Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:I am strong enough

歳忘れ③


大毬さんと、大海さんと、久しぶりに3人で話すことができた。

大毬さんと大海さんは、職場の中で同じ部署の非正社員同士で、とても仲が良かった。「ウマが合う」という表現がぴったりだと思う。

わたしとビア友シキさんは「相性がいい」。シキそんは「価値観が合う」とも言っていた。大毱さんと大海さんは、それとはなんとなく違うように感じる。

ふたりは、見てるとすごく「ウマが合う」のだ。ふたりで話している時には、わたしは彼女たちの話のテンポについていけない。笑ってただ聞いていて、ときどき合いの手を入れたり、一言言ったり。

あと、ふたりは「趣味が合う」。同じようなことに興味があるので、話題が合う。そのため話が尽きない。たとえば、京都の話。ふたりとも何度も行っているようで、「あそこ(寺とか店とか)はさ、こうだからね」「そう! だからこうしないと」なんて、当たり前のこととして話したりする。

「この前、アロマに行ってきた。これこれでよかった」「それはなかなかないね。私はどこどこ市のアロマテラピーに行ってるけど、これこれで」「どこどこ市にあるの?」「あるんですよ。それが安いんだけど、これこれこうで」「あ、それいいね!」わたしは賑やかな様子を楽しみながらその場にいるだけ。


そんな大毬さんと大海さんだったが、辞めてからは連絡を取らないままになっていた。

仕事の上で、ハプニングがあり、大海さんは偉い人との間で嫌な思いをした。大毬さんは、責任の一端が自分にもあると考えた。大毬さんが辞める少し前の出来事だったため、ぎくしゃくした関係が完全に回復しないうちに退職となってしまった。実はぎくしゃくしていたのかも分からない。お互いにも分からなかったろう。特に大毬さんは気遣いの人なので、「ぎくしゃくしているかも」と感じたりして、連絡を取れていないと言っていた。


夏頃、3人で会おうという話をして、どこに行こうかと話していたが、新型コロナの感染者数が増えてしまい、高齢の母親と暮らしている大海さんは「延期したい」ということになった。


そして、年末。

大毬さんと会うという話をわたしがしたら、大海さんが「飛び入りで参加してもいい?」と聞いてきて、ついに3人で会う運びとなった。



場所は、街が一望できるという中華レストラン。

しかし展望が楽しめる席は限られていて、窓側にしかないそうだ。そのことは事前に大毬さんから聞いていた。そして、予約はできても席の場所は指定できないという。

展望が見られない席でもここにしようと決め、お店に着いたところで大毬さんがスタッフさんに聞いた。「窓側の席は空いてますか?」

「少々お待ちください」スタッフさんは中に入って行き、「ひとつだけ空いています」

「よかったねぇ」「運がいいですね〜」、わたしたちは窓側の一番奥の席に案内してもらうことができた。


わー! 本当に眼下に街並みが広がってる!


「飲んでいいよ」と大海さん。

「さやさん、飲んでください」と大毬さん。

ちょっと遠慮してみたけど、結局注文することにした。でも1杯だけで、ちゃんと終えた。


本格的な中華、久しぶりだなぁ。おいしかった。

女子のお会計は個別会計。「別々でお願いします」

並んでお会計に時間がかかってもいいのだ。明朗会計。

男性と一緒だと、面倒がっていっぺんにカードなどで支払ってくれて、後から精算ということが多い。わたしの周りでは。後からっていうのも、払ったか払ってないか、もらったかもらってないか、忘れちゃう時が多くて困るのよね。



ふたりはお酒を飲んでいないけど、それぞれに選んだ中華をゆっくりお話ししながら食べ、気づくとお店は満席になっていた。

「満席になってますね」

「そろそろ出ましょうか」


女子同士は、世代にもよるのかもしれないが、気を使う。男性といるときは、何人でいてもあまり気にしないように思う。お店から「そろそろ2時間ですので」など言われたら、素直にそのまま受け止めて「分かりました」と出る。言われたことについて、気にしたりしない。怒ることもなく、済まなく思うこともない。

そういうところは、男性たちといる方がわたしは気楽。それとも、たまたまわたしの周りの男性がそういう人たちなのかな。

気遣いは心地よいし、女子同士にしかない楽しさもある。女性より男性が好きというわけじゃない。どっちもよいところがある。




コーヒーでも飲んで帰りましょう、とカフェを探す。

スターバックスは満席。どこか他にないかと探して、ビル内の素敵なカフェに入ることにした。


ボウル型の器で紅茶やコーヒーを提供してくれるお店だった。

柔らかいファブリックといった感じのソファみたいな椅子、低いテーブルで、応接みたいな感じ。


大毬さんと大海さんの会話を聞きながら、途中ついていけなくなった時にちょっと眠くなったりしながら、楽しむ。

お酒が欲しいなぁ〜とは思うけど。紅茶がなくなったけど、そのまま話し続け、3時間ほど。

わたしと大毬さんがよく話すのはお互いの仕事に関連することや、お互いの心の中のもやもや。大毬さんと大海さんがよく話すのは、生活の中の女性特有のこと。買い物やリフレッシュ手段や服やバックやお店や食事。それから、ふたりとも所属していた部署のこと。

そりゃ、ちょっとはぼんやりするよね。今日はわたしの話題より、久しぶりに会ったふたり中心の話題が大事。わたしは話すのを控えるし。

全般的に楽しかったんだー。ふたりの楽しそうな会話を聞いているのも楽しいから。


まぁ、お酒を飲みながらなら、勝手に幸せ気分が増えて相槌だけのときももっと楽しい。女子同士は別会計だし、アルコールもあるカフェだと最高だな。

大毬さんも大海さんも、ひとりだけお酒を飲んでいても許してくれる人たちだから、つきあいやすい。

いつもありがとう。それから、ちょっとおしゃれ度にかけるふたりの仲間に入れてくれてありがとう。


お酒なかったので、家に帰ってから1缶だけ飲む。

ふぅ〜。おやすみなさい。


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