Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

いろんな気持ち。飲んだその時の。


大毬さんは、やりたいことができなくて職場を離れた。
入社時の説明では「利用者へのサービスにこのように関わります。同時にこのような事務作業もしていただきます」と言われたが、まず事務作業を手伝って覚えているうちに、年度が替わり人の配置が変わってしまった。事務職をしていた人が減ってしまい、事務作業ばかりになってしまった。大毬さんは「こういうことをすると聞いて入社した、その仕事をさせていただきたい」という希望を上に伝え、少しずつ任せてもらえるようになった。
しかし、その後、部署のトップが代わり、せっかく任され始めた仕事がなくなってしまった。代わりに託された業務は、大毬さんの意に沿わないものだった。大毬さんは仕事に真剣に向き合う人だったので、その業務についても自分の意見を述べ伝え、そして自分の希望も再び上に伝えていた。
結局、辞めることを決意した。


わたしは、今、やってみたかった仕事を少しやれるようになった。
大毬さんを羨ましいと思ったときもあった。結構長い期間あった。わたしは「非正社員だから」と提供するサービス内容が限定されていたからだ。
ようやくある程度望む形でやりたいことができるようになった。100%ではないけれど、それはもういいと思っている。


けれど、結局どうなるか分からない。ということが分かってきた。
次年度になって、もし**さんが直属の管理職になったら? **さんはかねてから言っている。「非正社員の皆さんには、現場業務をやってもらいたいんですよ。皆さんだって、現場がいいでしょう? 現場で走り回っていてほしいんですよ」――わたしは一度「いいえ、今させてもらっている業務は、とてもありがたいです。やりがいがあります」ということを言ってみたことがある。しかし、その後も言われる。「非正社員の皆さんは、現場業務をしているほうが輝いてますよ」
やらせたくない、正社員の仕事だから。そう言ってもらったほうがスッキリする。納得はしないだろうけど。


その日が来たら、辞める方がいいのかな。



しかし、慣れた職場は働きやすい。
給与は悪くない。賞与もある。年収として「多い」とは言えないけど、他の会社に移ってわたしが同じだけもらえるかというと微妙だ。というか、もらえまい。つまり、わたしの経歴や能力からしたら「多い」。
ただ、非正社員なのでこのまま居続けても退職金は出ない。


この会社は年をとった今、福利厚生は大変良いと最近気づいた。
もしわたしが、あのつらかった5月6月、医師の勧めに従って休職を決意していたら、お給料はもらえたはず。全額か8割くらいかは分からない。1ヶ月の休職が長引いて3ヶ月くらいになっても、ゼロにはならなかったと思う。年単位ではどうか分からないが。
今は、不具合があちこちに出ている。目、足、内臓、女性特有の臓器、など。その中の多くは年を重ねたため。こんなに病院に行くことになるとは。最近は診察時間が17時までという病院も増えた。これまでは、土曜や終業後に行けない場合は、有給休暇を使って通院していた。しかし、実は病気休暇は、休職のような事態でなくても取れると判明した。17時までの眼科と、16時までのセカンドオピニオン婦人科は、病気休暇を取って通った。全額支給なのだ。たぶん、あまりたくさん使うともらえなくなるのだと思うが。(あまり説明されないひっそり存在する制度なので、詳細のすべてが分からないのだが、まだそんなに使っていないので使えている。)


もうキャリアアップを考える年ではない。
次に転職するとしたら、60歳を過ぎてから、もう少し緩やかな働き方をするため。それが良さそう。


まったくやりがいがないわけでもない。
辞めるにはもったいない職場ではある。
うんざりしてしまうときもあるが。しかし、蓄えがあったり、夫がたくさん稼ぐ家庭なら、やりたいことのための転職もいいだろうけど、わたしが辞めるのは賢明ではないように思う。



わたしは2022年度、この職場でやっていこうと心を決め、根を下ろすことを意識し始めた。
親しくしてくれる人たちとの縁をこれまで以上に大切にしようと決めた。そして、そうしてきたつもり。
この会社を離れたら、築き上げようとしているもの、これまでほんの少しだけど築き上げた絆が、ほぼなくなるだろう。会社というコミュニティは大きい。いくつかの職場で長く働いた人生だったけど、今でも続く関係性はゼロと言っていい。しばらくは続くけれど、つなぎ合わせてくれる場がなくなるとどうしても疎遠になっていく。
今までの年月で築いてきた関係性を、もっと意識して固めていこう、繋げていこう――と考えて、そんなふうにし始めて半年ちょっと。それらを捨てる決断を、近いうちにするのだろうか。


今の状況は悩ましい。
わたしに底知れぬ悪意を抱く人がいなければ。わたしのせいで自分の人生の大事な一部分を諦めざるを得ない羽目になる人がいなければ。もう辞めることなんて考えないだろうに。


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