Bittersweet Maybe - Bubble Talk -

Status Message:I am strong enough

バスタイムカバー(乳がん用入浴着)

※今日はほかのブログに書いた記事をそのまま引用




長くなりそうなので、流れを目次にしておきます。
1.温泉と日帰り入浴施設の違い
2.バスタイムカバーの購入と使用感
3.事前確認をする
4.これまでに使用したホテル・旅館
 
1.温泉と日帰り入浴施設の違い
 
乳がんの手術をすると、傷痕が気になって温泉に行けなくなるという悩みを知りました。
多くの方が悩むようです。
また、手術をした場合だけでなく、手術しなかった(あるいは、ステージや病気の種類などによってできなかった)場合も、胸が変形したり異常が見える状態になったりして、温泉などに行きにくいことがあります。
 
温泉も日帰り入浴施設も同じ問題があるのですが、ここでは「温泉」と表記していこうと思います。
この問題についてネットを使って調べてみると、どうも温泉と日帰り入浴施設は別に考えたほうがよさそうだからです。
 
温泉地のホテルでは、「当ホテルは乳がんになられた方たちを歓迎します」つまり、「バスタイムカバーを全面的に受け入れます」というところもあります。
宣言していなくても、使いたいという人を無下に断るホテル・旅館は少ない、という印象を受けました。断るとしても気を遣ったり、代案を提示したり(客室のお風呂を勧めるとか)、ホスピタリティやおもてなし側に傾いているようです。
 
日帰り入浴施設の場合は、今はどうか分かりませんが、過去に体験記を書いていらっしゃるブログなどを見ると、「ダメとなったら絶対ダメ」というところが多いように感じます。
それはそれで、「他のお客さまのことも考えると」ということになり、ホスピタリティではありますが、ホテルや旅館が一人一人を考えるのに対し、日帰り入浴施設は全体のことを考えたホスピタリティなのだと思います。
 
たとえば、「何も身に着けてはいけない」というルールの施設だったとして、乳がん患者にバスタイムカバーを許すと、他の人が何か言ってきたときも許さざるを得なくなる。今では外国から来るお客さまも多く、文化が違うと暗黙の了解も通じないことがある。「あれがいいなら、なぜこれはダメなのか」と強く抗議されたとき、断れなくなってしまう。そうなると、施設を利用する多くのお客さまがそういった行為によって迷惑をこうむる可能性もある。多くの方が気持ちよく過ごせるように、明文化されていない例外は許可しない。
具体例を考えれば、こういうことかな、と思います。
そしてそれは、悪いこととは言えません。
 
ホテルや旅館の場合は、客単価が高いので、個別の対応が求められます。
また、貸切風呂や客室風呂など代案も提示しやすいでしょう。
さらに、旅行に来ている人は気持ちもゆったりして、許容量が多くなっているかもしれません。つまり、他のお客さまも受け入れやすい心理状態である可能性が高いように思います。
もうひとつ挙げると、日帰り入浴施設はたいていの場合明るいです。温泉の旅館やホテルはあまり煌々とした照明をつけずに、雰囲気を作っているところが多いです。日帰り入浴施設ほど目立ちません。
 
こういったさまざまな要因があって、温泉旅館・ホテルと日帰り入浴施設は違うのかな、と思います。
道後温泉の本館(改修前2015年)は、温泉地ではあっても銭湯のように明るかったので、入りにくかったです。(当時はまだこの商品を知らなくて使っていませんでした。患部が気になったということです。道後温泉本館でバスタイムカバーが使えるかどうかは、確認していません。)
 
 
 
