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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

玉虫色の言葉(シリーズ:翌4月からの仕事)

場にはそれぞれのやり方があって、外部の者にはわからないことがある。

それまでの常識で判断してしまって、後からギャップに驚いたりする。

 

たとえば、わたしがフリーランス的立場で働いてきた職場などは、昔風なところがある。人をああだこうだ評価して差をつけるのを嫌うところがあったり、表立ってハッキリ言ったり行動して問題が起きるのを嫌ったり。ちょっと普通の会社よりそういうのが強くて、裏側を覗く機会があると驚く。あれはそういう意味だったのかとか、知らない間に陰でそういうことをされてたのかとか。

でもフリーランス的に働いていると、ときどき「ん?」と思うくらいで、それほど深く組織に立ち入らない(というか、立ち入らせてもらえない)ので、それほど実害は被らない。

まあ、たぶん被ってもあまりわからない。知らないところで知らないうちに、得したり損したりするだけだ。

 

今回、フリーランス的立場の4人は、1年前にそれぞれ話をされた。再来年はどうなるかわかりません、頼んでいる仕事がなくなるかもしれません、と。

こういうことは、フリーランスの立場の人間を統括する偉い人、仮に第二部長補佐とするが、第二部長補佐が伝えてくる。

ここ3年、第二部長補佐をしているのは、姉妹組織から出向してきている人。この姉妹組織から来る人は、多くの場合、もともとこの職場にいる人よりお役人的というか、玉虫色である。

 

フリーランス的立場の4人のうち、わたしともう一人は業務Aに携わり、残り2人は業務Cに携わっている。

わたし、Bさん、業務CのCさん、Dさんとしておこう。

 

Cさんはこの話をされたとき、「再来年は予算の関係上お願いできなくなるかもしれません。そうなった場合、たとえばですね、スタッフとして関わっていただくとか、そういった形でお願いすることもあるかもしれません。そういう形でスタッフになることも、ご検討くださいますか」と言われた、と相談してきた。わたしはCさんとときどき話したりして、お付き合いがあったからだ。

Cさんは「スタッフってどんなことをするのか、自分のスキルでできるのか、まったくわからなくて不安に感じます。スタッフの方の仕事内容について何かご存じだったら、教えていただきたいんです」と。

さらに「お給料や、週何日かとか、勤務条件も何も教えていただけなくて」とも。

 

Cさんはスタッフにも、正社員的・契約社員的・パート的とタイプがあることさえ知らないくらいだったから、それはさぞ混乱なさるだろうと思ったものだ。

 

しかしこれは、裏事情をよく知る部長補佐秘書パートさんに言わせると、第二部長補佐お得意の玉虫色の表現で、真剣に受け取ることはないのだそうだ。

ただ「なくなります」だけで、どういうことですか!?具体的にいつ頃はっきりわかるんですか!?、さらにはまだなくなるかどうかはっきり決まらないうちに、「なくなるというお話だったので、もう次の仕事を決めました」「ありそうなんですが」「私はできません、他の方を探してください」というのは困るから予防線を張っているのだ、という。

 

だいたい、そもそもそんなふうに「あなたはこれまでよくやってくれたから、うちのスタッフになりませんか?」なんてことはできないのだ、と言う。

そういうやり方はひいきやコネになりがちだからと、規定で必ず大々的に公募して、ハローワーク経由で受け付けなければならないのだから、だそうだ。

 

え、じゃあこれは、なんていうか、「おためごかし」?

 

でも普通、こんなことを言われたら、真剣に考えないか?

それでも働けるかどうか? 無理ならどうするか?

いったいいつ頃ハッキリするのだろう? いざその話を切り出されたら、自分はなんと答えよう?

