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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

ラストスパート① ワインとデリの日


わたしはワインも好きだ。


何年も前はワインにハマっていた。当時、まだ円が多少強くて、南米やアフリカからの輸入ワインがとても安かったからだ。買いやすい値段でなければ、わたしの生活力では「ハマる」ことはできない。
安いワインを休日一日かけてゆっくり飲むのは楽しかった。ずーっと海外ドラマなどを見ながら午前中から飲み続ける。1日でボトル2本が定番。しかしお酒の量はそれだけでしかないが、何かしら食べてしまうのだ。ワインは食べ物をよりおいしくする。そのためにどっしりした根雪のようなお肉が体につく。


2019年から少しずつクラフトビールに興味を持ち始め、ここ3年ほどはクラフトビールにハマっていた。集中してしまうので、ワインを飲むことは激減していたが、ビール仲間のケイさんがクラフトビールからワインにシフトしていったことで、ワインが好きだった頃を少し思い出した。
そして、2022年夏休み、ひとりで出かけた飲み散歩で『vivo daily stand 江古田』を見つける。グラスで何種類かのワインを楽しめるのがいい。かつて同じ職場で、今は職場を離れても友人と呼べる人になったと思う大毬さんと次に会うとき、大毬さんの好きなワインにしようとvivo daily stand各店舗を検討し、発券したのが小竹向原店だった。見た中では最も広々としており、エントランスが素敵だった。


「今度、ワインも行ってみましょうよ!」



ケイさんを誘ったが、遠いのでケイさんは二の足を踏んでいるような様子を見せた。まあ、いっか。いつものこと。
タカさんにも言ってみよう。タカさん、ワイン嫌いじゃなければ、一度行ってみませんか? タカさんは、「ワインは頭が痛くなるので、普段はそれほど飲まない」と言っていたが、「行ってもいい」とすぐ言ってくれた。行けないときは「行けない」、行けるときは「いいですよ」と言ってくれる人だ。


しかし、やはりあまり近くないので、「じゃ、この日に!」とまで話が進まずにいた。
だが、タカさんはこの地を去ることが決まってしまった。いなくなる前に一度体験しておきませんか?


話が決まって、コヤマさんも誘う。ここまで話が進むと、ケイさんは抵抗なくやって来る。もともと飲むのは好きなのだ。参加は好きだけど、そのために何かをするのは苦手(「できない」と言い張る)。行こうかと相談されるのも、どこに行くとか何をするとか決めるのも、誰かを誘うのも、お店の予約やメンバーへのお知らせなども、何かするのは苦手。苦手なことはしたくない。ケイさんは、この姿勢を仕事でも貫き通す。だからたまに、上の人たちから評価されないときがある。


お店に着くと、わたしはいつものようにお店の外観を撮る。
このエントランスがいい、小竹向原店。お店のスタッフさんたちの醸し出す雰囲気は、ヴィンテージな年頃にはクールすぎる一面もあり、江古田店や中野店のほうが居心地よく感じる。
けど、この立地はいい! この辺りは繁華街ではないので暗い。夜の中にお店が浮かび上がって綺麗。タカさんもお店の写真を撮る。ね、タカさん、言った通り、いい感じの入口でしょう?
そして、中へ。時間通りにコヤマさんもやって来る。わたしとタカさんとケイさんは職場から一緒にやって来たが、コヤマさんは出張の日だったので直接お店にやって来た。


メニューを見て検討している間に、タカさんは電話がかかってきて店の外に出て応えていた。
仕事終わらないのかな。お疲れさま。
――しかし、後日聞いたところによると、これは引っ越し業者の連絡だったそうだ。会社の規定で「3社から見積もりを取る」というのがあるのだそうだ。一番安かった提示が34万だという。「上司に相談してみます」と熱心に交渉してくれた業者で、その価格。
「この時期ですし、遠距離ですからねぇ」――そうなんだ。そういうものですか。


ワインのお店に来たのだから、ワインで乾杯。お疲れさまー!!


乾杯から、グラスワインをあれこれ飲む。写真を撮ると、赤は色の違いが分かりにくいな。
そして、いろいろな料理を注文。あれでしょ、これでしょ、それもでしょ。
タカさんがこの店に来ることは、もうこの先何年もない(という予想)。いろいろ食べて、ワインとの相性を楽しんでもらわなきゃ。
マヨソースがけの卵や、生ハム、ピクルス、肉のパテ、クリームリゾット、オーブン焼き、チーズ、鶏ハム、レバーペースト……
vivo daily standのデリはどれもおいしく、価格が手頃でありがたい。何人かいるとあれこれ食べられる。量少ないので、ひとりでもいくつかつまみながら飲めるから、近所にこの店があったらありがたい。


これだけ正社員が揃うと、異動の裏側の話などに花が咲き、わたしは半分以上聞き役、相づち程度になる。ワインが進むねぇ~。



最後にクラフトビールを飲んだ。タップマルシェが入っていて、小竹向原店はわたしが行ったときはいつも4種類用意されていた。
〈インドの青鬼〉にしておこう。いつものように。このビールはわたしの定番だから。


あと2ヶ月弱でお別れが来てしまうけど、タカさんとのつながりを保っていきたい。
9年前から飲み会で一緒になることがあったし、6年前からは頻繁に飲み会をする集りの構成要員同士だった。だけど、これからは努力しなければつながりは消えていくだろう。


行動していこう。なくしたくない絆は、なくさないように。
今回のさよならは関係性の終わりじゃない……

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