Bittersweet Maybe

ただの日記を予定しています。金曜更新のつもりでいます。それ以外の曜日に小さな日記を書くこともあります。

最初と最後だけ見た2時間ドラマ

わたしはスカパーをよく見る。
録画しておいて、あとでまとめて見る。

毎月、24日前後に次月の番組ガイドが届く。
それを見ながら、予定を立てる。

●新しく始まるシリーズ番組で、見たいものはあるか?
●単発の番組で、見たいものはあるか?
●予定表を下書きする
 ・今月までの予定表を参考に、引き続き録画するものをメモ
 ・来月のガイドを参考に、新しく録画するシリーズを書き込む
 ・来月のガイドを参考に、単発番組を書き込む
●予定表を清書する
 ・新しいシリーズ番組の開始日に違う色のペンで印をつけておく(予約忘れ防止用)
 ・単発番組は、違う色のペンで書きこむ(予約忘れ防止用)

この作業は結構時間がかかる。

だいたい退屈するので、スカパーを見ながらする。
ただし、いつも見ているアメリカドラマなどはダメだ。字幕を見ないとただのBGMだからだ。

よく見るのは、旅系のチャンネルの適当な番組、日本ドラマのチャンネルの2時間ドラマだ。
日本の普通のドラマはあまり見ない。続きが気になるものは避けないと、気になって困る。

5月の終わり、いつもなら追い詰められる前に終わらせておくのだが、他のことで手いっぱいで、次月の予定表作りがぎりぎりになってしまった。
「もういい加減やらなきゃ!」と開始。適当なチャンネルをつける。

あちこちを適当に見ていたけれど、どのチャンネルもCM時間帯に入ってしまったようなので、「天知茂」の名前の出ている番組に切り替える。
きっと明智くんシリーズだよな、と思いながら。

男3人、女1人が、巨大な窓のようなものの前に立っている。
「どうだ、すごいだろう」と金持ち風の男が女に自慢している。
なんでもスイッチ1つで、昼にもできるし夜にもできるのだそうだ。

そりゃ、すごいわ。

どう見ても窓の外の景色は後からはめこんだだけの映像。それを前に、ああだこうだと島の素晴らしさの説明をする。
映画用スクリーンみたいなものを前に、また説明と感嘆のシーン。・・・・・・役者の顔に映画投影のような影が映ってしまっている。

今のCG場面を見て、「あー、でもちょっと分かるかな、ここCGだよね」などと思ったりして、「まだ改善の余地があるんだなー」と言ったりするのが、どれほど贅沢なことかと気づく。
この頃から比べたら、ものすごい進歩なんだよな。
この頃って、自分はまだ生まれていなかったなんて世代じゃないんだよな。

一応、スカパー予定表作りの作業はしながら、耳だけが話を追っていて、ときどきチラリと映像を見る(ガイドから紙に目を移すときとか、ちょっとしたときに目に入る)。

見ると、説明している金持ち男は、伊東四朗だ。
変な義眼をつけている――

あれ? なんか義眼の話を、ずーっと前、何ヶ月か前の予定表作りのときにも見たな。

そのときは予定表ができあがったので、途中で見るのをやめた。
まだ最初の30分かそのくらいのことだったので、さっさと切って、そのままになった。

天知茂もまだ出る前だったので、これが明智探偵シリーズだとは知らなかった。知らないまま見て、知らないまま切った。

そのことをふと思い出しはしたが、あまり深く追求せずに、そのまま予定表作りを続けた。
そして最後のほうまで進んで、やっぱりあの話だったと思った。


前に見たときは、大金持ちの男と、貧乏な伊東四朗がそっくりで、大金持ちの男になりすますという計画。
大金持ちの男と同じにするために、伊東四朗は目をつぶす。奥さんがやたらと乗り気で、ぶっすり目をつぶしていたような漠然とした記憶。
墓場を掘り起こすだか、墓場から這い出るだか、不気味な場面があったはず。

そこで前回は終わり。

そして今回は――

どうやら金持ち男と無事に入れ替わって、あれこれいろいろあったらしい伊東四朗。
それから彼を操ろうとしているのか、結託しているのか、「教祖」。教祖は金持ち男の時代から、金持ち男に取り入っていた奴。

いつのまにか「パノラマ島」という夢の島を作ったらしく、そこに金持ち男の妻、叶和貴子が連れてこられて、「どうだ、素晴らしいだろう」と自慢されているところだったようだ。
昼夜がスイッチひとつで切り替えられるだけでなく、さまざまな鳥も集められていて、アフリカのドキュメンタリーを見ているかのような世界。
地底にバナナの木を植えているとか説明があったけど、島全体が地底にあるのか、島の地下なのか、不明。

