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Status Message:周回遅れのビール日記(順不同)

職人 vs 芸術家 vol.1

BABY METALのバックには神バンドがいる。

 

BABY METALはあのヴィジュアル(子供のような容姿やコスプレみたいな衣裳等含めて)、激しくのりのいいダンス、あのテンションが素晴らしい。

パワーをマックスに保ったままのライブが人気の秘密だと思っている。MCなどで落ちたりすることがないのだ。

麻薬のように、興奮と陶酔を維持させてくれる。

 

BABY METALの力と頑張りはすごいけれど、それでも神バンドは必須だ。

神バンドなくしては、片翼をもがれた鳥になってしまう(と思える)。

 

神バンド以前は、骸骨の着ぐるみを着た演奏のふりをしている人たち、骨バンドがいた。バックの音は録音だった。神バンドになって、BABY METALの人気もうなぎのぼりになったという。

 

あの愛らしい容姿に、この本格的なメタル演奏とハイレベルなテクニックがかけあわされていることが、重要な魅力要因なのだ。

 

ライブ映像を見れば、神バンドの独奏シーンになると客が湧くのが分かる。

BABY METALありきではあるが、神バンドの独奏も楽しみなのだ。

 

それほどのテクニックを持っているのだし、自分でアーティスト活動をしているのでは、と思う。したらどうかと思う。

そういう活動もしているようだけれど、本業は「自分の技術を売る人」つまり職人が多いようだ。

 

ミュージック学校の講師をしていたり、ライブや録音などのセッションに呼ばれて演奏したり(セッションマンというらしい)、そういうのが主のようだ。

で、趣味を満足させるため(というと聞こえが悪いかもしれないが、悪い意味ではない)、バンドを組んで活動していたりもする。

それは――なんだろう、プロのエンターテイメントプロレスラーが、普段はエンターテイメントなストーリーに合わせて試合をしていて、でもたまには本気勝負の別の格闘大会にも出たくて出ているようなもの、とでもいうか。

エンターテイメントなプロレスを見せるプロであるには、相当なテクニックや強さが要る。素晴らしいストーリーで観客を沸かせることに誇りも持っている。充実もしているし、満足もしている。

ただときどき、違う格闘大会で日頃はできない自由な闘いというのをやって、リフレッシュしてまた仕事に戻るのだ。

――そういう感じかな?

 

もちろんこれは、わたしが勝手に想像しているだけで、実際そうであるかどうかは不明。

 

実際についての答えの一助に、ベース担当のBOH氏の言葉を以下から引用する

http://ameblo.jp/bassist-boh/entry-12086786871.html

http://ameblo.jp/bassist-boh/

 

プロのベーシストとして13年以上活動させて頂いておりますが、常に正解を自分たちで見つけていくのはどこの現場も一緒。

しかし、短期間でのここまでの進化は今まさに僕も初体験中なのであります。

 

最近では少ないと思いますが、僕は上京してきたばかりの頃からバンドでデビューして売れるよりも、いちベーシストとしてたくさんの現場でベースを弾く、昔で言うスタジオミュージシャンになるのが夢でした。

 

自分が目立つとか、有名になるとかよりも、どこに行っても通用する圧倒的な演奏力でアーティストをサポートし、オーディエンスを沸かせる事のできるベーシストになりたい。

そう思ってやって来ました。



 

 

神バンドは海外のメタル好きたちも熱狂するテクニックを持っている。

さまざまなセッションにプロのギタリストやプロのベーシストとして呼ばれて演奏をする。

それはつまり、「職人」ということではないかと思う。

 

日本には創造性に憧れるメンタリティがあると思っている。

「欧米が発明した自動車を、欧米以上に精密にハイレベルに作れる」「もともとのそれらの国々もかなわないレベルの車を作れる」という時代があっても、「真似してより素晴らしいものにできたとしても、発想力・創造力がない」というコンプレックスが残っている。

教育改革をするとき、いつも「創造する力を養い」たがる。今ある技術を修練によって身に付けたり、それをさらに進化させたりすることより、発明できる力、創り出す力のほうがより能力が高いものに思っている。

 

それはそれで道理だ。

技術は大変な価値がある。どの国も自分のところが開発した「肝になる新技術」は他に渡すまいとする。渡すのであれば相当な対価を得ようとする。(日本ももう少しそれを考える必要があると思う。うなぎの養殖技術とか新幹線の技術とか、枚挙にいとまがない。)

とにかく、技術を創造する力というのはやはりすごいことで、価値がある。

 

だからといって職人を卑下することはないと思うのだ。

「職人」というと、何十年もその技術を守ってきた人たちを思い浮かべる。

その人たちはトップクラスの職人だが、そういう限定された意味合いではなく、「発明家」と「技術者」というような意味。

いろいろな世界に、腕を磨いて高度なテクニックを持つにいたった人がいる。その人たちのこと。

 

新たなことを発想、発明、創造するのは難しい。誰でもできるものじゃない。

けど、職人だったら訓練すれば誰でもなれるものだろうか? いや、それもまた相当な険しい道で、頑張りさえすれば才能はいらないとは言えない。それはそれで、誰でもなれるものではない。

 


(記事本文は30000文字以内というメッセージが出たため、vol.2に続く)

vol.2 http://ss2s.muragon.com/entry/122.html





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