人のいろんな面
電子書籍を個人出版しようと思ったとき、ちょっと迷ったことがあった。
ブログで知らせるかどうか。
そもそも「そのブログを本にした」というブログは、もちろん知らせるとして、その他のブログでどうするか?
誰でも100%全開で自分をさらけ出しているわけじゃないと思う。
自分にちょっとマニアックな趣味があったとして、それを友達にも、同僚にも、上司にも、出会った人誰でも彼でも、全開で話すだろうか?
――そりゃ、話さないわ。
この友達にはなんでも話せる。でもこの人にはちょっと引かれちゃうかな。会社の人には言えないな。会社の人でも、あの人には言えるかもしれないけど、上司には絶対言わないでおこう。
なんて、いろいろと考えると思う。
中には自分が毒舌だってことを誇りにしてる人もいるけど、たとえばそういうのだって、相手によって出したり出さなかったりする。
ママ友にまで毒舌する? するとしても程度を考えるかな。
1回だけのつもりの美容院でなら、好き放題言ってもいいかな。
職場の世間話同僚たちには、適当に話を合わせておけばいいかな。
なんて、いろいろと考えると思う。
カフェだの近場グルメだの、物産展や無料フェスティバルだの、楽しいことを書くブログでは、自分の楽しい面を主に出してる。
このブログでは、そこで書けないことを書く。そこで出せない面を出す。
写真だけをUPしてるブログっていうのは、写真でしか自分を語らないから、自分の表の面も裏の面もない。(昔風にいうなら、シングルレコードのA面とB面ね。)
だけど、知らせたからといって買ってくれるとは限らない、というか、ほとんどの人はスルーするだろう。
それなら知らせたほうがいい。だって。やっぱり一応は「出版」てことをしたんだから。
ちゃんと知らせたほうが、自分の達成感のためにも、きっといい。
古くからの楽しいA面日記ブログのほうのブロ友さんが、わざわざPC用のKindleをダウンロードして購入してくれた。(無料キャンペーンのときね。この出版でお金になったことは全然ない。ある意味、無料ってすごいもんだと思う。そう言われると手にしてみてもいいかなって思えるってことだもの。)
ブロ友さんは、戸惑ってしまったようだ。
これまでのブログのわたしだな、と思える部分もあるし、今までは見たことのなかったわたしもいる、のだそうだ。
そうだな。と思う。
ネットは、リアルでの知り合い以上に、自分の演出がしやすい。
リアルに話していれば、どれほど自分の「見せたい理想像」があっても、つい人柄が出てしまう。ネットでも自分はもれてしまうけど、リアルよりも演出を限定しやすい。
だから、ギャップが大きいように感じられるみたいだ。
――ちょっと失敗したかな。
ネット上の友人を減らすことにもなるかな、という気もした。
でも仕方ないか、という気もした。