Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

土曜の女子会:大衆居酒屋で締め

ティータイムの後、駅へ。
今日はお疲れさま。ありがとう。と閉会し、ここからだと全員電車を使うはずなのだが、わたしは改札前でお見送り姿勢。「わたし、さっき話に出た伝説の居酒屋に行ってひとり飲みするね」


女子の中には、こういう和を乱す者がいると困ってしまう人もいるが、大海(おおみ)さんは気にしすぎない素晴らしい個性を持っている。周囲の気持ちに敏感で、ちょっとした心遣いをしたりするが、気持ちを読みすぎて気に病むことがない人だ。少なくとも、そんなふうに見える。もしかしたら、読みすぎてもスルーしているのかもしれない。そうだとしたら、なおのことすごい人だ。


「ああ、あそこで? ひとり飲みするの?」
「うん」
「では、私も1杯だけおつきあいします」と大毬さん。
「分かりました、1杯だけですね」とわたしは言いながら、では自分は2杯かな、と心の中で計算する。
「行っといでー。またね!」と大海さんは帰っていった。今日は頭痛がして薬飲んだって、ピザランチのとき言っていたしね。お疲れさま!



わたしと大毬さんは、少し歩いて大衆居酒屋『百味』に行き、お店の中に入った。
地下への入口を入った途端、たくさんの人の話し声ががやがやとわたしたちを取り囲む。ここの空気には大勢の人の話し声が混ざり込んでいる。BGMなんてレベルじゃなく、空気の一要素なのだ。
その中で意味が分かるほど目立つのは、店員さんが注文を取る声であったり、店員さん同士が連携しあう声であったり。
いやー、休日とはいえ、こんな夕方も早い時間からすごい人だ。カウンター席にわずかな空席があるだけだったので、カウンターの端に座らせてもらう。


では、1杯だけ。
「1杯だけ」の1杯に、大毬さんは〈一番搾り〉を選んでいた。見ると、生ビールが2種類あるので、わたしはもうひとつの方にしようと思った。〈スーパードライ〉を注文して、乾杯。ジョッキがそれぞれのビールメーカーのものだったので、なんか面白い。



大毬さんはお腹いっぱいだったと思うけど、「私はつまみがないと飲めないんですよ」と前から言っている人だ。きゅうりを注文していた。
わたしはついついもつ煮を注文してしまって、「私は食べられませんので、さやさんどうぞ」と言われることに。お肉苦手って言ってましたっけ? それとも内臓が苦手? またはもつ煮が苦手?? 前に聞いたことがあるかもしれないので、聞くのはやめにした。「あー、ごめんなさい」とだけ言っておく。「忘れていてごめんなさい」なのか「好みを先に聞かずに注文してしまってごめんなさい」なのか、大毬さんの判断に任せよう。
焼き鳥もちょっと注文。


仕事の領域が似ているので、大毬さんとはその話がいつも楽しみ。お互い違う経験をしているから、新しい発見もいろいろある。
大毬さんが、3人で話していたときよりも詳しく、携(たずさ)わっている仕事について話してくれる。日々の仕事の中で、どんなことを思い、考え、取り組んでいるかも話してくれる。
こういう話が本当にありがたい。大毬さんと話すと刺激を受けたり、インスパイアされたりする。



〈ぽん酢サワー〉の広告を見て、飲んでみたくなる。2杯目はぽん酢サワーにしよう。ということは、3杯コースかな。最後は、この店の売りである〈ウォッカサワー〉を飲もうと決めていたのだ。
ぽん酢サワーは、レモンサワーみたいな、かぼすサワーみたいな味わいだった。後日、職場で、もとやんにその話をしたら、「そりゃそうでしょう。ぽん酢なんですから」と言われた。もとやんはツッコミ系の話し方をする。でもお酒を飲めない人なのだ。レモンサワーの味、知らないでしょうに。
ぽん酢サワーは、見た目は透明そのもので、柑橘果汁が入っているように見えないくらいだった。100%クリアな透明感。


大毬さんの仕事の話に、わたしも「ああ、そういうことありますよね」と日頃思っていたことを例に出す。
大毬さんも「なんでそうなっちゃうんでしょうね?」と思いのたけを語る。


話を聞き、自分も同じような体験を語り、「そういうものですよね!」と同意し合い、わたしは締めの3杯目。〈ウォッカサワー〉を注文した。
ウォッカサワーは、焼酎の代わりにウォッカを使っているサワーなのだと思うんだけど、違うのかな? チェーン居酒屋ではなく、古くからある大衆居酒屋なので、サワーといえどアルコールは充分入っている。
最後はだいぶできあがって帰ることになった。それでも、「自分の方がいっぱい飲んだから」とお会計の配慮ができたということを覚えている。


わたしはやはり、量より飲むペースなんだな。何度も思うけど、改めてまた思う。



大海さんは仕事の分野がちょっと違うので、3人のときに話すとしたら控えめに話すだろう。大毬さんと2人きりで話せたので、思う存分日頃の仕事で感じていることを語り合えた。女子トークや、職場や仕事や自分の近況報告を3人で楽しくして、最後は同じ領域だから分かる日頃の思いを吐き出すことができた。いい一日だった。
大海さんは、きっとそれも分かっていて、「帰るね」と言ったのだと思う。ありがとう。そうお礼を言ったら、きっと大海さんは言うと思う。「まあ、その話聞いてても、こっちもつまんないしね」と笑いながら。そうサラッと流してくれるところが大海さんの素晴らしいところ。


またこういう機会がもてるといいな。
今日は本当に、ありがとうございました。またぜひ、ね。


後日、大毬さんからメッセージを受け取った。「先日は、仕事上の話を聞いてくれてありがとうございました。振り返れば、自分だって同じ時期があったはずなのに、周囲の人について言いたいことを言ってました。不愉快な思いをさせてしまったらごめんなさい。こんなふうに思えるのも、話を聞いてくれる人がいるからだと思います。ありがとうございます」というような内容だった。
そんなふうに、愚痴った人たちのことを思いやり、理解しようとし、自分を諌(いさ)めるって、なかなかできないと思う。同じ会話をしながら、わたしはしていなかったもの。口に出してスッキリした! 大毬さん、ありがとう。というようなことしか考えていなかった。言ってスッキリ、相手を悪く思っているわけじゃない、と勝手にわたしはOKにしていたけれど、自分の言動を振り返って心遣いをしてくれるって、すごいことだ。


わたし以外の人は、みんな素晴らしい。そんなふうにも思える女子会デーだった。
みなさん、お疲れさまでした!


女子会はEnd.
この日はまだちょっとだけTo be continued…

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