 

これを玉虫色のおためごかしだなんて思うまい。

 

でもいいのか。

もし「あの話はどうなったんですか?」と聞かれても、「やはりなくなりました」と言われたら、多少憤慨したとしても、訴えるとかそんなことはないだろう。

きっと「そういう可能性もある」くらいにしか言ってないように、部長第二補佐は言葉を選んだのだろうから。

 

CさんとDさんは同じ業務、わたしとBさんは同じ業務。

これまで一緒にやってきた人の中でも、「この人にはこういう点でかなわない」と思う人はいた。頑張っても明らかに相手が上だったらわたしも諦めると思う。(もちろん「明らかに」とは、わたしよりちょい上は含まない。自分への評価はだいたい高くなるものだから、それを越えてものすごいという意味だ。)

Bさんはそうでもないと思うし、わたしのほうが明らかに上だと思うところもある。まあ、才能とかセンスとかに劣るとしても、わたしのほうがキャリアが多く、他でずっと現役にこだわってきたから新しい知識や情報を知っている。あと、責任感の問題で、わたしは仕事に対して責任を感じ、Bさんは家庭に対して第一に責任を感じているから、仕事人(特にフリーランスの)としてはわたしのほうが仕事寄りだ。

 

これまでそういう姿勢を評価してくれた人はいた。わたしの能力を評価してくれた人もいた。

でも今の部長第二補佐はよく分からない。

 

で、次年度の話をすると2人まとめて呼ばれて、言われた。

「今2人で行っている業務を次年度は交代制にして、1人分の予算でやっていくことになりました」という話。

これが「2人で半分ずつにする」と言われるのは、わたしも予想していたし、納得だった。

わたしがどんなに頑張ったとしたって、どちらかがたくさんというわけにはいかないだろうし、1人でいいというわけにもいかないだろう(何かあったときのために予備は欲しいだろうから)。

 

でももうひとつ、これまでわたしの頑張りを評価されて任されてきたもうひとつの業務も、これからは半分ずつにしていきたいと言われた。

わたしには「それでもやっていただけますか?」と言い、Bさんに対しては「その業務をやるということでご検討ください」と言う。

 

普通に考えてこれは、文字通りの意味にしかとれない。

半分にしたいんだな、と受け取るしかない。

 

わたしは頑張ってきたつもりだったけど、認めてもらえるほどには結果を出せなかったんだな。

というか、むしろ、Bさんのほうが適任なのに、なぜわたしにさせているのかと思われたのかもしれないな。

 

これまで与えられていた仕事を奪われ、他の人に任せるというのは、どう考えても自分が力不足と評価されたためとしか考えられない。

普通そうでしょ?

 

それでもポジティブに考えようと、「平等にしたかったんだろう」と察してみる。

かつて平等に機会はあったのだ。でもBさんはちょっと問題があって、その仕事には向かないと判断され、外された。

だけど部長第二補佐は、「機会の平等」ではなく「結果の平等」を求めている人なんだろう。そう思って受け入れようとした。

 

これもまた部長第二補佐秘書のパート的スタッフさんに言わせると、「部長第二補佐のいつもの玉虫色の回答」なのだそうだ。

実際にBさんに任せるかどうかはともかく、「ちゃんと提示した」ということなのだそうだ。

「はい、じゃあ半分やらせてもらいます」と返答があっても、次年度になって頼まなくてもいいのだそうだ。「なんだかたまたまお願いできなかったけれど、次年度こそお願いしますね」と言えばいい。

もしわたしに何か不都合があれば、「言っておいたけれど、じゃあお願いします」と言える。

 

わたしはこの秘書パートさんの言うことが本当とは思えない。

「半分」てハッキリ言ったものを、1つ2つやらせてそれで納得する?

半分て言われたら、半分やるのかと思うだろうし、逆にわたしもそう思う。半分なくなるんだな、って。

 

 

 

――最初は、玉虫色の発言てことについて書いていたのだけれど、こうして書き連ねてきたら、自分はやはり常々感じていたように、部長第二補佐に好かれていないのだと思えてきた。

いや、そうとしか考えられない。

 

実は玉虫色の発言でもなんでもなかったのかも。



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