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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

会議での発言権(シリーズ:仕事)

全体会議というのがある。

これはものすごく壮大な会議で、組織の半分以上が集まる。
この組織の半分以上を占める運営セクション、その全体会議だからだ。

正社員的スタッフだけでやればいいのじゃないかな、と思うが、契約社員的スタッフも出席するらしい。
人数が多いため、大講堂で行われる。

この会議については、契約社員的スタッフになる前に聞いたことがある。
ある部署の契約社員的スタッフさんに関しての噂話。
「会議でもさ、あの人はすごいよ。自分の言いたいことを、××さんに言わせるんだよ。あの人は契約社員的スタッフだから、発言はできないからね。だから××さんに言わせるんだよ。言いたいこと全部言わせてますよ」

わたしにとっては、ただの「へぇ~」という笑い話。
同時に「契約社員的スタッフは発言権ないんだ」と知る。
もちろん、「ない」と決まっているわけではない。そのくらい分かるほどには、わたしもこの組織に長くいた。暗黙の階級の壁で、正規雇用の人しか発言できないんだな、と察した。

なので、全体会議に行ったとき、とにかく時間が来るまでじっと座ってればいいんだな、と思っていた。
行ってみたら、「しかも自分に関係ある話、ないじゃん」と思った。
関係があるということだけ、正社員スタッフがあとから教えてくれれば済む話。




ところで、この会議、今年からやり方を変えたのだった。
「下からの意見を出しにくい」という声が上がり(組合みたいなものから? よく分からないが)、議事進行も各セクション持ち回りにし、活発に議論ができるようにした。
――どうして議事進行を各セクションが持ち回りでやると、活発な議論になるのかは意味不明だったが。

第1回目の全体会議、仮にセクションAが議事進行役だったとする。
セクションAの正社員的スタッフが数人、前のほうのテーブルに座って、議事進行をした。

活発な議論をということで改革されたこの全体会議、若そうな人たちが議事進行係として善戦した。(つもりだった。)

「このことについて、セクション長から」――で、セクション長が幹部会議でこう決まった、と報告する。
「次の議題について、セクション長第一補佐から」――で、セクション長第一補佐がなんだか会議でこう決まった、と報告する。
「次の議題について、セクション長から」――で、またセクション長がなんだかでこう決まった、と報告する。
「次の議題について、セクション長から」――セクション長が報告。
「次の議題について、セクション長第二補佐から」――セクション長第二補佐が報告。

活発な議論をするはずだったので、議事進行役は活発な意見を募る。
しかし、質問ならまだしも、『意見』となると、発言した人は叩きのめされる。

ある議題については、これは現場で行わなければならないことで、それもすぐさま行わなければならないことなのだが、不明点や「その方法、ダメじゃん?」というやり方について、多少活発な意見が出された。
誰かの発言に、誰かが「じゃあ、こうしたらどうですか」と言ったりして、3,4人が発言した。

が、セクション長が、最後に立ち上がって、非常にとげとげしい口調で、「皆さん、勝手にいろいろ決めているみたいだけど、それってここで決めていいのかな? 今はね、こう決まりましたって報告してるだけだからね。皆さんに決める権限があるんですかね?」
議事進行係が「どうしたらいいですか?」というようなことを聞き、セクション長は「決める権限があるのは、××委員会でしょ。ならそれぞれの部署で意見をまとめて、それを次の××委員会にかけるしかないでしょ」と言う。

実施は1週間後。次の××委員会は1ヶ月後。どうすんだろ?
実施しないってこともここでは決められないんだよね?

何より、これって報告のための会議だったのかー!
じゃあ、活発な意見も何もないじゃん。
全部が、「我々幹部は決まったことを報告しているだけだから、あれこれ提案されても何も答えられない。また、ここで何かを決めても意味はない」というわけでしょ?

これまでの「活発な意見交換」のための努力って、全部無駄なんじゃん。

その後も、若手の正社員的スタッフから提案事項があり、それをよってたかってけちょんけちょんにし、会議は終わった。




次の会議は、セクションBが議事進行をし、進行係には変人で通っている人が選ばれていて、「質問はありますか」にも誰も何も言わず、ただ報告を聞いて終わった。

しかし実は、幹部たちには若手に成長してほしかったのだ、という説もある。
本来、勝手にその場で発言したり提案したりするのではなく、自分の上司や各セクション長補佐に事前に相談し、「こういうことを提案したいのですが、どうでしょうか」と伺いを立てたり、根回しをしたりするという、社会人として必要な技能を身に着けてほしかったのだとか。

なるほど。
そういうことになると、大企業の正社員歴のないわたしには分からない世界だな。
時間の無駄のように感じられても、必要なことなのかもね。



でも、正社員的スタッフだけでやったらどうかな。
にぎやかしにつきあわされるのが、非正規雇用の役目ってことか――



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