Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

2023/4/18 YEBISU BARでエビス時間のひとり飲み


『YEBISU BAR』では「エビス時間」なるものを始めていて、エビスバーアプリに「今月のエビス時間」のお知らせが届く。
YEBISU BARは料理がおいしいと思う。ビアパブの料理とはちょっと違う印象がある。なんていうのかな、少し「ノーマル」寄り。つまり、お酒がなくてもおいしいという方向に少し寄っている。


料理がわたしの好みだと思うビアパブってどんな感じだろう?――思いつくまま書こうとしたら、なんかちょっと難しかったので整理してみよう。
Side Dish系:『高田馬場ビール食堂』『Repubrew』『Pizzer Citraba』
Snack系:『Baird Taproom(高田馬場と沼津フィッシュマーケット)』『Two Fingers』『Titans』『ビール工房(の2つの店舗)※悲しいことにいずれも今はない』『ターコイズ』
わたしにとってここはメインディッシュが素晴らしい:『麦酒倶楽部ポパイ』


ちなみにどこもおいしいのだ。わたしが好きだと思うビアパブ、ビアバーで料理が好みでないところはない。食いしん坊だから。
その中でも特徴的であったり、強く印象に残っていたりするお店を思い浮かべたら、「一律には語れないな」と思ったのだ。細かい性分だから。


『YEBISU BAR』はメインディッシュ系に入るのかな。メインディッシュが置いてあるという意味で。(あくまでわたしの勝手な分類では)
味はイタリアンフレンチ路線が強い『Repubrew』『Pizzer Citraba』とはちょっと違う。『Baird Taproom 高田馬場』を思わせる。日本の味って感じ。また、『Two Fingers』や『Titans』のアメリカン、オーストラリアンな感じとも違う。日本の味って感じ。


4月のエビス時間は春らしかった。ミモザサラダは彩(いろどり)もよく、気分が上がる。YEBISU BARのサラダは、野菜がやたらとシャクシャクしていなくて好き。パスタランチのセットのサラダなどによくある、口に入れるのに苦労するシャキシャキしたレタスとか、苦手。口に入れるときやたらと口の周りに当たって、ひと口ごとに拭く感じ。ドレッシングもすべり落ちるし。エビスバーにも普通にレタスなどが使われているけど、食べやすい。どういう調理法なのかな。
ランチセットのサラダと比べたらそりゃ高いけど、手間がかかっている代金なのかな。


玉ねぎもおいしかった。甘い春の玉ねぎを楽しむことができた。
おいしさに気持ち良くなって、タルトフランベも注文。ハバネロソースがついてきた。ちょっとかけるとおいしい。


ビールは金色のビールと、黒茶色のビールと、クリーミーな泡がたっぷりの黒いビールという3杯。
金色は、エビスビールか、エビスマイスターかエビスプレミアムだろう。焦げ茶色で、光の加減によっては黒くも見えるビールは、たぶんベルベットプラネット。3種のビールをブレンドしている。ヱビスプレミアムエール&エビスプレミアムブラック&エビスマイスター。ベルベットプラネットはお気に入り。そしてたぶん、黒いビールはエビスプレミアムブラックかな。


料理が来るのを待ってビールを注文し、なるべく料理とビールを一緒に撮るようにした。ビールアプリUNTAPPDに投稿するとき、料理も写真に写し込みたいから。


この日のエビス時間の料理がどれもおいしかったので、この後もエビス時間のお知らせを見ると行ってみるようになった。
こんなふうにフードとビールが合う時間は、ひとりでいただくのもいいけれど、誰かと分かち合うのもいい。
乗り継ぎでこの駅を使う人は今でもいるけど、一緒に飲むことはない。ある女性は、1杯くらいしか飲まないし、前からの予定でなければ家でお母さまと一緒に夕飯を食べることにしているので、誘ってもエビス時間まではつきあってくれない。もうひとりの女性は、一人暮らしだがお酒を飲めないし、「ワンコがいるから無理」と言う。「**さんとこみたいなちゃんとしつけされた高級なワンコなら大丈夫だけど、うちのは帰らないとどうなってるか分からないから」ということだが、お酒を飲まないということが大きいと思う。だって、一度は駅構内で50分も立ち話していたもの。お互いにぐちが溜まっていたからなのだが、50分あれば2杯は軽く飲める。ワンコの問題ではないのだと思う。
ビアパートナーが恋しいな。


