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ラストドライブ③ 諏訪大社


細かく言えば、「諏訪大社にお参りしてきた」とは言えないのかもしれない。
「諏訪大社にお参りしましょう」ということになり、諏訪大社近くの駐車場に車を停め、そこからお参りをした。
しかし、今説明を見ると、諏訪大社は4つの宮があるようだ。伊勢神宮が外宮、内宮とお参りするように、諏訪大社も下社、上社と巡るのだそうだ。自分が行ったのがどちらかも分からない。
……検索。上社でした。


こういう旅の仕方がいいのかもしれない。旅を楽しむ人は、こだわりすぎない。必ずこうしなきゃ!とか、全部回りきらなきゃ!と考えすぎず、「行ってみたい」「行ってみようか」と出向く。調べすぎず、すべて網羅しようと縛られすぎず、自由。
わたしは考えすぎちゃうことがあるからな。残りの人生では、時々、囚われず縛られずな旅をしてみたい。旅は遠くでなくてもいい(それだけのコストを払えないだろうから)。すぐ近所でも。そうだ、まずはそこから。近いところなら「また来ればいい」と思えて、縛られない楽しみ方ができるかもしれない。電車で1000円以下のお出かけから始めて、ステップバイステップでやってみるのもいいかも。


歴史と由緒ある諏訪大社、初のお参り。わたしは松本城に行きたいと言っていたが、ホッシーさんが諏訪大社にも寄ろうと言い出してから、諏訪大社も楽しみにしていた。わたしは神社のある小さな山のふもとで育ったので、神社に親しみを感じる。



諏訪大社は……寒かった。
手を清めようとしたら、冷たくて凍えた。気づくと、かけ流し風の温かいお手水があり、温泉の湯で手を洗うことができた。「明神湯」とのこと。「往古より諏訪明神ゆかりの温泉とされ諏訪の温泉の源泉とも伝えられている」という説明があった。温泉で清められるって、すごいな。そして、有難い。


入っていくと、「雷電為右衛門の像」というのがあった。信州が生んだ幕末の名力士。像は横綱 柏戸と佐田山と富士錦をモデルにしているそうだ。
原寸大の雷電為右衛門の手形が貼られていた。自分の手を合わせてみたが、指を伸ばしてみても全然足りない。


神楽殿や、重要文化財の硯石と四脚門を見学しながら、進む。ご神木があり、通る人が見上げていた。土俵もあった。



御祭神は建御名方神(たけみなかたのかみ)。大国主神のことなのね。諏訪信仰は全国に広がり、各地に諏訪神社がある。諏訪大社はその総本社なのだそうだ。
この日は、手も凍える冷たい空気に満ちていて、霊気を感じさせた。


こんなに神聖さを感じる神社なのだ、おみくじを引かなきゃ。
わたしはいつも目を閉じて引く。
小吉。今読み返すと、納得の内容。「こちらに良くすればあちらに悪く 右によくすれば左に悪く 常に心に迷いがある」――よくするという表現に囚われなければ、ふたつの道(選択・決断など)があり迷いが振り切れないということ。確かにそういう状況が、少し前から顕著に見えてきた。
とにかくこの時は、良い運勢でなさそうで、ちょっとがっかりした。
がっかりすると、もう一度引くことが多い。翡翠(ひすい)が入っているというおみくじを引く。
また小吉。2度引いて2度とも小吉なら、小吉ということなんだろう、と思った。この内容も、今読み直すと、少し納得かな。願望は「さまたげありて成り難し 進むは凶」らしい。「よからぬ人にさまたげられて」ともある。うーん、ありそうかも。「交際その外に気をつけて当ること」だそうだ。


後から引いた翡翠のおみくじには和歌も書かれていた。「春くれば ふりつむ雪も とけぬべし しばし時まて山のうぐいす」ですって。
迷い続けそうな状況がある。どちらを選んでもメリットもデメリットもある。意思決定チャートでも作ろうかな。
願望は、諦めろということではないと思う。突き進まず、ゆっくり少しずつ、もしかしたら時が来るかもしれないから。どんな「時」になるかは分からない。人との関わりは、するなということではなく、気をつけて当たれということ。


諦めきれず、黒曜石(こくようせき)が入っているというおみくじも。
中吉だ! 「用心して時の到るのを待つ事 初めは 心配事が続くが のちには何事も望み通り叶うようになり 幸福が引きつづいて来る」


おみくじは永遠の運ではなく、その時々の運勢に啓示をくれるもの。運勢は変わる。
おみくじ好きの人のネット記事に「おみくじは結んで置いてくるのではなく、肌身離さず持っていて、時折読み返すとよい」と書かれていたのを読んだが、一理ある。
わたしは紙の保管は苦手なので、記録を取ることで代用しているが。


お正月のおみくじは大吉だった。そのときも願望のところには「心ながく思うてせよ 叶いましょう」と書かれていた。「心ながく」。
「短気をいましめて」ともあったし、「心静かに」ともあった。一喜一憂せず、振り回されず、焦らず、嘆きすぎず。
「他人とよくよく相談して事をなさい」ともあった――そうだ、ひとりで決めず、関わる人たちと相談をして進めよう。


「用心して時の到るのを待つ」
「初めは 心配事が続く」とあることを忘れないようにしよう。心配事が続いても、「心静かに」「心ながく」「短気をいましめて」騒がないようにしよう。
「のちには何事も望み通り叶うようになり」というところは、解釈はいろいろなので考えまい。今思っているように望みが叶うのかもしれないし、時が経つにつれ望み自体が変わるかもしれない。いずれにしても「幸福が引きつづいて来る」という結末が訪れる――そのために、感情に振り回されずに歩んでいこう。落ち着いた気持ちで事に対していけるようになれば、または自分自身や自分の望みが変化していけば、幸せになれるだろう。


諏訪大社に行ったこと、今改めてよかったと思った。


さ、振り返るのは終わりにして、未来に目を向けよう。振り返ったおかげで、少し落ち着いて見られるようになった未来に。


よし、次はいよいよ松本!!


To be continued…

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