2024.01.14|ただただゆっくりする旅へ⑥ お菓子とビール

駅の近くのショップで最後の買い物。実は夫、買いたいものがあった。
年末年始が終わり、いただいたお菓子をたくさん持ち帰った。わたしの部署の非正社員は昭和の人が多く、年末年始のお出かけのおみやげを皆さんがくださる。箱で持ってきて、個包装の中身をひとりずつにくれる。人数の多い部署なのでちょっと大変。最初の頃は倣っていたわたしだが、今はすっかりやめた。
それらのお菓子の中で、夫がとても気に入ったものがあった。名前を覚えておこうと言っていたくらいで、それが〈下田 ミルクもち〉だった。
下田を通るとき探したいと言っていたのだが、着いたとき駅前のショップを見たら売っていた。「すぐに見つかったね。ここに売ってることは分かったから帰りに買おう」と夫。しかし食べたいからと2個だけ買って宿で食べた。
海鮮丼を食べ、海側の方を遠回りして駅に戻って来た。すぐに〈下田 ミルクもち〉を買う。あまり日持ちするものでもないので、買い過ぎないようにすると言う。こういうとき、わたしはたくさん買って食べ切れなかったりするんだよな。
わたしも自分用に貝でできた小皿を買った。アクセサリーとか鍵などをちょっと置くために使うつもり。それから味見してみたいと思ったお菓子を2つほど。
下田駅構内で座り、電車の時刻を待つ。
夫が座って休んでいるというので、わたしは構内のお店を探索に行った。ビールを発見した。帰りの電車で飲もうかな。
『宇佐美麦酒』〈伊豆の地ビール〉シリーズが並んでいたので、ひとつひとつUNTAPPDで検索してみる。飲んでいるものがあるはずだから、お初のものだけ買おう。全部買っても持ちきれないし、電車で飲み切れない。
〈GOLD〉〈AMBER〉は飲んだことがないようだったので、購入。
もうひとつ、「東伊豆稲取」と書かれたセルツァーを発見。〈YUAGARI〉という名前だった。でも、スピリッツって書いてあるからビールじゃないのかなぁ? とりあえず買っておこう。
電車の時刻が近づいたので、改札が開いた。
わたしたちの座席はずいぶん前の方にあった。ずーっと歩いていき、乗り込んでから思った。アルコールでない飲み物を買えなかったな。自分たちが乗る車両に近づいたら買おうと思って、ホームの最初にあった自販機では買わなかった。しかし、自販機はスルーしたその1つしかなかった。もうそこまで行って買っている時間はない。
まぁ、仕方ない。
電車が動き出し、さて、ビールを開けようと思ったら、栓抜きがなかった。いつも持ち歩いて愛用しているVECTOR BEERのカード型栓抜き。とても使い勝手がよく、丈夫で、カード型なのでコンパクトにしまえる。カード型を活用して、ピスタチオの殻向きにも使える優れもの。
ない……。もしかして、年末のビア旅で失くしたかな。取り出したのはあの時だけ。今は誰かと休憩スペース飲みをしたりしないので、持ち歩いてはいるが使う機会がほとんどないのだ。ホテルに置いて来ちゃったかも。
残念。
栓抜きがないので、瓶ビールだった〈伊豆の地ビール〉は飲めなかった。家に持ち帰ることにして、セルツァーも開けなかった。
その代わり、お菓子を食べた。『割烹民宿 小はじ』と書かれた〈手造り麦味噌マドレーヌ〉と〈金柑ケーキ〉、そして『下田時計台フロント』〈下田 ミルクもち〉。知らなかったがテレビでも紹介され大人気だそうだ。
〈麦味噌マドレーヌ〉と〈金柑ケーキ〉もとてもおいしく、手造りのしっかりした味わいがあった。
夫が「下田のお菓子はどれもおいしいんだなぁ」と感心したように言っていた。
いい旅だったね。弓ヶ浜は本当に弓形だった。ゲーム『ピクミンブルーム』でお花を撒いたので、海沿いの弧を描いた浜が緑になっていた。
なんだか疲れきっていたわたしには、とても有難い旅だった。ただただゆっくりする旅。海を眺めるだけの旅。
いろんなことがうまくいっていないけど、仕方ない。残されたわずかな期間、やれるだけのことをやって、それでダメならダメだってことだ。あがいてもどうしようもないものね。
家に帰って〈伊豆の地ビール〉ゴールドとアンバーを飲み、セルツァーの〈YUAGARI〉も飲んだ。
旅は終わった――。
End.