さて。帰ろうかな。
ごちそうさまでした。

2023/4/16 ひとり飲み祭り


夫を送っていき、百貨店でビール売場を覗き、酒屋で雨宿りがてらのひとり飲み(角打ち風)をし、帰って来た。
買い込んだビールでひとり飲み祭り。West Coast祭りをするしかないな。
百貨店でも酒屋でもWest Coastのビールをいろいろ売っていた。百貨店にしかなかったもの、酒屋にしかなかったものがある。
思えば重かった……


せっかく都心近くまで出たので、デパ地下でフードも仕入れてきた。
腰を据えて飲むぞ!


『West Coast Brewing』祭り
〈Deep Skaze〉4.00
〈That Magma〉4.00
〈Brilliant Cut 2023(The Slop Shop 4th Anniv.)〉4.00
〈24 Hour Power〉3.75


どれもおいしかった。さすが『West Coast Brewing』だ。
〈Deep Skaze〉は、しばらく後にも飲んでいる。ゴールデンウィークの最初に連れて行ってもらったドライブに持参し、車の中でケイさんと分けて飲んだ。また、6月にビアパートナー シキさんと久しぶりに飲んだときも飲んでいる。
何度も飲んだ理由は、割と行きやすい位置にある酒屋に比較的大量に入荷していたからだ。断続的に買っても枯れなかったというわけだ。


〈TRIPPLE BARREL BARLEY WINE〉は、最後のお楽しみに残していた。
最後にバーレイワインで締めようかと思ったが、止まらなくなってしまった。


『志賀高原ビール』〈Africa Pale Ale〉3.75
『宮崎ひでじビール』〈鬼マタタビHAZY IPA〉4.00


〈鬼マタタビHAZY IPA〉はとてもおいしく、「これはうまい!」と感動した。わたしにとって好みだったらしい。
結局、このビールはビアパートナー シキさんとの6月の再会にも持って行った。味見してもらうのを諦められなかった。
でもこのビールもまたアルコール度数は高く、座っているから分からないがかなりふらふらだった。


諦めきれずに『West Coast Brewing』〈BAREY WINE〉をグラスに注ぎ、ひと口。
すごい! ひと口目から最高においしい!! とまたまた感動した。
バーレイワインやスタウトは、少し時間をかけて飲んでいるとだんだん甘くなってくる。それがとても好きだが、冷たくても甘くて濃厚だった。
(後日、ケイさんにその話をしたら、「糖類が入っているからだ」と言われた。糖類の甘さでそうなる。ケイさんは志賀高原ビールのコニャック樽で熟成したビールを例に挙げ、「あれは糖類が入っていない。それでああいう味になるので、最近はそういうものが素晴らしいと思う」と言う。「こういうビールは度数がもともと高いところに糖類ノックダウンもあって意識がなくなる」とも言うので、なるほどと思った。しかしケイさんは付け加えて、「でも糖類は最強なんですよ。結局おいしいんです」という。)


とにかく、わたしはこのバーレイワインを3口くらい飲んだところで、寝具に倒れ込むようにくるまり、ノックダウン。
目覚めたら朝だった。


えーー!! 朝?
大事なバーレイワインが、一番楽しみにしていたバーレイワインが、3口しか飲まずにそのまま出しっぱなしだったとは。


あまりにもったいなくて、飲んでみた。せめてもう1口だけでも飲んでみたい。
そうしたら、おいしかったので、驚いた。
グラスに注いだまま、テーブルの上に出しっぱなしにしていたビールが、朝になってもおいしいとは! すごい、このビール!! すごい、WCB!


