Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

身の処し方、あるいは偶像-アイドル-っていうもの(「Glee」のフィンとレイチェル)

世紀のカップルっていうと、わたしにとって一番新しいのは「Glee」のフィン役コリー・モンテースと、レイチェル役リア・ミシェルだ。
正直、イギリスの王子の素敵なお嬢さんとの順調な結婚・出産よりも「世紀の」カップルだ。わたしにとっては。
 
だって、あの大好きな「Glee」の!
最初はあまり好きなドラマじゃないと思ったのに、いつのまにかはまっていたあの「Glee」の!!
まさに少女マンガ、アメフト部のクオーターバック、フィン、彼に憧れるダサ子ウザ子レイチェル、ドラマの中で2人の進展や後退にはまっていたあの2人!!!
演じているコリーとリアが!!!!
 
いやー、もうファンにとっては、知りもしない人なのに「コリー」とか「リア」とか言っちゃうくらい大好きな相手ですよ。
 
アメフト部のクオーターバックといえば、いってみれば日本なら「野球部のキャプテン、ピッチャーで4番バッター」か「サッカー部のキャプテン、エースストライカーでスーパースター」以上ですよ。
ダサ子ウザ子としてバカにされてるのに、自分の才能に自信を持っていて、すぐ凹んだり落ち込んだり悲しんだりもするけど、けっこう勝気なレイチェルは、ちょっと日本にはいないかもしれないけど。だいたいこういうときはおとなしいか勝気かのどちらかになると思うけど、レイチェルはどっちの要素も持ってる。
 
ちょうどフィンとレイチェルの恋がどうなるかわくわく見ているときに、2人がつきあってるっていうんだもの。
 
Glee」では、Season45に出てきた彼らの後輩たちの中で、マーリー役とライダー役のカップルも生まれたけど、マーリーとライダーなんて!「世紀の」カップルとはいえない。
 
コリー・モンテース(フィン)とリア・ミシェル(レイチェル)は順調につきあってて、ファンが望むステキなカップルをしてくれてた。
それなのに、突然のコリー・モンテースの死。
 
ファンはショックだったし、悲しかった。だってそういうコメントやツイートをあちこちで見た。
わたしも驚いたし、大きな喪失感があった。今をときめいていた人が、いきなりそんな――
いわゆる「中年の危機」に陥っていたので、中年の危機症状が悪化した。
(中年の危機:年をとってきて、なんと自分も死ぬんだ、しかもそう遠くないんだ、と実感として気づいて、気持ちが落ち込む症状。頭ではもちろん分かっているけれど、中年になると身に染みるというわけ。正式名称だし、多くの人がなるらしい。)
 
コリーの急死で自分の心も被害を蒙っただけに、この後のリア・ミシェルの在り方というか、身の処し方というか、対応に感謝している。
ファンの気持ちや望みにかなうやり方だった。別に彼女がファンを気遣っていたわけではないにしても、満足のいくものだったのだ。
 
コリー・モンテースが亡くなったときヘロインとアルコールを摂取していたというけど、そういう組み合わせは何が起こるか分からないから、過剰摂取でなくても突発的に亡くなることがある。「同時に摂取していたから」ということで幕。
 
ヘロインて・・・・・・重いよね。断つのは大変だと思う。
ドラマでさんざんコカインを売り買いしたり、依存症の人が出てきたりする。
でもヘロインて、なかなかない。
コカインはハイになって、自分がスーパーな自分になったようになる上向き麻薬だそうだけど、ヘロインはぼんやりぼーっとなって、ふわふわと幸せな気分になると聞いたことがある。ちょうど時代劇の阿片みたいに。
ヘロインは精神に影響する麻薬だそうで、中断すると落ち着きがなくなり、体にも激痛が走り、痛みから逃れるためまた打つという悪循環に陥るらしい。
 
Glee」製作サイドもリアもコリーの依存症を隠さず、「依存を断とうと努力していた」という形にした。これもよかった。
隠そうとすると絶対に漏れる。そして悪評につながる。
 
