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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

思い出2021.07 ビール造り体験:上野→工房へ


ついにこの日が来た! オリジナルビールを造りに行く日!!


10:00からの部を申し込んでいるので、間に合うように行くには朝が早くなる。朝が苦手なことで有名、貧血気味のタカさんにはつらい出発時間だと思われた。8:00前には上野駅に着いていなければならないのだ。


上野駅、常磐線(じょうばんせん)特急に乗り、水戸(みと)駅まで。水戸駅から、水郡(すいぐん)線で常陸(ひたち)鴻巣(こうのす)駅に向かう。常陸鴻巣駅から徒歩7分程度で『木内酒造』に着くはず。


わたしは元気に家を出発し、元気に上野駅に着いた。ビア友シキさんと遠出するときは、朝が早くても「これが旅の醍醐味」と駅でビールを買い、朝ごはんにお弁当を買う。「どのビールにしよう?」と悩むのも醍醐味のうち。だから今日もその流れで考えていた。
とはいえ、タカさんとケイさんはそこまでこだわっていないかもしれない。ビールは買うけれど、朝からお弁当はやめておこうかな?
そこで、朝のおつまみとしてサンドイッチを買うに留めておいた。ビールは売店を覗いて目星だけつけた。


最初にタカさんと出会った(という記憶)。「ビールを買おうと思うんですよ」と話し、タカさんが「私も、お話ししていたビールを持って来ました」と言った(と思う)。
『お話』がどんな話を指していたか忘れたが、なんとなく「スーパーでCOEDOから出たアニバーサリービールを見つけたから、今度持って行きます」とタカさんが言っていたような思い出がある。
自分も、『常陸野ネストビール』の木内酒造に行くので、常陸野の〈HAZY IPA〉を持参した(と思う)。100円ショップのお弁当用保冷バッグに保冷剤と共に詰めて、1本持参していた(はず)。
「じゃ、わたし、ビールをもう少し買ってきます。向こうの売店で見てみたんですけど、JR売店によくあるようなビールが置いてあったので」


そして、売店に向かい始め、なんとなく「あの辺のお弁当屋さん、シキさんが寄りそう」と目をやると――シキさんがいた。
声をかけると、どのお弁当にしようかと考えているところだった。……やはりお弁当を買うつもりだったか。どうしようかな。人がお弁当を食べていたら、わたしは羨ましくなるのじゃないかな。
サンドイッチは買わなかったことにしよう。かばんの奥にしまい込んで、わたしもお弁当を買うことにした。


自分は「牛べん」という常陸(ひたち)牛の茨城(いばらき)弁当を選ぶことにした。たぶん、シキさんも同じだったと思うのだが――わたしは人が食べているものが羨ましくなるという特性があるため、自分の心を平静に保つために同じものを選ぶことが多いから。


それから2人で売店に行き、追加のビールを購入した。〈新橋SLビール〉(DHCビール)と〈山形 花笠まつり〉(COEDO)の2缶。


タカさんに再会し、「お弁当売場でシキさんを見つけて一緒に買いに行きました」と報告、電車に乗り込んだ。
(乗り込む際、わたしは特急券以外の切符を買っておらず、発券に手間取って慌てるという小さなハプニングがあった。シキさんが改札機前までついてきてくれ、最終的に駅員さんが来てくれて間に合った。わたしは、抜けているところがたくさんあるんだよなぁ。)


電車に乗り込み、席に着いて、ほっと一息。コロナ禍以来、座席を回転して対面にすることができないので、横並びの2席ずつだ。
車窓の外は、線路脇の集合住宅が立ち並ぶ。やがて、街並みに変わる。住宅や田畑が混ざり始める。やがて、人家よりも田んぼや林、丘、遠くの田んぼの間を走る道路が多くなる。空の面積が広くなり、窓の外は空色の空と白い雲の夏景色。
買ったビールを、紙コップに注いで4等分にしつつ飲む。おつまみは、年長者組のシキさんとわたしはお弁当で、比較的若者組のタカさんとケイさんはサンドイッチ。


全員の会話が弾むというわけにはいかなかった。横並びだし、感染に敏感だった時期だったし。それでも時々話をしながら電車は進み、シキさんは言った。「最近はこのメンバーでよく飲んでいるから、新しいグループを作ろう」
そして、タカさんとケイさんにグループ名はどうするか、尋ねた。ふたりはちょっと考え、「いつメン?」「飲んべえ?」「飲むから飲んべえにしますか」「いつメンでもいいんじゃないですか?」――タカさんが「じゃ、いつメン飲んべえで」とどちらも捨てない選択をした。
わたしの第二の家族となった「いつメン」はこのときにできた。のちにドライブで運転をしてくれるようになったホッシーさんが加わり、わたしにとっての「いつメン」はシキさん・タカさん・ケイさん・ホッシーさん・自分、「いつメン飲んべえ」はシキさん・タカさん・ケイさん・自分、となった。
たとえ一時的に一家離散となる時が来ても、再びみんなで出かけたり集まったりできる――そんな存在になりたい。そんな存在でありたい。


特急ひたちなら、水戸駅まで1時間ちょっと。
9:20頃に水戸駅で水郡線に乗り換えた。車両外観はカラフルに塗られていたし、ちょっと変わった座席配置もあり、ローカル電車は面白い。9:45頃、常陸鴻巣駅に到着。東京からだいたい1時間45分。
徒歩7分で木内酒造に着くなんて、嘘! 遠いよ~! ……と思ったけれど、初めての道というのはそういうものだ。予想がつかないから長く感じる。写真のタイムスタンプを見ると、5分~7分で着いている。ネットで「常陸鴻巣駅 徒歩5分」「徒歩7分」と書かれているのは、間違いではない。
初めての道でもあったし、7月末日の暑い日でもあった。そして歩いた経路は、日陰のない道、車通りの多い道だった。長く感じたのも仕方ない。





※この話はKindle本にしたので、しばらくしたら削除するかもしれません。

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