驚いたのは、エロスの園だか、エロスの楽園だかで、乳房をあらわにした女性たちが、薄布の衣装で彫像よろしくポーズをとっていたり、バレエみたいな踊りを踊っていたりする(ダンサーたちの衣装はアラビア風で、ダンサーの乳房は衣裳の中)。
驚いたのは乳房があらわな女性が10人くらいはいたことではなく、そこに意中の女を連れてきて、「素晴らしいだろう、夢の園だ」と言い、「お前たちの女王がやってきたぞ!」と紹介していたことだ。
嬉しいか? こんな夫とその連れの教祖専用のハーレムみたいなところ?
せめて、叶和貴子のための美しい引き締まった若い男性が2人でも3人でもいて、彼女にはその男たちがワインを捧げ持つ、とかいうなら分かるけど。

乳房もあらわな女性が、金持ち男に酒を注いだりしているときに、叶和貴子はオルガンか何かを弾いている。
そりゃ、そうだ、することないわなー。

結局、金持ち男と教祖と一緒に来ていた運転手が、明智探偵の変装した姿であったことが判明し、明智探偵と叶和貴子は拷問部屋みたいな岩屋に連れていかれる。
とがった鍾乳洞みたいなつららに突き刺されて死んでいる女たちや、マグマみたいなものがたぎる炎熱地獄、濃硫酸の池みたいなものがある。

明智探偵は濃硫酸の池に落とされてしまう。(しかし、先に潜入していた助手によって、水とドライアイスに変えられていると知っていたのでそこに逃げただけで、後からまた登場する。)

叶和貴子をめぐって内輪もめした、金持ち男に扮した貧乏人の伊東四朗と、教祖。
教祖は伊東四朗を襲おうとして、自らつららに落ちて死ぬ。
伊東四朗は、金持ち男がかつて飼っていたカラスに、残った目をつつかれ、叶和貴子に「こっちよ」と誤誘導され、マグマの中に落ちていく。

またしても驚いたのは、叶和貴子がさきほどのエロスの園に戻り、一人、岩風呂につかること。
なんと叶和貴子まで乳房を見せ、カメラはなぜか湯の中を彼女の乳房に近づき、バストトップをアップにする。

たとえ妙齢の女性であっても、誰もが美しい理想的な形の胸をしているわけではない。
この話にしても、よく昔あった「温泉なんとかシリーズ」でも、エキストラの胸出し女性たちは、必ずしも美しい形状の胸ではなかった。そこが個性で、リアルでよかったのだと思う。
完璧なセクシーバストだったら、それこそエロスな作品になってしまうように思う。

つまり言いたいのは、叶和貴子のような主役級女優だって、必ずしも美しい胸とは限らないってことだ。
それなのに、10人前後の女性たちの胸が鑑賞された後で、「女王」として脱がなければならない。
もし胸の形が悪い女優だったら、「ちょっとこのシーンは」って断りたいだろうな。

叶和貴子の胸は美しかった。バストトップも美しかった。
威厳は保たれた。

最後は、死んだと思った明智探偵が、「生き返った伊東四朗」に扮して登場し、叶和貴子の犯罪を暴く。

「わたくしと**の間に、愛はありませんでした」と回想する叶和貴子。
金持ちの暮らしに憧れて結婚したものの、夫はケチで、まったくお金を自由にさせてくれなかった。その上、自分を所有物のように扱い、人間とみてくれなかった。
一番ひどいのは、結婚するまで子供を持てない体だということを秘密にしていたことだ。そして養子を迎えて、養子に全財産を継がせることにするという。

だからこのような犯行に及んだ(夫の義眼を洗う役目を利用して、(本物の)夫を殺した)。
ほかにも女性を殺しているらしい。最後に貧乏人で、入れ替わっていた伊東四朗も殺した。

なにしろ恨みがあるので、こもだ家の財産がこのパノラマ島に浪費されているのを見て、小気味よい思いをしていたそうだ。

風呂から上がって、薄いシフォンみたいな布をちょっと巻いて、妖精の衣装風だった叶和貴子に、荒井注警部が「服を着てください、行きましょう」と連行することを告げる。
しかし叶和貴子は、「わたくしはこのパノラマ島の女王です。女王にふさわしい死を遂げますわ」と言い、銀色の円筒形の中に入る。
夜空に連発花火が上がる。
そして最後に、円筒形の筒から白い衣装の人間がポーンと夜空に飛び出していき、赤一色の花火が上がる。
空からは、どろどろした血が落ちてきて、白いシフォンの切れ端がいくつも、はらはらと舞い落ちる。

そしてエンドロールになるのだった。



・・・・・・そうか、こういう話だったのか。


何ヶ月ごしかで、最初と最後を見て、結末がついた。






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