最初から認めて、「努力していた」ということにし、実はこのときだって説得によってリハビリ施設に行った。
リアがディレクターのライアン・マーフィーに話し、ライアンも承知して、親しい出演者たち一人一人に「いかにコリーが大切か」「だからなんとか治療してほしい」とコリーを説得してもらった(という話)。
コリーも承知して、リハビリ施設へ。(アメリカドラマではよく出てくる。お金持ちやスター用のセキュリティのしっかりした快適な施設もある。)
そういえばSeason4の途中から、急に出演しなくなっていた。
 
それなのに―― と悲しむリアの心境が憶測で報道され、あんな好青年のフィンが実はヘロイン依存症だったなんてがっかりだから、わたしはこういう説を信じたかったし、悪評は採用しないことにした。
役柄としてのフィンと、演じているコリーはもちろん違うけど、頭では分かっていても若干いっしょくたなのだ。
 
リアは決して表に出てこなかった。わずかな公式声明などを除いては。
これもよかった。
本当に悲しんでいるのだろうと思えたし、世紀の恋人にはそうであってほしかった。勝手なファン心理だけどね。
どんなに泣いても、どんなに感動のセリフを語っても、やっぱりなんかきっと言われたろうし、自分も何かを思っちゃうかもしれないから、悲しみのあまり報道の前にも公の場にもほとんど姿を見せないというのは、なんかすごく自分の気持ちとピッタリした。
コリーの棺に寄り添って泣いている姿とかが遠目に写っている写真を見ると、嘆き悲しんでいるのが伝わってきて、なんていうか共感することによって自分も癒された。
https://www.youtube.com/watch?v=zx2ncqrCUJQ
https://www.youtube.com/watch?v=G_M5i2swiCA
 
Glee」のSeason5の撮影が始まって、初めてリアは少しずつ露出。
Twitterで撮影現場にいる写真が上がった。Finnというネックレス(撮影の小道具)の写真がUPされた。
放送されたフィンの追悼回でレイチェルが歌うシーンは、悲しかった。
必死で悲しみをこらえて演じている(歌っている)というのが伝わってくるシーンだった。実際のところ、それもまた演技な大女優なのか、本当の悲しみが抑えきれず画面にまで伝わってきたのかは――各自の推測というか、思いになるだろうけど。
https://www.youtube.com/watch?v=jKVsjqu3ckU
https://www.youtube.com/watch?v=DEaCDdTQvk4
 
親友のジョナサン・グロフとバケーション。楽しそうにしているリア。
ジョナサン・グロフは「Glee」ではジェシーとして出てくる。最初はレイチェルをたらしこみ、やがて逆に好きになってフィンに嫉妬させたりもする。
ジョナサンは「Glee」以前にリアとオフブロードウェイの舞台「春のめざめ」で共演している。その舞台で賞もとっている(確かトニー賞?)。ジョナサンとリアはそのときからの親友なのだ。
ジョナサンはコリーが亡くなったとき、ドラマ(ゲイの目線で描くサンフランシスコという人気ドラマで、レギュラー出演していた)の撮影中だったにも関わらず、リアの元に駆けつけている。
 
このジョナサン・グロフ、ゲイ。カミングアウト済。
いくら親友でも、コリーを失ってまだそれほど経っていないときに男性と2人で旅行って、いろいろ憶測されてしまう。
でもカミングアウト済のゲイなので、「親友同士」ということで、変な報道もされなかった。
 
リアは「コリーは私に元気に幸せにしていてほしいと願ってるはず」という信念のもと、精力的に仕事をするようになっていたけれど、それもまあ、良しだった。
そうかもね、とも思うし――元気で情熱的なリアをコリーが見守る、というイメージもあるカップルだったし。
彼女はとにかく精力的な人なんだよな、とも思うし――それに若いしね。
 
