2025.01.18|誕生日飲みの失敗
誕生日は特に何もしないはずだった。
夫の誕生日とわたしの誕生日の中間で旅行に行こうと計画して、静岡に行ってきた。夫は海鮮やお風呂を楽しみ、わたしはクラフトビールを楽しむ。お互いに楽しもうという旅。
実際、夫の誕生日は大きなことはしなかった。ちょっとケーキは買ったけど。
自分の誕生日が近づいた時、夫がその週実家に帰ってずっといないと分かって、ちょっと文句を言ったところ、夫は前日に帰って来ると言った。後から思い出して、「そういえばお互いの誕生日に何もしない代わりにと旅行に行ったのだから、帰って来る必要はない」と伝えたが、夫は帰って来た。
外食をしたり、ごちそうを作ったりということはしないで、ケーキだけ食べようと思った。
YEBISU BARアプリでは、お誕生日おめでとうのお知らせが届いた。グラスビールが半額になる特典を2枚分付与してくれたとのこと。期限切れになる前に行こう。
わたしは夕方、買い物に出かけてケーキを買ってきた。『コージーコーナー』でショートケーキをいくつか買おうと思ったが、ショートケーキも結構高い。お菓子屋さんで丸いケーキを見たら、こじんまりした大きさで2人の中高年家庭にはよさそうだったし、ショートケーキを4つ買うより安かった。これにしよう。ついでに食べてみたい違うケーキも買ってしまって、結局は予算オーバーだったが。
夕飯はごちそうではなかった。だが、夫は肉を焼いたので、ワインを飲むと言う。夫のお気に入りはスーパー『西友』で買う安い白ワイン。安いから気に入っているのではなく味が好きなのだと言う。
じゃあ、わたしも何か飲もう。
まず、クラフトビールを飲むことにして、いつもの酒屋で買った『京都醸造』〈HOP IDOL〉を開けた。キャラメルを思わせる色合いのラベルだ。綺麗だな。
このビールを飲んでUNTAPPDに投稿したら、お誕生日バッジが出たので飲んでよかったと思った。〈BIRTHDAY BREW〉だそうだ。これって、確かに前にも見たような気がする――
お誕生日バッジと、UNTAPPD開始記念日バッジは、「ああ、よかった、たまたま投稿したおかげで年に1回のバッジを逃がさなかった」と思うなぁ、本当に。
そして、赤ワインを飲もうと思った。
だが、ちょっと白ワインを飲んでから赤に移りたいという気になり、白ワインを少し飲むことにした。
半分くらい白ワインを飲み、キャップを閉めて、赤を開けた。
この赤は、大変おいしいワインだと思った。
いい気分になり、ひとり、赤ワインを楽しみ続けた。夫はごはんを食べ終わると飲むのも終わってしまうので、先に戦線離脱。
やがて、また白に戻ったりして、結局白と赤の2本を飲んだ。でも、1日のうちに2本飲んだのは、これが最初ではない。
翌朝、目覚めてみると、ひどい二日酔いだった。
年を取って、あまり二日酔いになることがなくなった。そこまで飲み切れずに終わっているのだと自分では思っている。翌日まで「なんだか二日酔いみたいなものが残っているな」と思うことがあるが、若い頃の二日酔いのようなひどいものではなくなった。これもやはり、前日にそこまで飲み倒していないのだと思っている。若い頃のようにいつまでもシャッキリと飲み続けるなんてできなくなっているのだ――どこかで酔ってはいるが、それ以上飲んでいない状態になっているのだ、たぶん。翌日に残っていても、吐き気とか胃のムカムカ感までいかないのだ。
しかし、この日は違った。若い頃のような、気持ちの悪さ、吐き気、頭痛。久しぶりの二日酔いになった。
しかも、昼頃にもなれば緩和されているものなのに、午後になっても不快感が消えない。夕方までずっと寝ていた。夜になっても寝ていた。
薄々思っているのは、ケーキを食べたことも関係しているのではないかということ。実は酔っていてせっかくのケーキも記憶にない。しかし、写真も撮っているし、夫が「明日に残すって言ってたケーキも結局食べたの?」と言っていたから相当の量を食べたらしい。
なぜかは分からないが、酔って「お腹が苦しい」なんて感覚も分からなくなって、大量のケーキを食べたことも関係しているような気がする……
あれから何週間も経つ今、検索すると「AIによる概要」というのが出てきた。
“お酒を飲むと甘いものを食べたくなるのは、アルコールを分解する際に体内の糖分が消費されるためです。しかし、甘いものを食べ過ぎると、アルコールの分解が活発になりすぎてアセトアルデヒドを多量に生産し、二日酔いが悪化する可能性があります。”
他のサイトでは。“飲むという行為は肝臓だけでなく胃腸にも大きな負担がかかる。お酒を飲んだ時は、消化の悪い炭水化物や糖分を摂取しない。アルコールと糖の両方を分解することで肝臓への負担もかかる。”
なるほど。いずれにしても、きっとケーキだ。わたしが漠然と「ケーキを食べ過ぎたことが関係しているかも」と思ったのは正しかった。「いつもと違う行動は何だったか?」と考えてなんとなく思っていただけなのだが。
わたしはよく水を飲む。たくさん飲んだ日は、寝ていても起き上がって水を飲んでまた寝るといった行動をとる。結構飲んだなぁ、という日は、朝までに2リットルのペットボトルがなくなることも多い。だいたいいつも水は飲んでいるのである。
せっかくの誕生日が台無しだと言えるが、どちらかというと「これもよかったのかも」と思えた。
アルコール量を減らそうと考えてはいて、長い休みでいかにも飲みそうな年末年始に風邪を引いたことを契機に制限していこうと思っていた。しかし、やっぱり日常が始まると自分が考えるより制限できなかった。
ひとつ年を取った時に一日がかりで回復しなければならないほど悪酔いをしたことで、新たなスタートと言えるのではないかと思った。
飲んでいるときの「今このくらい酔っている」は、自分なりに見積もりができていると思う。しかし、「ひと口ごくんと飲む」→「酔う」ではない。「ひとくちごくんと飲む」→ 喉から食道から胃から肝臓その他の臓器へ →「酔う」のだ。考えてみれば、そりゃそうだ。
「今このくらい酔っているから、もうそろそろ終わりにしないと」と思うときは、既に本来終わりにすべき時間を若干過ぎている。
「若干過ぎている」のが、アルコール度数5%のビールであれば問題ない。過ぎている「若干」が、アルコール度数9%のスタウトだったら危険だ。まして、まだ臓器にたどり着いていないアルコール度数が14%程度のワインだったら、思っているより酔うことになる。
そんなことも考えた。
ある意味、大事なことだった。誕生日にこういうことが起こるのも良かったのだ。難しいけど、再トライ。やはり、「程よいところで終わりにする」という漠然としたことではうまくいかない。杯数で決めていくべきではないか。
――とまぁ、そんな新たな年の始まりだった。