2.バスタイムカバーの使用感
 
バスタイムカバーを知って、ひとつ買って試してみることにしました。
 
Amazonでも出品されていたので、Amazonで買おうとしました。
ですがブライトアイズのサイトを見て、ブライトアイズで買うことにしました。
 
Amazonは金額によって送料無料になったりするので、とてもありがたいです。
 
しかし、2015年に購入したとき、Amazonでは商品はひとつしかありませんでした。
ブライトアイズのサイトから注文すると、右胸用と左胸用が選べました。
 
両方を隠す仕様になっていますが、片側の肩にひもをかけて固定するようになっているので、若干左右の形が変わるのです。
左右を手術している場合は、どちらにしても全面を覆うようになっているので、どちらかを選んでください、とあるので、どちらでも使えることは使えると思います。
とはいえ、送料の有無より使い勝手を重視したかったので、ブライトアイズから購入しました。
 
実際に使用してみると、とてもよかったです。(わたしの感想ではなく、使用者から聞いた感想です。説明不足の点があればご容赦ください。)
 
まず、濡れても水分をほとんど残しません。
大浴場でバスタイムカバーをつけて入浴し、バスタイムカバーは脱がずに浴衣などをはおって客室に戻ることができます。
当然、大浴場に入っていても、露天風呂や脱衣場に移動しても、水滴がたれたり、濡れた感触があって不快になったり、ということがありません。
 
水切れもよいし、石けんの泡も残さないので、つけたまま体を洗うことができます。
これは手術をしていない場合、患部に痛みがあったときも有効でした。
手を動かしたときに不用意に触ってしまって痛みを感じる、ということが軽減されました。
 
色も自然な肌色なので、少し暗めのところであれば目立ちません。かなり目立たなくなるので、気持ちが大変楽です。
 
デザインの特性上、ヒモ部分に使える素材が限られてくるため、ヒモ部分は乾きが悪くなります。
その点がちょっと残念なところですが、かといってここに胸部分と同じ素材を使うわけにもいかないだろうと見て分かるので、仕方ないと思います。
 
ヒモ部分が渇かず、「もう1回大浴場に行こう」と思ったとき、着けるとヒモ部分だけヒヤッとしました。
そこでもう1つ購入して、交互に使えるようにしました。
 
この点については、ブライトアイズの方も「分かっているのだが、仕方がない」ということのようで、その他のアドバイスとしてヒモ部分を早く乾かす方法を教えてくださいました。
乾いたタオルでしごくように拭いておくと、早く乾くそうです。
 
また、自分たちも使うにつれ、だんだん分かってきました。
最初にバスタイムカバー持参で行ったホテルでは、乾しておくしかなかったのでヒモ部分がなかなか乾きませんでした。
次に行ったホテルでは、タオル干しが電熱ヒーターになっていたので、ヒモ部分もすぐに乾きました。
 
 
 
3.事前確認
 
バスタイムカバー持参ではまだ利用していないのですが、鶴雅グループは「入浴着」着用を歓迎します、と公言してくれています。
http://www.tsurugagroup.com/
http://www.tsurugagroup.com/about/nyuyokugi.html
 
 
とはいえ、そういうホテルはまだ多くありません。
知られていないことのほうが多いなと感じました。
 
あとから問題になるのは厄介なトラブルに発展しかねないので、わたしが予約する場合は事前に確認することにしています。
これまで3回、バスタイムカバー持参で温泉に行きました。
その3回の間に、事前確認の仕方について、わたしなりに思ったことをまとめておきます。
 
 
●信頼できる旅行代理店を通すなら、申し込み時に確認してもらう
 
わたしはあまり旅行慣れしていないので、旅行代理店を利用しています。
旅行好きの家族がいつもJTBなのを見ていたので、JTBを使っています。
近くのJTBを利用していますが、その店舗を信頼しています。
 
なので、自分でホテルに連絡するのではなく、申し込み時にカウンターの方についでに確認してもらっています。
 
何月何日で、このホテルに泊まりたい、と言うと、ホテルの空きを確認してくれて、「何階のこういうお部屋が空いていて」とかやりとりがありますよね。
決まったらホテルに電話して押さえてくれます。そのときについでに聞いてもらいます。
 
