一連の必要なこと(シリーズ:翌4月からの仕事)
●連絡
待ちぼうけを食わされ、一日がかりでやっとのことでハローワークから応募にこぎつける。
「今日か明日中には面接日などについて連絡があるそうです」とハローワークの窓口係さん。
当日は連絡がなく、まさかこれも待ちぼうけでは?
翌日も朝から、「明日は出かける予定だけれど、今日連絡がなかったらどうしたらいいだろう? 出かけるのをキャンセルしてひたすら待つべきだろうか?」と考えたりする。
しかし午後になって連絡がある。
そりゃそうだ、この連絡は総務人事のような人がするわけで、機械的にやらなければならないだろう。
これについては、第二部長補佐だって、総務人事の人に気を遣ってちゃんとやるだろう。
でも、そりゃそうだと思いつつ、やっぱり不安になる。
●面接までの日々
連絡があって、「**日の午後」ということで面接の日取りが決まった。
ちょうど1週間後。
その1週間の間、仕事は入っていなかった。
絶対、無駄に時を過ごすに決まってる。
面接があると思うと落ち着かないし、「面接が終わるまでは」と思って、建設的なことは何もできないだろう。
面接では試験のようなこともする。パソコン操作の試験では、たぶん検定試験のソフトが入っているから模擬でもするのではないかと推理できる。
そういう勉強もしなくてはならないと思ったり、志望動機や面接で質問されそうなことを整理しておかなくてはと思ったり、作文があるかもしれないから対策を練っておかなくてはと思ったり、それで終始するに違いない。
――気持ちはそれで終始するだろうけれど、実際に万全の準備ができるかどうかはまた別だ。
きっとできなくて自己嫌悪に陥るに違いない。
生きてきた年月も長くなってきたので、自分がどういう人間か分かっている。
対策として――(面接の対策ではなく、自分の気持ちの安定対策として)
まずPC操作試験について。「どうせ充分な準備はできない。ひととおりざっとやればいい。」と最初からあきらめることにした。理由も見つけたので「仕方ない」と思える。理由は「参考書は高すぎる」。
たぶん検定の模擬試験などが使われるだろう、面接官側が楽だから。予想として1級は使われないと思う。2級か3級。科目はWordかExcel、虚を突いてPowerPointということも考えられるかも。
公式のテキストは3000円だった。3つの科目で3級と2級を買ったら、18000円にもなってしまう。プラス、共通知識問題3級+2級で2400円。20400円だ。
・・・・・・大原則を思い出してみると。
職場Aにおいて、階級は実に厳然たるものだ。正社員的ポストの人たちで、長年勤めあげて地位を築いた人たちなど、神である。
神は自由なのだ。縛られない。公平である必要さえない。
わたしがせっせと参考書に投資して付録の練習問題を解いて100点をとっても、不採用になるときはなる。神だけが知る理由によって決まっても誰も文句は言えないのだ。
たとえば、問題のある正社員的スタッフがいて、「あの人を立ててうまくやってくれそうな人をとりたい」と思っているかも。問題のある正社員的スタッフは引き受け手がなくなかなか異動しないので、まだあと何年もいることになる。下からの不満がたまるのは厄介だ。
またはたとえば、全体の体制ややり方を変えたいと思っているが、それには今いる人たちが邪魔だ。だから「フレッシュな外部の人を入れて、そこをアリの一穴として崩していきたい」と考えるかも。(旧体質な職場の場合、一度できあがった体制を崩すのは大変なことなのだ。)
実際、これらが理由で採用されたという例もあるという噂。
何もしないで臨むわけにはいかないので、「ベストを尽くしまくる!」と自分を追い詰めはしなかったが、少しはやっておくことにした。
それから履歴書と職務経歴書は、あまりぎりぎりにならないようにした。「あれだけは絶対やらなきゃ」と思い続けていると、気持ちが不安定になるからだ。
志望動機や作文で問われそうなことについては、少し考えておいた。
でも事細かに考えるのは――どうかな。
結局緊張して言えなかったりするし、一言半句覚え込んでいくより、ある程度まとめておいてその場に任せたほうが良さそうな気がする。
思っていなかった質問があったとき、あたふたしそうだし。
予期していた質問も、答えを覚え込んでおこうとするとぎくしゃくして、後から「こう答えるはずだったのに」と後悔することがありそう。
もう一度思い出すが、相手は神である。
しかもこの神たちは、既にわたしのことを知っていて、わたしについて判断を下しているはず。「あの人はああいう人」「こういうところがある人」「向いてる」「向いてない」
そして他の人についても――「あの人はいいわね」「あの人はダメね」
完璧に丸暗記できて、すらすらと答えられても、不採用になるときはなる。
緊張しすぎて、言ってはいけない単語をポロッと口にすることを避けるほうがいいのではないか。
わたしのことを知らない神も面接官として入っているから、きちんとしなければならないとは言われていたが、気にしすぎると緊張でぎくしゃくするに決まってる。
ほどよいバランスを保つために、わたしはこの1週間の空白期間の間に、2回ほど山歩きに行くことにした。
山に行くと、登ったり下りたりするのがきついから、当座そのことに意識が集中する。
普段生活している世界と違う場所に身をおくことで、相当なリフレッシュになる。
まあ、下山して駅が見えてくると現実に戻ってしまうのだけれど、一度リセットされるのって、効果があるのだ。
コンサートとかに行くのも同じことじゃないかと想像する。行っている間は、その世界に入り込んでリセットされる。どうせ翌朝からはまた日常が始まるのだけれど、ずーっと日常が続くより、わずかの時間でもリセットされると心がリフレッシュする。
山はコンサートよりは忘我の境地じゃないけれど、それなりに日頃を忘れられるものなのだ。
1.山歩きに行く日
2.翌日は疲れをとるためゆっくりする日(まだ余韻が残っている)
3で完全に日常に戻る。(まあ、山の日の翌日はもう仕事に行く、というなら、2の余韻はないも同然だが。)
1週間のうち、2回リセットがあり、その翌日×2が余韻を感じながらリラックスする日であるなら、精神的にずいぶん落ち着く。
しかしこの計画は無残に砕けた。
天気が悪かったからだ。天気が悪いと山歩きはできない。雨なんか降ったら危険だし。
契約社員的スタッフになれるかどうか?
なったらずーっと週5で、土日しか休めないというのが続くんだなぁ。仕事上の自由もなく、下働き。自分の意志で「こうしていきましょう!」と決めたり、提案したりすることもなく。人間関係もうざいだろうなぁ。やっていけるかな。
そんなことを心配していて、結局不採用だったら、それはそれで困るな。もうこの時期になってから4月からの仕事を探し直すなんて。
うだうだと繰り言を繰り返す日々になってしまって、さんざんだった。
●面接
面接終了。
もう自分の頑張りでできることはないので、あとは何もせずに日を過ごすだけ。
なんかいろいろと、実際に面接に行くと「めんどくさそー」ってことも多いから、不採用でもいいやという気になれる。だからしばらくは平穏に過ごせるだろう。
それで本当に不採用になったら、これから先どうするんだとあわてるんだろうけどさ。