最後の週末
ゴールデンウィーク最後の週末は、Iと共に温泉へ。
Iはもともとお風呂好きだったので、温泉ももとからこだわりがあるのかと思ったら、そうでもないことが分かった。
泉質とか効能にこだわり始めたきっかけは、ある温泉。
自分の患部に効いたような気がしたかららしかった。
それまでは、温泉というのは観光の付録のようなものだったようだ。
今年の春には、いつになくIと旅行に行った。
Iがわたしと一緒に過ごす時間が多いというのは、あまりよろしくない状態の最中か、その前後ということだ。
心も元気で、体もつらくなければ、友達との約束に忙しい社交的な性格だからだ。
前回は、テープ貼っている部分が傷痕のようになってきたのが、治ったように思ったという。傷痕に効くという効能があると書かれていたので、プラシーボ効果もあるかもしれないが。(群馬県四万温泉)
今回は、薬の副作用がかなり強く出ていて、爪が全部はがれかけて二重爪のようになっているので、お肌しっとり、化粧水か美容液に浸かっているようなお湯だというところで、状態が良くなるかもしれないという期待。(静岡県観音温泉)
爪はともかく、確かにトロトロのお湯だった。
(旅行カウンターのお姉さんは、自分も行ったことがあると言って、「トゥルットゥルのお湯でした」と絶賛していた。)
もちろん部屋に露天風呂付き。たとえ料金が上がっても、これは必須。
なんと、これまで「お部屋のお風呂より大浴場のほうが濃い気がする」と言っていたIが、ここでは大浴場も部屋も同じだと認めていた。
わたしもそう思った。
源泉かけ流しで、部屋のお風呂も源泉。
熱ければ、水を入れるわけだが――前回の宿ではIは「でももったいなくて水を入れられないよ、薄まっちゃうわけでしょ」と言っていた。
それがなんと、この宿では冷ました源泉を用意していて、蛇口から出てくる水とはこの冷ました源泉なのだそうだ。
なんと!
これはIだけでなく、風呂好きの夫も感動。
結局、温度はちょうどよくて、使う必要はなかった。
でも使うことになったとしても安心だという気持ちでいられた。
最初は天気予報があまりよくなくてガッカリしていたのだが、だんだん近づくにつれ良い予報になり、晴れた。
ただ――晴れるとなると、わたしは日光過敏症が気になる。
この温泉のお宿は、お部屋の露天風呂も大きな露天風呂も、見事に日射しが入る。
それでも朝も入りたくて入ったのだけれど、当たったところがかゆくなっている。
でもって、行きに乗った伊豆急の特急踊り子号は、座席の間隔がすごく狭かった。古い車両なんだね、と思った。
帰りは、スーパービュー踊り子号に乗った。ものすごく広い窓で、なるほどこれがスーパーなビューというわけか、と納得。
しかしこれまた、日射しがそのままダイレクトに入るし、あちらからもこちらからも日射しが――
当たった頭がかゆいのである。