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Status Message:I am strong enough

えっ、それは違うと思う

ちょっと「え、それは違うと思う」と感じたのだけれど、それを分かってもらうためにはまず、「ホワイトカラー」の最終話のあらすじを説明する必要があるので、回りくどいけどそこから話は始まる。
 
「ホワイトカラー」Season6は、短い6話編成で、最終シーズンというよりはエピローグの雰囲気。
 
主な登場人物は、
  ニール(詐欺師、FBIに協力することで刑務所外で服役期間を過ごしている)
  ピーター(FBI局員、今は部門長に出世、ニールのハンドラー(監督者))
  エリザベス(ピーターの妻)
  モジー(ニールの親友)
  ケラー(ニールの元師匠で現全員の宿敵)
  その他。
 
Season6はエピローグなので、誰も捕まえることができないという最高窃盗団ピンクパンサーに、ニールがひょんなことから潜入し、6話かけてFBIと共に一網打尽にする。
その合間に、主要人物たちの見せ場があったり、これまでの懸案事項に結末がつけられたりという構成。
 
一番の懸案事項は、ニールが優秀すぎて、手放したくないFBIが難癖つけて刑期を終了させてくれないこと。
いくら世間で暮らせているといっても、足首につけたGPS装置で管理されながらで、決められた範囲以外行けないのだから、ニールとしては釈放されたい。
 
これは非常に難しい。たぶん無理。
潜入中の窃盗団ピンクパンサーで、宿敵ケラーに再会したのだが、ケラーも言う。「本当に解放されると思っているのか?」
解放されても、ピンクパンサーが報復するだろう。そのとき狙われるのはお前じゃない、お前の身近な人たちだ。(ピンクパンサーを捕まえないわけにはいかないのだ。それを釈放の条件にして、司法長官に念書にサインさせたから。)
 
あー、たぶんニールはこの捜査で最後に死んでしまうんだろうなぁ。
でも最後の最後に、実は死んでいないのかも?って思わせて終わるんだろうなぁ。と予想したとおりの結末だった。
 
ニールは捜査中、誰だか知らない女性にお金を渡しているところを写真に撮られてしまう。(宿敵ケラーは以前ニールとピーターが捕まえたのだが、インタポールがニールみたいに手先に使っていて、ピンクパンサーに潜入していたのだった。ケラーかニールかどちらかを退かせようとなったとき、ケラーのハンドラーがニールを尾行し、「こんな怪しいことをしている」とピーターに写真を見せたのだった。)
 
ニールはどうも、コンテナ倉庫街にコンテナ倉庫を借りているようだった。(ピーターは調べようとしたが、ちょうどそのときケラーのハンドラーが殺されるという事件が起こって、うやむやになってしまった。ちなみに殺したのはケラー。)
 
ニールがコンテナ内のマネキンに向かって発砲し、胸にめりこんだ弾に指をあてているシーンがあった。
 
ラスト、ニールはケラーともみあいになり、響く銃声。胸を赤く染めて倒れるニール。
ケラーはニールに話しかけながらとどめを刺そうと近寄るが、ニールがFBIに知らせていることを告げる。「ピーターがすぐに来るぞ」 (ちなみにここまでの展開の中で、ピーターはすごい、ピーターならやる、ピーターならできる、というイメージ操作がなされているので、ケラーがあたふたととどめも刺さずに逃げ出しても自然に見える。)
 
ケラーは逃げ出したけど、ピーターに撃たれて死亡。
ニールは救急車で病院に運ばれたが、助からなかった。
ピーターとニールの親友モジーは、ニールの遺体を前に死を悼む。
 
ニールの死の衝撃から1年後のピーターとモジー、まだ悲しみが完全に癒えていない様子が描かれる。
ピンクパンサーは全員捕まり、終身刑が確定。
Season6になって急に妊娠したピーターの妻エリザベスは、無事に男児を出産、ニールと名付けられたらしい。子育てに忙しい毎日。
 
そんなピーターの家の玄関に、ボルドーワインが置かれている。素晴らしいワイン。
ニールはワインに精通していたし、いいワインが常に家に置いてあるやつだった。ニールしかいないでしょ。
ピーターは忘れていたことを思い出し、パズルをつなぎあわせる。
 
ニールの遺品の中に鍵があったのを思い出し、コンテナ倉庫に行ってみる。
頭の中にニールの親友モジーの声がこだまする。「ニールが死んだことが信じられない。あれはニールの一世一代の詐欺だったと思えてならない」
そこにはニールが死の偽装を準備していたことが窺える品が残されていて、ピーターはにやりとしながらその場を去る。
 
ラストは、エッフェル塔の見えるパリらしい街を歩いていくニールらしき人の後ろ姿。
 
 
 
 
 
Fin
 
 
 
 
 
でもモジーには死んでないことは知らされないの?
死による喪失は埋めがたい。年をとって実感する。モジーに知らされないのは悲しすぎる。どうかニール、モジーにもニールから知らせてあげて。――と思ったのは、前も語った。
 
なんか誰か、わたしの見落としていることを見てるかも、実はモジーにも知らされたのかも、とネタバレサイトを今さら見てみたりした。
 
するとその中のひとつに、こんなことが。
 
最終話のだいたいの筋を説明、「ニールはお金を渡して、救急隊員を買収していたのです」うんうん。
 
「ピーターとモジーが前にしていたのは、精巧に作られたマネキンだったのです」
 
・・・・・・
 
・・・・・・
 
えっ?
 
違うでしょ?
 
マネキンは銃を打ち込んで、弾丸を取り出すためのものだよね。
つぶれた弾丸を自分の遺体から出たものとしたんでしょ。撃たれた証拠。
 
遺体は、倉庫に心臓の機能を低下させるいわば仮死的状態を作りだす薬があって、ニールが飲んでるのをピーターが想像する映像が出たし。それでしょ?
 
 
細かいことを言えば、倉庫に新聞が置いてあって、「ルーブル美術館が警備体制を強化」みたいな記事が書かれていた。
それについて、「ニールはパリでルーブルに挑戦している」。それも違う。と思う。
 
話の途中で、どこぞの警備がものすごい話が出てきて(ちょっと詳細は忘れた)、「それは元泥棒が協力しているからだ」というニールのセリフがある。
 
ニールはもう詐欺師はやめた。たぶん、クリミナルであることもやめた。
Season6では、人のいい女性をだまさざるを得なくなって、ニールが苦い思いをする話もある。ニールはもう心情的に詐欺師ではなくなっている。つまり犯罪者(クリミナル)でもなくなっている。
 
詐欺は人を傷つけるから悪いこと、泥棒は物を盗むだけだから道義的にそれほど悪くもない、という考え方はアメリカではあまりしないみたい。日本人のわたしには微妙に自然な考え方なんだけど。
クリミナルか、クリミナルでないか。白か黒か、みたいな感じを受ける。これまで見倒してきた何百時間ものドラマによると。
 
だからさ、ニールはルーブルに挑戦したいのじゃなくて、ルーブルの警備強化に協力しているわけだよ。
ニールはもうクリミナルじゃなくなった。見逃していてもいいってことを、ピーターが納得できるようになってる。(ピーターはガチガチの正義漢だから、FBIが約束を破ってニールを釈放しなかった上に、ニールが最後に大活躍し、そしてもう犯罪者でないと三拍子そろってないと、ニールを見逃すのが不自然になっちゃうからね。)
 
 
 
途中から見てないドラマだって書いてあったから、最終回だけちょっとチラ見して記事を書いてたのかもしれないけど、それにしてもなー。「遺体はマネキン」はないよなー。




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