個人が聞くより代理店の方が聞いてくださるほうが、あとあと問題もないだろうし、受け入れてもらいやすい気がしています。
たぶん、個人が聞くとどんな商品かよく分からなくて、許可していいかどうかホテルの方も迷うのだと思います。「いいって言ったよね」とTシャツみたいなのを着て入ったり、バスタオルみたいなのを巻くようにして入ったりされたら、困りますもんね。
代理店の方が聞くということは、きちんとした商品なのだろうという、無意識の心理が働くような気がします。
 
また、許可されないホテルで、人目を気にしながら大浴場や露天風呂に行くよりは、他のホテルに切り替えたいので、この時点で確認したいと考えています。
 
 
●許可されているのだと伝える
 
「認可」といっていいのかどうか知りませんが、温泉で使うことを許可されている商品なんですよ、ということを前面に伝えるようにすべきだと思います。
やはりホテルや旅館の方も迷ってしまいます。受け入れるかどうかの基準となるのは、「許可」「認可」などの単語だと思うのです。
 
カウンターの方もバスタイムカバーを知らないことも多いので、スマホでHPを出しておいて、「こういう商品なんです」と見てもらっておきます。
 
http://www.be-japan.com/product_bc.html
 
「厚生労働省・国土交通省・総務省で(公共性が)認められました」「衛生面の許可をとっています」の文字を見ていただきます。
そしてタオル地ではないということが、画像から分かるので、画像を見ていただきます。
そうすると、ホテルに伝えるときスムーズに伝えてもらえると思います。
 
 
●「バスタイムカバー」という名称は最後に伝える
 
3回申し込みをして、最後の3回目のときにつくづく感じたのが、「バスタイムカバー」という名称を先に出さないほうがよい、ということです。
これは1回目もちょっと思ったのですが、そのときはすぐに分かってもらえたので深く考えませんでした。
 
「手術などの痕を隠す」「バスタイム(カバー)」という言葉から連想されるのは、「タオル地の何か」になるようです。わたしも最初はそうだったし。
小中学生くらいの子供が昔(今は知らないですが)、プールの日の着替えの際、バスタオルにゴムを通して、体をすっぽり覆うように着て、その中で着替えをする、というのがありました。
ああいうのを連想するんですね。だから「それはちょっと、許可できない」と思えてしまうのです。
 
「入浴着」と言った場合には、綿素材のTシャツのような何かを想像するので、やはり同じです。
受け入れにくいようです。
 
温泉などでは「タオルを中に入れない」というルールが一般的です。
だから、「タオル地のものは許可できません」と言われてしまいます。
タオル地じゃないということを説明する羽目になり、伝わらないと最悪の場合は許可されないかもしれません。
 
かといって、「バスタイムカバー」という名称を変えるのもどうかと思いました。
結局、これが一番いい名称です。
あまり露骨な名称にするのは、使用するにも購入するにも、またそれを事前確認するにも痛みが伴います。
わたしは今のところ当事者ではないので、スムーズに許可を取るため「乳がんなどの手術痕を隠すための入浴着なんですが」と説明してしまいますが、自分が当事者になったら口にしたくないだろうと思います。
 
「乳がん手術用の入浴の際につけるものを使用したいのですが」「衛生面の許可は得ています」「厚生労働省・国土交通省・総務省で認められたものです」
と畳み込むと納得しやすそうです。
最後に「バスタイムカバーという商品なのですが、もしお手元にパソコンか何かありましたら、検索していただけると材質など問題ないと分かると思います」と言えばいいのじゃないかと思います。
(「バスタイムカバー」というのは、やっぱり一度は口にしたほうがいいかな、とも思っています。少しでも周知されて、たくさんの人が気兼ねなく温泉に行けるように。「ああ、バスタイムカバーですね、どうぞご利用ください」ということが増えるように。)
 
