただいているので。企画してもらわないと“いつメン”で出かけようというのも、なかなか行かないと思うので」とお礼を言われたことがある。それは本当なのだろうと思う。近い場所に住む者同士、わたし以外の人たち(ホッシーさん、ケイさん、タカさん)で週末に焼肉やステーキ屋などに行ったりするらしい。しかし、それは計画を立ててどこかに行こうというのではなく、「飯でも食いに行きますか」という気楽なものらしい。
ビア巡りのプランナーはわたししかいないんだな。


しかし、わたしもBBFFシキさんを失ってから、あまり新たな店やブルワリーの開拓をしようという気が起きていない。
ブルワリーやブルーパブ、ビアバーが増えすぎてわたしには追えなくなった、という状況も関係している。


この頃、クラフトビールの前年の記録を遅々とした歩みでまとめようとしており、たまたま六本木の『BREWDOG』のタップルームを見たことを思い出していた。コロナ禍で長期休業していて、外から眺めただけで終わっている。
うーん。六本木だとしたら、他に『Ant’n Bee』というお店に行ってみたかったんだよな。
あとは、巡るのに適しているところというと、中央線沿線はクラフトビールがたくさんある。


「タカさん、六本木と高円寺と、どちらがいいですか?」
「六本木ですか。高くないですか? 分からないですけど、六本木って高いというイメージが」と言って、タカさんは、はははと笑った。


じゃ、高円寺ビア巡りに決定!!


わたしは前に一度行ってみたことがあるが、今年度はタカさんとケイさんと行ってみようと思い、店を改めて調べていた。『萬感』というビアカフェにも行ってみたいのだけれど、回りきれないかなぁ。
地図を見ながら回る順番を検討したが、開店時間も考慮に入れて検討し直し、ルート決定。アンドビール→シトラバ→高円寺麦酒工房→ビアエンジン の順で巡ろう!



高円寺に着き、まずは中央線線路沿いの『アンドビール』へ。
カレーが有名なお店らしい。昨年度、たまたま通りすがって立ち寄り、1杯だけ飲んだが、そのときはカレーは食べていない。


今回巡るお店の中では駅から一番遠く、このお店だけ反対方向にある。まずは、ここから。
最初のお店なのでオープン時間に予約を取り、2軒目からは予約をせずに行こうと考えた。時間に縛りができてしまうとせわしない気分になる。次の店に向かおうとするときに電話を入れて、席が空いているかどうか聞こうと考えた。どの店も人気店だからだ。
しかし、事前に連絡したところ、『アンドビール』はランチ時は予約を受け付けていないとのことだった。「オープンと同時くらいの時間であれば、空き席はあると思います」と言われ、営業開始に間に合うように行くことにした。


行ってみると、まだお店は開いていないのに、外のベンチに座っている人たちがいた。もしかして待っている?! 人気なんだな、すごいな。


団地なのかマンションなのか、集合住宅の1階に入っている。ぶらぶら歩いてみると、1階はすべて店舗で、しゃれたお店が並んでいた。住んでいる人たちは楽しいだろうな。


2、3分の軽い散策を終えてお店の前に戻ったとき、タカさんが気づいた。「もしかして、ここに書かなければならなかったんですかね?」
ウェイティングボードが置かれていることに気づかなかった。既に記入があり、わたしたちは4組目だった。気づかなかった、危ういところだったー! もっと書き込まれていたら、入れなかったかも。


オープンとなり、1組ずつ呼ばれて席に着いていく。
その間にもお客さんたちは増えていき、席に着いてメニューを見ている間に、席はほぼ満席になった。


献立を見ると、「今日の選べるカレー」というのが4種類あった。
カカオビーフ:ビターチョコレートと赤ワインを使って煮込んだまろやかリッチなカレー
ポークビンダル:インド ゴア地方の酸っぱ辛いカレー
明太子と白菜のダル:豆のペーストとココナッツミルクでまろやかに仕上げた優しめのカレー
郡上味噌キーマ:岐阜県郡上の味噌使用


カレー定食はプレートだった。
1種がけ:1,100円
2種がけ:1,250円
3種がけ:1,400円
4種がけ:1,550円


3人とも4種がけを選んだ。4軒回るうちの1軒目から量的にハードだが、お別れイベントなんだし、4種がけでしょ。4種がけにするので、ごはんも「普通」にした。少なめにしたら、バランスが崩れないかと思ったのだ。


食べ始めて、「4種がけにしたのは正解だった」と全員が思った。おいしかった。辛いカレーもあるけれど、わたしが食べられないほどではなかった。
お腹いっぱいで、これからまだ3軒回るのはハードだ。でも、それでも、4種食べてよかった。
「あれは4種盛りにしてよかったですね」(と後日話し合った。)
「どれもおいしかった」
「甘めのカレーから辛いカレーまであって、(4種類全部食べると食べてる時や食べた後の味覚に与える影響の)バランスがいいですよね」


ビールももちろん飲まなければ。
ビールは8TAPSと書かれていた。4軒回るのに1軒目で8タップというのは、これまたハード。しかし、そこはグループで行く利を活かして、各自違うものを頼むことができる。すべて、少なくともひと口は味わうことができた。
とっても気に入ったビールがあれば、最後に1杯パイントで飲む――というのがわたしの理想だが、胃袋も肝臓も無限の処理能力を持ってはいないので、なかなか難しい。


以前来たときより、ビールがとてもおいしく感じられた。
あの日は疲れていたしな? それとも、経験値が増えるにつれ自分の味覚や嗅覚の幅が広がって、より味わえるようになったのかな? 今日の方が好みのビールが多かったのかもしれないし?
ごちそうさまでした!


また、いつか、シキさんもタカさんも一緒に、みんなで来たいな……


To be continued…

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