結局、もったいなかったので、飲み切った。
明け方まで飲み会をしていた気分で家を出た。ケイさんに感動の話をしていて気付かされたが、飲酒して出勤したということか……
わたしにとってはまったく悪気はなかったのだが。


「ひと口目もおいしく、翌朝になってもおいしかった」というこのエピソードは、その後多くの人に熱弁を振るって語ることになった。それほど感動したのだった。


何はともあれ、ごちそうさまでした。


2024.03.05|固定外れる


この日は手術後の3回目の通院。ようやく固定が外れた。


術後は2週間と3日くらいだが、固定は手を傷めて救急外来で見てもらった時からだ。けがをした日が2月3日だから、丸1ヶ月固定していた。「ようやく」という気持ち。
1ヶ月動かさなかった親指は、当然固まっている。なるべく動かしていた他の指も、動きはするが固い。そして、手首も動かすと痛いことに気づいた。手首まで固定されていたものな、と改めて実感。
親指も動かせる範囲では動かすように言われて、できるだけ動かしていたが動く範囲が極小だった。
リハビリは長いだろうな……


しかし、とにかく外れたことは前進だ。


この日、会計が終わったのは11時だった。
9:30~10:00の時間枠に予約を入れてもらっていて、わたしは9時前には病院に着いているのだが、この日は急な患者さんが入ったそうで10時をだいぶ過ぎてからの診察だった。
リハビリをする病院に紹介状を書いてもらったため、診察が終わってからも待ち時間があった。
紹介状があるため、会計が別枠になり、時間がかかった。
というわけで、前の2回はだいたい10:30くらいに全部終わっていたのだが、この日はちょうど11時になった。


それなら――病院レストランで食べたいと思っていたかつ重を食べちゃおうかな。固定が外れた特別な日だし。


楽しみにレストランに入ったが、メニューを見たら大山地鶏の親子重もあった。うーん。固定が外れたばかりで、おそるおそるの左手。固定していた時の方が親指も使えていたかも。
むきだしになった親指にはドキドキする。固定があったときは、固いカバーが親指をすっぽり上まで覆っていたので、ちょっと何かに当たっても全然響かなかった。固定の上部を使って、左手で何かを支えたり、押したりすることもできた。しかし、今は頼りない。箸を使ってかつを口に運び、汁を吸ったごはんをすくって食べる右手を、この左手でサポートできるかな?
今日のところは安全第一でいこう。かつ重は後日機会があったら食べることにして、親子重にした。それならスプーンで食べられる。


コーヒーをセットにすることができたので、コーヒーもお願いした。しかし、ゆっくり飲むことはできなかった。一応、病院に行くということで遅刻しているので、職場に早く行かなければならないという気持ちがあったからだ。小心者ゆえ、ワルにはなりきれない。
10分弱で提供され、10分ほどで食べ終わり、駅に向かった。


ああ、長かったなぁ。でも、旅から帰って、診察してもらって、手術が決まって、1回目の通院日はすぐだったし、2回目までの1週間、3回目までの1週間、職場はちょうど異動や退職でお別れの時期――区切りが何度もあると「長い」という気持ちは緩和される。「**まで」「**まで」と単位が短くなるから。


病院に行くまでの間に、白ピクミンが育っておつかいに行き、ラーメンのデコを身につけて帰ってきた。赤・黄・青を揃えるまでもずいぶん長い時間がかかったが、ここから先も長そうだな。


さて、電車に乗ろう。覆いがなくなり、周囲の人が気をつけてくれることもなくなる。自分で警戒しないといけない。
立ち位置にも、手の置き位置にも、いろいろな動作や作業にも、気をつけていこう。
注意喚起のために事前に用意しておいた100円ショップのネット包帯をつける。(病院では、包帯と固定を外し、手術の傷痕のところにも何も貼らず、そのままだった。予想していたので、事前に買っておいたのだ。)
ちょっと安心。では、出発。

2024.02.25-03.01|2月の終わりの週


2月も終わる週。


火曜日、通院。手術の傷痕の消毒、確認。半日がかりで受診して、出勤。
次の火曜日にまた通院することになっている。そのとき固定が外れる予定。「あと一週間です!」と医師が言ってくれたけど、固定されていることに慣れてきて、ちょっとしたときに手術した親指が何かにぶつかることがある。少しくらいぶつかっても平気、全然動かない――という状態だったものが、固定が外れると痛かったり、もしかしたら傷めてしまったりするかも。だから外れてからのほうが怖い。


