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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

してやられたり(シリーズ:翌4月からの仕事)

第二部長補佐は、個人的にわたしを嫌っているわけではないと思う。
それほどの接点がない。第二部長補佐ほどの役職の人が、わたしごとき下っ端を「嫌い」と思うほど気にかけていないと思うのだ。


ただ、自分が統制をとっている大部署の人事について、より偉い人が「あの人にしたら?」と横槍を入れてきたのが面白くない。
わたしを応援してくれているパートさんが、陰では偉い人と仲が良く、またこのパートさんは人脈が広く、無下にできないのが気に入らない。芋づる式に、そのパートさんにつながると思えるわたしに偏見がある。


つまり派閥の問題というか、人間関係の綾なのだと思う。
だけどそういう意味では、わたしは疎まれている。




そしていよいよ来た。その日が。
「この日から募集が開始されるはず」という日。Xデー。


開始日については、第二部長補佐も言っていた「×日から1週間」。
パートさんも情報を得て教えてくれていた「×日から2日間」。


どっち??
でもどっちにしても早いほうがいい。×日にハローワークに行くつもりだった。


さらにパートさんは「第二部長補佐が6~7人で締め切るつもりと言っているのを聞きました。早く行ったほうがいいですよ」と教えてくれた。


パートさんは「朝一で行けそうですか?」と何度も念を押してくる。
前日の夜も、「明日は行けそうですか?」とメールが来た。少なくとも2日はあるとたかをくくらず、早めに行けということだ。「6~7人で締め切られる前に、頑張ってください」




わたしも一応、頑張るつもりではいるのだ。
×日は朝から行った。


一番近いのは、隣駅にあるワークサポートだった(ハローワークの出張所みたいなもの)。
でも中央のハローワークに行った。
ワークサポートの開始時間は9時、ハローワークは8時半だからだ。


9時までに埋まってしまったら困る。




開始時間直前に着いて、まずパソコンの使用許可をもらう。
大きなハローワークなので、何十台も並んでいた。
「9番をお使いください」 朝だからまだあまり人がいなかった。


とにかくこの端末で、狙いのA社を見つけなければならない。
これまでのインターネットからの検索で、この会社が非常に見つけにくい分類であることが分かっている。
どの業種を選べばいいのか、どの業態を選べばいいのか、よく分からない職場なのだ。
で、もう、社名が分かっているのだから、「事業所名」欄に入力して検索するのが一番早い、と気づいていた。


えーと。
「開始」 「進む」 「年齢を入力」 「条件から検索/○○から検索/新着求人から検索」
――インターネットと使い勝手が違うなー。めんどくさいなー。


条件か? あれ? 事業所を入力する欄がない。
もう一度戻ってあれこれタッチしてみたり、探すが見つからない。


受付に戻って、「事業所名で検索するにはどうしたらいいですか?」と聞くと、「窓口でしかできないので、ではこの番号札をお持ちください。次に呼ばれますので」


えー、そうなんですか?


窓口でお願いして事業名で検索してもらった結果、該当0件だった。
まだ求人は出ていないらしい。


自分で検索するなら好きなようにできるが、窓口の相談係に頼まなければならないので、「狙っている事業所があるので、その募集を検索したい」と告げたし、「今日あたり出るのではという話を聞いたので」とも言った。説明しないと、ハローワークでねばるに当たってどうしたらいいか、よいアイディアももらえないだろうから。

窓口の男性は、「申請書類が届いても、それを入力する時間もあるし、まだ出ていないのかもしれない」と言う。自由に使える端末のほうで検索して、見つけたらまた窓口に来たらということになった。
――30分ぐらいごとに事業所名で検索できれば済むことだが、30分ごとに順番をとって、窓口に「検索してください」と行くわけにもいかないだろう。


窓口の男性が「当日求人」という検索ができることを教えてくれたので、「新着求人」から「当日求人」を選んで探すことにした。


ここから先の詳しい過程は省くが、ハローワークの端末は、理由があってわざと扱いにくくしているのだろうか?


