歳忘れ①
『いつメン』グループで忘年会をするだろうな、となんとなくは思っていた。タカさんの家でのクラフトビールテイスティング会を考えていたし、タカさんには相談していたから、開催されるだろう。それがいつメン忘年会かな、ともなんとなく思っていた。
ある日、コヤマさんと話していたら、忘年会の話になった。「さやさん、忘年会どうする?」「どうします?」
コヤマさんが言っているのは、一般的な忘年会のことだ。タカさんの家であろうと、お店であろうと、みんなで集まって、お酒を飲んでいろいろ食べる。クラフトビール忘年会ではない。クラフトビールテイスティング会は、別途開催かな。
職場の廊下で立ち話をして、話が決まった。
楽しいテーマがあった方がいいから、前に聞いた居酒屋の食べ飲み放題はどうかという話になった。それならあまりお酒を飲めないホッシーさんも楽しめそう。タカさんが所属部署の新人歓迎会でその居酒屋を使ったら、食べ飲み放題だったと前に話していたのだ。「飲み放題はありますけど、食べ放題もついてるってすごいなと思って」と言っていた。
「じゃ、メンバーとしては、さやさんはすみやんせんせーがマストですね」
「コロナ禍になってから飲み会がないから、すみやんさんとは飲んでないから」
「分かりやした。あとは、タカせんせー、ケイ補佐、ホッシー先輩ですかね」
コヤマさんは変な敬称をあだ名としてつける。
コヤマさんは取りまとめを買って出てくれて、すみやんせんせーは「忘れちゃいけないことがたくさんあるからと不参加です」と言ってきた。
いつものメンバー+コヤマさんの忘年会が決まった。
その後、前から「今度ちょい飲みしましょう」と話していた大鈴さんに会ったとき、「ちょい飲みしましょうと自分から誘いながら、体調崩したりしてそのままになっていましたけど、もうよくなったので今度こそちょい飲みに行きませんか?」とお誘いしてみた。
この辺り迷うところで、相手は合わせて「わー、ちょい飲みいいなぁ、今度は誘ってくださいよ!」と言ってくれただけなのか、本当に行きたいのか、女性同士は分からない時がある。女性は気遣いと社交の力が高い人が多いため、相手を気持ちよくさせるための会話が多いからだ。こちらから誘いながら、そのままになっていたので、こちらから声をかけてみることで「義理は果たした」ということにしようとした。
すると。
「あ、さやさん、私、忘年会でいいですよ。(ちょい飲みじゃなくて)ガッツリで。PINEがいいな」
え。そうなんですか。
それが先に分かっていたら、いつメン+の忘年会をPINEにしたのに、タイミングが合わなかった。
じゃあ、ほぼ同じメンバーだけど2回に分ける? それもなぁ。タカさん、ケイさん、わたしは3回忘年会をすることになる。
大鈴さんと一緒の忘年会は新年会にしてはどうでしょう? とタカさんにも相談したら、「そうですね」と言われたので、新年会にすることにした。
しかし、後日それを伝えると、「えー」と言われてしまった。
結局、12月は仕事が忙しいタカさんもいるし、「2人ならいつでもいいですよ」と言ってみると、
「ホントですか? 2人で行きましょう! 私、21日がいいです。で、きっとタカさんも21日来てくれますよね?!」と大鈴さんはにこやかにタカさんを振り返った。タカさんは笑って「はい」と言った。美人は強し。
16日の食べ飲み放題忘年会は、直前に場所が変更になった。
コヤマさんから連絡が来て、「食べ飲み放題はこのシーズンは休止だそうです。なので、会場は変更になりました。タカせんせーに相談して、久しぶりにあの居酒屋に行こうということになりました」と知る。大鈴さんの忘年会、一緒でよかった。2度に渡りタイミングが悪い。(最終的に3度に渡りタイミングは悪かった。)
病院通いのタイミングを読み間違えて、わたしはこの日、急遽病院へ。逆算して年末ギリギリに最後の注射をしたい整形外科に、この日行かないといけないと気づく。
いったん電車に乗って整形外科に行き、電車でまた職場方向に戻って参加。
30分ほどの遅刻で済んだ。ごめんなさい。
真ん中に席をあけておいてくれて、料理も取っておいてくれて、コヤマさんは「私は3杯もう飲んだから、さやせんせー早く追いついてね」と迎えてくれた。
優しくしてくれて、ありがとうございます。こうして付き合ってくれる方々には、本当に感謝だなぁ。
ハイペースで飲んで、食べて、酔った挙句、「次行こう!二次会行こう!」
そして、次のお店へ。
この店まではまだ意識もしっかりしていたんだよな……