水曜日、買い物帰りにビール売場を見て、お初のビールがあったので買ってしまう。
『黄桜』〈国産原料100%のビール〉と『COEDO』〈香琳 -KOURIN-〉。どちらも味はともかく、香りが苦手だった。でも、わたしの苦手の定番ヴァイツェン系の香りではない。


木曜日
少し前にあった、自分がすごくみじめに感じられた話――その後日談がこの日職場であった。後日談は2段階でやってきた。「あ、これがあの話か。で、わたしは“選に漏れた”ってことね」と思う出来事の後に、他に人がいないとき個別に声をかけられた。「**の件、やってみたら。無理強いはしないけど」というような意味合いで。有難いし、少し嬉しかったが、帰り道でふと気づいた。その言葉の意味は、ただ「その技術を身につけておくのもいいのじゃないか?」という意味であり、「あなたに任せたい」とか「その仕事をやってもらいたい」という意味は含んでいないのかも。
複雑な気持ちになり、とりあえず何か飲むものを買って帰ろうと酒屋へ。
『Dageraad Brewing』〈Daybreak IPA〉と『UCHU BREWING』〈宇宙 IPA〉を購入。
見たことのないブルワリーだったDaybreak、いろいろなUCHUが出ている中、基本!といったネーミングに惹かれた宇宙IPA。
〈Daybreak〉を投稿すると、見たことのないUNTAPPD BADGEが出現した。「LEAP BEER」? バッジの説明では、デビッド・アッテンボローの名前が出ている。イギリスの自然に関する番組を制作する人だよね?
デビッド・アッテンボローとどのような関係があるのかは分からないままだが、このバッジは4年に1回しか出現しないらしい。LEAPを調べたら、「飛躍する」と出てきた。「うるう年」leap year。なるほど、うるう年という意味か。
もしかして、うるう年に投稿すると出てくるのかな? ――いや、うるう年になってからこれが初めての投稿ではない。うるう年の2月に投稿すると出てくる?――いや、2月になってから初めてではない。あ、2月に入ってから5種類目の新たなビール投稿!――でもないな。
察しの悪い頭脳の持ち主だということが改めて自分自身につきつけられるような推理過程を経て、「あ」と気づき日付を確かめた。2月29日に最初に開けたビールだった。
馬鹿だな。素直にシンプルに考えれば、うるう年のバッジ、そして「4年に1回だけ」というのなら、考えられることはひとつしかない。「2月29日に投稿」という行為は4年に1回しかできない。そのときだけに登場するバッジ。なるほどね。


金曜日。
一緒に帰りたいと大海(おおみ)さんに言い、仕事上の昨日のもやもやを歩きながら聞いてもらった。
乗り換え駅で降り、大海さんは退職する人のプレゼントを買いに百貨店へ。話しながらついていき、百貨店内に新たにできていたジェラート屋さんで最後にジェラートを食べて帰る。話したいことはすべて聞いてくれた。大海さん、いつもありがとう。


酒屋に寄り、『VERTERE』の並ぶ棚を見た。前に寄ったとき、ビール担当のお兄さんが「VERTEREをたくさん仕入れたので、今はひとつの棚全部がVERTEREです」と言っていたから。
その中から何を買おうかな……
スタウトがあるので、飲まないまでも1本確保しておこうかと考える。それ以外には――やはりお高いので、ピルスナーやメキシカンラガーよりIPAに惹かれるな。
3種あったIPAのうち、2種は既に飲んだことがあった。『IBREW』で飲んだことがある1種と、どこかのお店とVERTEREのタップルームと2度飲んでいる1種。ひとつはお兄さんが「こっちは毎年少し変わるんですよ」と言う。「そうですよね。そういうの最近多いですよね。
とりあえず飲んだことのない1種を買う。飲んだことがあるものは、次に来たときまだなくなっていなかったらでいいかな。


買っただけ。この日のひとり家ごはんで飲んだのは、少し前に開けて半分残っていた安い赤ワイン。
映画を見ながら夕飯にした。もやもやを横に置いたまま。横に置いてもすぐに中心に戻ってくる。そして、思考や心を苛(さいな)み始めるので、また横に置く。また戻る。その繰り返し。