当日求人をタッチすると、「近隣から探す」「全国から探す」が並んでいる。
「近隣から探す」にしてみたところ、いきなり求人になってしまう。え? 近隣てどの範囲か、分からないまま?
新宿のハローワークで探している場合、「近隣」に京王線15分で行ける調布市が入っているか? それとも新宿区のみなのか? 隣接する区くらいまでなのか?
分からなくては使えないじゃないか。


そこで「全国から探す」にしてみたら、都道府県を選ぶ画面になった。
なぁんだ、選べるのか。全国のが出たらどうしようかと思って「近隣」にしたのに。


しかし「神奈川県」なら「神奈川県」まで。
え、「横浜市」とか選べないの? 選べたら絞り込めて楽なのに。
たとえば神奈川県なんて広いのだ。要らない遠くの情報まで載っていたら探すのが面倒なだけ。
選びたい人は選べるようにしてくれないかなー。


とにかく都道府県を選んで、当日求人を見る。
最初は50件にも満たなかった。なるほど、入力が必要らしい。
さて、全部見終わったが、最新の情報に更新したければどうするのだろう?


・・・・・・もしかして、最初からやり直すしかないのかな?


「メニューに戻る」だったか、そういうのともうひとつ何かあり、それから「操作をやめる」もあった。
「メニューに戻る」にすると、最初から選び直せるが、たとえば前回設定した「神奈川県」がまだ残っている。ということは、これって「更新」とは違うのかな?
新しく入力された案件を表示したかったら、これでいいのか? 「操作をやめる」にしてもう一度最初からなのか?


分からないので、念のため操作をやめて、一からやり直した。


40分くらい経つと、倍になった。
さらに35分くらい経ったときは、急に5倍くらいになった。


やり直しても変わらないときが多いが、30~40分ほど経ってやり直すと増えるようだ。

しかしこの画面、デスクトップ型なのにタッチパネル。
SF系のアメリカドラマで空中にタッチパネルを出していたり、捜査系のアメリカドラマでかっこいい巨大タッチパネルを使っていたりするが、向かないな。
目の前の巨大な画面を、腕を上げ続けたままタッチするのは疲れる。
下の方に持てるスマートフォンやタブレットならいいが、腕を上げ続けるのはダメだ。


一覧が出ると、見落としがあったら泣くに泣けないので、1つ1つタッチペンを当てながら確認する。
つ、疲れる・・・・・・


反対の手、左手に持ちかえて確認する。するとそちら側にある「最初に戻る」に触ってしまって、「あれ!? さっき見たのに戻っちゃった?」となる。
う~~ また見直し。


「ハローワークインターネット」のほうが使いやすいよ。事業所名で検索できるし。
そう思ってしばらくスマートフォンで事業所名検索も並行していたのだが、ふと「もしかして?」と気づく。
今目の前に出ている会社名を入れて検索してみると、出てこない。そこでよくよく画面を見てみると、「前日までに受理された求人が載っている」とある。えー、今日のはないのか。この使いにくい端末を使うしかないのか。


8時半に着いて、45分頃には端末の前に座り、9時。9時半。10時。10時半。
一日いる覚悟で、と思っていたけれど、だんだん疑問に思えてきた。


この状態で見ていても、見逃してしまうこともある。
時間が経つにつれ、今日の求人も1500件近くなってきた。頭もぼーっとし、目も疲れてきた。
はっきりいって、2時間3時間であっという間に6~7人も応募があるなんて、あるだろうか?
プレゼントキャンペーンじゃない、働く場所の話だ。人気の場所でもないし、破格の給料でもない。
朝・昼・晩と隣駅のワークサポートに行っても見つかるときは見つかるのでは?
逆に、ここでこの疲れた状態でチェックしていても、見逃すときは見逃すのでは? そして締め切られてしまうのでは?


