ラストドライブ⑤ お泊り場所

2023/04/09 16:00

初めはとにかく安いホテルを探してみた。中には一部屋に4人泊まれるというホテルもあり、良さそうに思えた。1人当たりの金額が5000円以下でとても安い。
しかし二段ベッドが2つみたいな造りで、部屋というよりベッドなのだ。グループにはいいと思ったけど、酔ってお酒臭かったり、夜中に何度も水を飲んだりするのは気が引ける。
ま、予約しようとしたら部屋が空いていなかったので、悩む必要はなかった。土日はどこも人気なのだ。ドライブ全体の企画がなかなか定まらなかったため、ホテルを取ろうと思ったときは出遅れていて、安い部屋はどこも埋まっている状況にもなっていた。

1人1万円前後なら良しとしよう。そうして検索すると、意外に松本には温泉があることが分かった。でも旅館となるとちょっと離れている。旅館ならみんなで同じ部屋でもいいかなと思ったけど。
夜は宿泊場所に車を置いて、飲み修行中のホッシーさんも一緒に飲めるようにしたいから、飲んだ後に20分、30分と歩いて帰るのではちょっと面倒。

せっかくだから、ゆっくりお風呂に入れるホテルがいいなぁ。
大浴場があるホテルをいくつか見つけ、2つのうちどちらかにしようと思った。ケイさんにどっちがいいか聞いてみたら、「ドーミー」と答えた。理由を聞いたら「どっちでもいいと思ったから、部屋でも温泉のお湯に入れるホテルがいい、と言う。どこかに「部屋のシャワーも温泉」て書いてあったっけ？「え、なかったですか？」――真相は謎のまま。ケイさんは、なかったんですか？と言っただけで、ここに書かれていたと示しはしなかった。

松本のドーミーインはわたしも興味があった。もっと行動が制限されていたコロナ禍2年目の頃、夫とドーミーイン八丁堀と秋葉原におこもりステイに行った。
そのときの体験と比べて、松本のドーミーインは都内2箇所のドーミーより部屋が広かった。壁に作り付けの棚（？）もあり、テレビが置かれているだけでなく、椅子もあってパソコン作業などもできる。ベッドを置いたらギリギリということもなく、ゆとりを持って動ける広さ。
クイーンルームだったので、ベッドも広かった。このくらいの広さがあればふたりで寝るにも寝やすいだろう。玄関のような空間との仕切りがなかった秋葉原の部屋を思うと、ウォークインとお部屋の間に扉があったのが嬉しかった。
お部屋は白を基調としていて、清潔で綺麗だった。

のんびりできる～～！！

いったん部屋に入り、少し休んだらロビーで待ち合わせようと話していた。その30分足らずの時間が楽しい。いいなぁ～

クイーンの部屋にしたのは、土日でお部屋はどんどん埋まっていて、そこしか空いていなかったから。というか、クイーンかキングかの選択肢しかなかった。

朝食付きなのも楽しみ。たくさんの小鉢があって、選び放題だというのをYouTubeでビジネスホテル飲み動画を投稿している若い女性を見て、いいなぁ～と思っていた。
朝食付きにしたのは、素泊まりプランは割引がなかったのだが、朝食付きプランだけタイムセールになっていたから。差額はほんの300円に満たない金額だったのだ。食べようが食べまいが朝食付きにしたいと思った。

冷蔵庫を開けると、ウェルカムスイーツが入っていた。お水じゃなくてカットパウンドケーキのような洋菓子があって、ちょっと驚いた。
お菓子は翌朝いただいた。

飲んで帰って来てから、さっそく大浴場に行ってみたが、21:00くらいは女性浴場は大変な混みようで、脱衣場を見ただけで退散した。部屋に戻ってベッドに横になったら寝てしまい、サービスの夜鳴きそばを食べ損ねた。
ホッシーさんとケイさんも食べ損ねたらしいが、タカさんは食べたそうだ。

翌朝は早く目が覚めたので、大浴場に行ってみた。温泉旅館だったりすると、朝早い時間にわざわざ湯を楽しみに来る女性客は割といたりするが、このときは1人、出ようとする女性がいただけだった。その後、わたしは（わたしとしては）ゆっくり40分ほどお湯を楽しんだ。内風呂と露天風呂を試したが、外は寒かった。温泉好きの人には最高だろうと思った。

そして部屋に帰って横になり、少し休んだ後、朝食を食べに行った。
たくさんの小鉢からどれにしようか迷うのは楽しかった。小鉢を選んでいると、そこにいるスタッフさんが「信州そば、ございます。いかがですか？」と聞いてくれる。信州に来たのだもの、いただきたいです。
信州の名産と魚介の入ったごはんが貴重に思えて、秘かにおかわりした。
パン類を食べている人もいたが、わたしは食べなかった。少し控えたつもりだったのだが、このときのたっぷりの朝食は一日に影響するほどだった。昼食に大量のほうとうを食べたからだ。本当にお腹を壊しそうな一日だった。
――ホッシーさんは壊したと後日報告してくれた。