今週が終わった。
新たなもやもやが生じた週だった。

2023/12/27 今年後半は本当にお世話になりました


2023年の終わり頃に、「ストレス溜まってそうだから」とむにゅむにゅムーミンをくれた大海(おおみ)さん。
6月の終わりに事件が起きて、どうしていいか分からなくなったわたしの話をよく聞いてくれた。パワハラと言いたいけど、訴えるにはちょっと足りないかなというような事件で、その後もずっとわたしへのハラスメント行動は続いたので参っていた。ハラスメントではあるけど、パワハラだとパワハラ委員や外部窓口に話して認められるほどの強烈な行動はない。パワハラって基準が厳しい。
今では、あれはあの人の精神的問題から来ていたと冷静に見ることができる。自己肯定感の低さから、自分が無視されたとか馬鹿にされたと思うと頑なになり、感情を抑えられない。これまでの職場生活で、ずっと誰かを貶めたり悪く言ったりすることで自分を守ってきたため、ひょんなことから自分が上の立場になってもその習慣が抜けない。そういう人なのだ、と落ち着いて心理のプロ目線で分析できる。
わたしは大したプロではないのだが、それでも分かるくらいに分かりやすいのだ。でも、それにすっかりやられてしまった。職位が上がるとそれだけ権力が強くなるということだ。同じ行為でも、職位によって被害の大きさが変わるのだ。
そんなこと達観していたい、超越していたいと思っても、下の者にはできない。


そして大海さんは、わたしの苦戦続きの転職活動報告をさらりと聞いてくれた。ちょっとした一言を言ってくれて、それ以上には突っ込まない。
傾聴とは違うが、批判しない・自分の意見をあれこれ言わない・ただ受け止めたり流したりする、という有難い聞き方。
感謝と大海さんの有難さについて述べたことがあったが、大海さんは「私は何にもないからね。言うようなことがないんだよね」と答えた。
いやいや、なかなかできることじゃないですよ。自分の意見やアドバイスをあれこれ言わずに聞いてくれるなんて。


仕事納めの一日前、この日はナリーさん・ソルトさん夫婦が、生まれて間もない娘ちゃんを連れて職場に来ていた。あちこちでお披露目して回って帰るところに偶然会うことができた。危うく会えないところだった。
自分には恵まれることのなかった子供という存在。寂しいような、でも育てる自信はなかったような――


大海さんはこの日が最後の出勤日で、翌日から年末年始休暇に入るというので、駅まで一緒に帰る。
「何、一杯つきあって欲しいって?」と笑いながら大海さん。
「大海さんがよければね。無理は言わないよ」と返す。
 でも分かってる。大海さんが自分からこう言うときは「つきあってもいいよ」という時なのだ。
「いいよ。じゃ、家に連絡しないとね。待ってるといけないからね」と一緒に住んでいるお母さんにメッセージを入れる大海さん。


「ごちそうするよ」
店に着いて、注文したとき、わたしは言う。キャッシュオンデリバリーなので2杯分お金を払う。おつまみ2品も払った。
「え、いいよ」
「今年後半は、ずっと転職の話を聞いてくれたし、パワハラ事件の時もいろいろ聞いてくれたし、お礼だよ」
「そうか。ごちそうさま」


大海さんは小さいサイズでブラウンエール、わたしは大きいサイズで『COEDO』の〈PRIZM〉を飲んだ。
本当にありがとう。いつも聞いてくれて。どれほど助けられたか。
つまみはたこ焼きハーフと軟骨揚げにしたが、席に着いたとき大海さんは気づく。カウンターにはメニューがなかったが、席のところに「合鴨のパストラミ」という張り紙があった。「あ、これがあったか!」「あ、そうだね(大海さんが好きそう)」でももう頼んでしまったし、大海さんのお腹からしてそんなに食べられないだろうから、パストラミは見送るしかなかった。残念だったね。


今年一年、お疲れさま。来年もよろしくね。
無理っぽいけど、わたしがもしここを去る時が来ても、仲良くしてね。


ありがとう。