なのでこれからは、カウンターのお姉さんに今のような順序で説明して、「パソコンで検索」の部分はスマホで見せて、「ホテルの方にもパソコンなどでこのページを見ていただければ、分かってくださると思うのですが」みたいな言い方にして、伝えようと思います。
そうすれば、たぶんお姉さんも同じような順序でホテルに伝えてくれるでしょう。
 
 
●おまけの感想
 
1回目は、電話時に聞いてもらい、カウンターのお姉さんもホテルの方もどういうものか分からず、「?」という感じだったけれど、乳がん用ということと許可されたものということで、すぐにOKが出ました。
 
2回目は、確認するのを忘れてしまって、3回目の予約をするとき最初に断られたので、「実は来週行くことになっているホテルに確認するのを忘れていて――」と言ったら、お姉さんが連絡してくれました。特に問題なく、OK。
 
3回目のときは、カウンターのテキパキしたお姉さんが予約時に確認してくれて、不可。
このお姉さんがこの優秀な人揃いのJTB店舗でも特に有能な方で(これまで他の旅行を手配してくれたことがあって、そう感じていた)、「タオルを中に入れることはできない」という相手に、タオルではないと返答。さらに、わたしが急いで検索してスマホを見せると、その画面を見ながら、「これこれこういうもので、タオル地ではありませんし、ちゃんと許可も出ている素材のものなのですが、それでも利用できませんか」と言ってくれました。
予約係の方はそれで譲歩し、「確認してきます」といったん電話を切り、次に大女将が直接電話に。
大女将は「じゃあ、その方はタオルを巻いてもらって――」
タオルじゃないから。それにさっきタオルはダメって言ったじゃん。
今度はタオルならよくて、バスタイムカバーはダメって言われたら・・・・・・タオルを巻くなんて、使い勝手が悪いです。
 
この3回目の交渉は、カウンターのお姉さんでなければできなかったと思います。
しかも、他のホテルには変えられないのです。だって、ないんだもん。この「秘境」と銘打つ温泉地の2軒のホテルは、どちらも同じ経営です。
しかしこの温泉は、まさにバスタイムカバーを使用する予定の者が、とても楽しみにしていた泉質の温泉。この温泉自体を乳がんのために諦めることになったら、ちょっと悲しいです。そうなったら、どうやって伝えたらいいだろう?いっぱいで予約が取れなかったとでも?などと頭をよぎりました。
 
このことがあって、
・使用できるかどうか事前に確認する
・旅行代理店が信頼できるなら、代理店の人に確認してもらう
・許可されているものだということをまず伝える
・バスタイムカバーという名称は最後に伝える
 
という自分なりのやり方が固まりました。
 
また、このとき対応してくださったカウンターの方が、「今後は許可されているものだということをきちんと伝えたほうが良さそうですね」とわたしと同じ感想を持ち、「当店舗内で(バスタイムカバーに関する)情報を共有できるようにしておきますね」と言ってくれました。
JTBにも感謝しています。
 
 
 
4.これまでに使用したホテル・旅館
 
箱根強羅 早雲閣  http://www.gorahanaougi.com/sounkaku/
四万温泉(群馬) 四万やまぐち館  http://yamaguchikan.co.jp/
観音温泉(奥下田) 観音温泉ピグマリオン  http://www.kannon-onsen.com/pyg/
 
 
ピンクリボン温泉ネットワーク
(内容はさまざまで、家族風呂があることも取り組みのひとつというホテルもあれば、バスタイムカバーを貸し出しているところもあります。
温泉好きの当事者に言わせると、客室のお風呂より大浴場のほうが成分が濃いと感じるときもあるし、やっぱり大浴場にも行きたいと言うのです。)
http://www.j-posh.com/about/activity/spa/map/facilities.html
 
鶴雅グループ
http://www.tsurugagroup.com/
http://www.tsurugagroup.com/about/nyuyokugi.html


×

非ログインユーザーとして返信する