ティーンチョイスアワードで受賞したときは、コリーに捧げた。
https://www.youtube.com/watch?v=GFvB0HCLwQs
 
そしてミュージックアルバムを発売。
もともと「Glee」ではトップ歌姫として人気を博していたリア・ミシェル。待望のアルバムということで、制作中から前評判も大きかったし、まだ「Glee」は続いていたので、ファンは買うつもりで、そして買った。
 
わたしも買った。
 
Amazonのレビューなどには、「リア・ミシェルの情感豊かに歌い上げるスタイルには合わない。活かせていない」というものもあった。
Gleeのファンで、フィンが死んでしまったときはとても悲しかったので、私は感動しました」というのもあった。
 
もうまさに、そのとおり。
 
ああそうかもね、もっとブロードウェイ風の感情を歌う歌のほうが、彼女らしさが出るかもね。と、これも賛成。
 
でもそんなことどうでもいいの。曲を聴いたら、これはコリー(フィン)への思いを総まとめしたアルバムに思えたから。
「さあ、もう充分悲しんだ、もうそろそろ新しい扉を開かなきゃ」アメリカドラマ風にいうと「Move on」てことかな。
これはわたしたちの気持ちにまでピリオドを打ってくれた。「もういいよね。先に進んでいこうよ、ね」っていう。
 
いや、もちろん、恋人だったリアの悲しみと、そもそもコリー自身を知らないフィンファンのわたしたちでは、気持ちの落ち具合も比較にならないんだけど、勝手なファン心理としては、「ありがとう、リア」って感じだった。
 
だから「Gleeファンで、フィンが死んでしまったときはとても悲しかったから、感動した」という心の動きに、完全に賛成。
 
1曲目の「Cannonball」で、暗いところに閉じこもっていたけれど、もう恐れない、ドアを開けるわ、キャノンボール(弾丸、砲弾)のように、と幕を開けるアルバム。
https://www.youtube.com/watch?v=H-KhJmh074A
 
どう~~~~~考えても、コリーへの歌に思える「If you say so
コリーとリアの最後の電話で、コリーがリアに最後に行った言葉が「If you say so」だと伝えられている。リアはその言葉をタトゥーにしたというエピソードもある。
7日間というもの、あれこれ考え続けて、どうしてこうなったのかと思い続けて、・・・・・・というような歌詞なのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=l2DLr4MoTXU
 
それ以外にも、2人を思わせる曲はあって、ファンとしても区切りになった。
アルバム「Louder」のDeluxe Edition
https://www.youtube.com/watch?v=t6HMeytqOvA
 
それから「リアに新しい恋人出現!?」の噂。
そいつは以前エスコートボーイをしていたこともある! 下着姿のモデルだった! などの暴露報道。
 
リアは結局その人とつきあい始めたようだった。それについて「早すぎる」という声もあるようだった。(特に人の興味を惹かなければならないメディア系に。)
でももういいよね、若いんだし。ありがとね。――というのが、わたしの気持ちだった。
 
Glee」では、Season4から登場していたベッカ・トビン(意地悪チアリーダー、キティ役)の婚約者が亡くなったそうで、「コリー・モンテースの一周忌の前日に第二の悲劇」というような記事を見た。
ベッカ・トビンはさぞ力を落としているだろう、悲しいだろうと思う。でも知らない人なので、わたしの心まで動揺することはない。
 
自分の悲しみはどんな小さなものでも悲しい。わたしまで悲しませたコリー・モンテースの急死において、リア・ミシェルは(あくまでこちらの勝手な思いだが)あるべき姿で行動してくれた。おかげで癒された。
 
世紀のカップルの遺された側として、こうあってほしくないという道はとらなかった。
ありがとう、と思う。
本当に勝手な勝手な、「ただの一ファンのくせに」「実際には彼を知らないくせに」要求だけするような思いに、応えてくれてありがとう。と思う。
 
 
 
これについて、誰かに言いたかった。
もうずっと前の話で、今さらだけど、言えてすっきりした。
 
リア・ミシェルが出演している「スクリーム・クイーン」とかいうドラマ、放送するといいな。
第二アルバムの噂を読んだけど、早く出ないかな。




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