少なくとも今日は×曜日だ、と思った。
わたしと同じポストを狙うパート的スタッフさんの多くは、勤務日だ。
実際のところ、こういった経験者以外で、5人や6人の未経験者が応募したところで締め切るものだろうか?


とにかく応援してくれている人の好意もあるから、昼まではいよう。
そこで出なかったら、いったん帰ろう。


で、11時、11時半、12時を迎えた。


最後に窓口に行き、またしても厄介なやりとり「事業所名で検索してほしいので」をして、確認した。


ちなみに、これ、簡単に聞こえるけれど、いつもうまくいかない。「ありませんね」と言われるが、「そんなはずはない、わたしが狙っている場所のはないけど、九州支社のは出てたはず」と思って、スマホで検索してみせ、「違う場所のものですけど、出てくるはずなんです」と説明する。画面は窓口の人のほうを向いているので、見えないと分からないのだ。
わたしがあるはずだと言うと、画面を回してくれたりするので、「業種ではなく事業所名のところに入れないと――」とか、やんわりと言ってみたりする。
で、「九州に行きたいんですか!」と言われたりして、「そういうわけではないんですけど、同じ会社の支社なので」(あなたの検索が合ってるか確認のためだよ!)というとんちんかんな会話をしたりする。
本当に厄介なのだ。「事業所名で検索する」ということをすんなり分かってくれた人は、ハローワーク&ワークサポートで出会った4人の窓口担当のうち、1人。割とすぐ分かってくれた人1人。間違い連続だった人2人。という半々の結果なのだ。


窓口に来て聞いて「ありませんね」と言われたら、「まだ出てないんだ」と思っちゃうでしょ。でもそこで引き下がったら、万一出ていたらそれこそ締め切られちゃう。
「検索が間違ってるんじゃ?」って疑うってものである。実際間違ってたし。




まあ、とにかく、出ていないんだ。ちゃんと自分でも画面を見たし。
いったん帰ろう、と思った。


応援してくれる人2人に、「朝から昼までハローワークで検索したけれど、まだないようです」という報告をした。もちろんもっと丁寧に。


そうしたらパート的スタッフの人が、どうやらツテをたどって聞いてくれたようだ。
「条件を修正することになったので、まだ出ていないみたいです」

なぁんだ~!




その修正、明らかに玉虫色の第二部長補佐は事前に知っていた。
急なことだったらしいけど、何日か前には知っていたはず。
でもパート的スタッフの人には言わなかった。常に一緒にいるような業務関係なのに。


故意だ。(と疑心暗鬼)


せめてわたしを待ちぼうけさせて、憂さをはらそうという故意に違いない。


わざとパート的スタッフの人に「すぐに締め切るよ」と言って、朝から行かせ、でも出すのは午後という。
諦めて嫌になって2日後くらいにもう一度行ったなら、「締め切りました」となって手を汚さずに切れるかもしれないし、そうでなくてもいい気味だと憂さは晴らせる。


そこまで意識していたかどうか分からないが、やっぱり故意は故意だと思う。(単なる疑心暗鬼かもしれないけど。)




今回の教訓。
長年こういう世界を渡り歩いてきた人に、わたしなどがかなうわけがない。
翻弄されたら、「それも奴隷のつとめ」と思って受け流すしかないんだろうな。


自分が頑張ることで何かを得ようなんて、そもそもそれがおこがましかったのかもしれない。
神々が何かをくださるときは、「頑張ったから」とかそんな理由はいらないのだ。
「やりたかったら、やる」「やりたくなかったら、下々が何をどうしようが、やらない」
神々の意思ひとつで決まるのだ。


おまえたちの努力は、それはひとつのショーのように我々を楽しませるだけのもので、努力したから必ず相応の報いがあるとは限らない。(もちろん我々を楽しませるために必死の努力はしてもらうが。)


そういうご託宣なのかもしれないな。



わたしは頭では分かったつもりでいたけれど、やっぱりまだ身をもって分かってはいなかった。自分がそういう存在だということを。
もし採用されたら、忘れないようにしていかなきゃいけないな。






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