この人、もうちょっと描き方があったろうに、と思うキャラクター、忘れられないのはマーリー。
「Glee」Season3で卒業したオリジナルメンバーたちのあと登場した後輩たち。レイチェルが占めていた歌姫の座についたマーリー。
 
マーリーはかわいすぎる。
欠点がなさすぎる。
だからドラマが盛り上がらない。
 
レイチェルは正当派美人という感じではないし、性格に問題ありという設定だった。自分中心なことをしてみんなから嫌われることもあったし、言動がうざくて鼻つまみ者でもあった。本人自信満々だけど、ダサい子としてバカにされ、いじめられてた。ジュースかけられまくるし、チアリーダーたちからはばい菌扱い。
 
マーリーの欠点って、何？
１．おかあさんが超巨大ファットウーマン。
２．それであろうことか自分の学校の「給食のおばさん」として働いてる。
 
まあ、それを知られたらいじめられると思う。だから隠したいと思う。
でもお母さんと仲はいいし、お母さん自ら「秘密にしておけ」と理解あるし、マーリーが太ってるわけじゃないじゃん。
 
３．裕福でないから有名店の服が買えなくて、自分で縫ってる。
 
「ゴシップガール」の、夫が「貧乏人の妹」と呼ぶジェニーもやってたよ。
すごいことじゃん。腕とセンスがあるってことなんだから。
（ジェニー役だったがロックをやっていて、黒い縁取り目のメイクがすごすぎて、でもそこは絶対譲れないと「GG」を降板したテイラー・モムセン、今ではすっかりテイラー・モンセンと書かれていて、彼女のロックバンドはかなりメジャーになりプリテンダーズ以来の偉業を成し遂げたとか。ラジオチャートに２曲登場した女性ヴォーカルは初めてなんだと。）
（彼女のバンド、プリティレックレスの曲は好きでYouTubeでよく聞いてたけど、久しぶりに検索したらアルバムもAmazonでもいくつも出ていて、日本語のものもあるらしい。すごいなー、ビッグになったんだなぁ。）
 
マーリーに戻ろう。
 
４．強いて言うなら、拒食症気味？　というか強迫観念気味？
 
母親が超巨大ファットウーマンなので、自分もそうなるのではという恐怖があり、意地悪キティの口車にやすやすと乗って拒食症気味になってしまう。
 
んー、でもまだ弱いよなぁ。
「可哀想に」「キティ、ひどい」ということではあっても、マーリーの欠点て感じではない。欠点っていうより「弱さ」かな。
 
こんなに欠点のないキャラクターでは、あの濃かったオリジナルメンバーたちからしたら物足りなくても仕方ない。
 
 
さらにマーリー、まったく間違ったことをしない。
いつもその行動は正義と倫理に沿っており、非難のしようがない。
これじゃ面白くない。
 
人をいじめもしないし、陥れもしない。
ねたんだり、人の才能にライバル心や追い落とされる恐怖を感じて不正をしたりもしない。いつもだいたい可愛らしい笑顔、可愛らしいしょんぼり顔。
これじゃ、たいした意地悪をしていなくても、キティのほうに注目が集まるのは当然だ。
 
キティの意地悪で拒食症になり、本番中にマーリーが倒れたため敗退してしまった大会。
もう一度頑張ろうと声をかけるフィンのもとに集まったのは、マーリーだけだった。
そのあと確かみんなやってきたと思うけど、これほどまでに正当な行動をとるマーリー、もう可愛く感じるより「あんたのせいで負けたんじゃん」という気持ちになった。
「いくらキティにだまされて、太りかけてると思わされたからって、普通気づくよ。あんたがバカなだけじゃん」と思えてしまう。
 
 
「Glee」はSeason3で多くのメンバーが卒業を迎え、それに伴ってスピンオフが作られると噂されてた。
でも結局、同じ「Glee」内でニューヨーク組とマッキンリーハイと、両方を描くことになった。
 
