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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

2024.04.30|缶で飲んで、生で飲んで


新緑の季節だ。雨上がりの新緑の景色は瑞々しくて美しい。

 

前半のお休みと後半のお休みの間に平日が続くゴールデンウィーク。

仕事から帰って何か一杯飲もうと、乗換駅でビール売り場を覗く。めぼしいビール売り場は駅の左側と右側にある感じで、どちらも覗こうとするとちょっと面倒だし時間がかかる。でも、まぁ、行ってみよう。

 

まず立ち寄った店では、『エチゴビール』〈シトラストラタ〉を発見。これは初めて見るビール。買おう。

家飲みに何か、もう1本追加したい。いつも間違いのないおいしさ、好みの〈Yellow Sky〉『Y.Market Brewing』を選んだ。お値段もお手頃で普段飲みにも買いやすい逸品なんだよね。

 

それから反対側に行ってみたら、『COEDO』〈Like Lightning〉の缶を発見。

『ビール工房跡地』で生を飲んで、香りがすごくよくて目を(みは)ったビール。缶で出ているのかぁ。

缶のパッケージを写真に収めたくて、手に取ってレジへ。

 

家に帰り、期待の〈Like Lightning〉を開ける。

グラスに注いで飲んだが、「あれ? こんな感じだったっけ?」と小さく目を瞠る。普通においしいけど、もっと感動があったように思うんだけどな――

 

〈シトラストラタ〉も普通に飲んだ。「シトラス」という単語がついているので、すごくシトラスなのかと勝手に期待していたが、そういうことでもなかった。

わたしは柑橘好きで、フルーツビールも好きなので、期待が大きすぎたのだろう。「ものすごくシトラス!」って感じなのかも、と電車で帰る途中も空想を駆け巡らせていた。

勝手な勘違いを除けば、さすが老舗の『エチゴビール』、手軽な値段で手軽に買えるビールとしてよかった。

 

よく見かけるし、いつでも置いている店もあるので買いやすい〈Yellow Sky〉を最後にした。どういう味か知っていて、ちょっといい気分になりたいときに気軽に手に取れるビール。

『ヤッホーブルーイング』の〈インドの青鬼〉〈よなよなエール〉〈東京ブラック〉、『COEDO』の〈伽羅〉〈毬花〉、それらわたしのデイリークラフトビールよりは倍以上の値段になるので、デイリーとしては登場頻度が少ない。「今日はビール飲んじゃおうかな」と大手ビールメーカーのビールを手にとる感覚で買える価格・シェアではないので、ちょい上のデイリービール。

 

この家飲みの翌日、『ビール工房跡地』を通ったら、まだ〈Like
Lightning〉があったので、ビールを注文してカウンターに座った。

生でもう一度飲んでみたいと思ったのだ。

 

やはり生の方が香りがよいと思ったが、脳が混乱してよく分からなくなった。前に「おいしい!!」と思ったあの感覚は、その日だけのものだったのだろうか。

初めて飲んだとき、爽やかな香りがふわーっと入ってきて、「あぁ、いいなぁ」と思い、最後まで「おいしいビールを飲んでいる」ということに酔っていた。

そういう陶酔感が1杯の3分の2くらいは続いて、脳を支配するのかもしれない。ワインのテイスティングのような厳正なものにならないのだろう(飲まずに吐き出したりしないしね)。

わたしはワインのテイスティングはできないだろう。いつもわたしのRatingはすべてが混ざり合っている。味、香り、飲みながら食べているもの、酔い心地、その場の雰囲気、一緒に飲んでいる人、会話、その日の自分の気持ちや体調、ひとり家飲みでもどういう飲み方をしているか、飲みながら見たドラマや映画、気分……

 

後日、いつもの酒屋のお兄さんに話したら、「生の方がおいしいということはあるかもしれないですね」「同じもののはずですけど、生は状態を保って店に納品されることが多いですが、缶は配送時や販売店での保管などの状態が分からないんで」と教えてくれた。

 

わたしは自分の生活や人生と結びついた飲み方しかできない。このビールがどういうホップの香りで、どういうフレーバーを持っていて、どういうテイストか説明できない。たぶん、している説明はわたしの感想でしかなく、評価ではない。事実でもない。

アマチュアのままなんだね。ただの飲む人。ま、いっか。

連休後半は自分の思い通りに過ごせるかな。ごちそうさまでした。

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