これでは時間が足りなくて、消化不良になるのは目に見えている。
マーリーのキャラクター造型が今ひとつ薄っぺらいのは仕方がない。
新キャラたち全員、薄っぺらいからね。
 
 
 
しかしわたしは、もうひとつ、歌の歌い方というのもあると思うのだ。
 
オリジナルメンバーたちは、基本的にアクター、アクトレス。
ついでに歌もうまい。
だからメインに据えるつもりだったシュー先生やレイチェル役はブロードウェイから来てる。
 
新キャラたちも同じではあるんだけれど、レイチェルとマーリーには歌い方に違いがあって、どうしても比べてしまう。
 
レイチェルはブロードウェイ女優。情感たっぷり、歌い上げるタイプ。
コメディっぽく歌うときも、大げさなくらいコメディ。（アーティがクリスマスフィルムを撮ったときとかね。）
 
マーリーは歌がとてもうまいのだが、ポップ歌手のようなうまさ。
歌い出すといきなりうまい。
 
レイチェルの場合、その前までのストーリーと歌が続いているのだ。
これこそミュージカルのいいところじゃない？
そこまでにストーリー展開で盛り上げられている視聴者の気持ち。感情がたかまったところに、歌。
同じ歌でも、CDアルバムで聴くのとドラマ内で聴くのとでは、かきたてられる感情の量が違う。
 
で、いったんかきたてられたら、もうそれからは次に聴くときも感情の記憶があるので、歌手ご当人が歌う歌よりもよく聞こえる。
 
選曲は実にうまくて、歌部分でも演技をする必要はないくらいに、ぴたりとはまる。
さすがはライアン・マーフィー。
普通に歌っていれば視聴者は狙いどおりエモーショナルになる寸法だ。
 
ただ、マーリーは、レイチェルとの違いを出すためか、ちょっとアルトな声だった。レイチェルは高めの声だ。
アルトな声で、歌がうまくて、堂々と歌っていたら、ものすごく堂々と聞こえてしまう。
 
うますぎる。
ストーリーと曲が乖離してしまって、なんだか歌だけが浮いてしまうというか。
それまで自信なさげな表情をしていたマーリーが、一瞬後には急に威風堂々と歌っているように見えるのだ。
 
マーリーは楽しそうに歌を歌う。それが好きという意見も見た。
でもたぶん、いじめられっ子たちの集まり「Glee」では、楽しそうに歌うよりエモーショナルに歌うほうが合っていたのかもしれない。
 
マーリーは不利だ。レイチェルと常に比べられるから。
でもあれだけのうまさがあったので、比べられてもそれはむしろいいことだったかもしれない。マーリーのほうが上となることも考えられるから。
 
まあ、でもとにかく、なんか、うまくいかなかったんだな。

マーリー役のメリッサ・ブノワは、「スーパーガール」の主演を射止めたそうだ。（ニュースサイトでは「スーパーウーマン」て書いてあった気がするけど。）

 

「ヴァンパイア・ダイアリーズ」のオリジナルズの一人、名前忘れたけど、女性は一人しかいないから、とにかくその人。

それを演じていた女優もオーディションを受けたのだとか。

 

スーパーマン顔ってあると思う。つまり、なれない人もいる。正統派なアメリカンという感じの人でないとなれない。

スーパーウーマンにもいえると思う。「ヴァンパイア・ダイアリーズ」の人は正統派っていう感じの顔立ちではなかったから、マーリーのほうが合ってると個人的に賛成。

 

１月の番組表を見たら、AXN系で第１話を放送すると分かった。視聴者投票をするのだとか。（３つの候補番組のうち、獲得票が多かった番組が、先行放送の後で本放送される。･･････ちょっとよく分からないのだが、２番組は単に本放送するだけってこと？ それとも放送もしないの？ そんなことないでしょ。どういうことかな。）